毎年この時期になると、思い返す言葉があります。「あなた自身の成長を重ねられる職場ですよ、ここは」。うん十年も前の新入局時に、当時の編集局長からいわれた遠い記憶です。
成長のほどは定かではありませんが、赤旗記者として積んできた経験が今の自分をつくっていることはたしかです。人生の新たな踏み出し。不安もありながら胸をふくらませ、心躍る一歩としたい。時代を問わず、通じる思いです。
各企業の入社式がずいぶんと様変わりしています。服装や髪形は自由、保護者が参加、先輩社員たちと交流する。多様性の表れなのか、そんな姿がニュースでも流れていました。一方で、入社前から「転職」を視野に入れる若い世代も多い。
新生活に暗い影を落としているのが、とまらない値上げや深刻な人手不足です。食品は高くなるばかりで、運転手不足を理由に路線バスの減便や廃止が全国で拡大。地域の足をになう公共交通の縮小は都市部や人口密集地にも影響を及ぼしています。
「政治を変え、社会を変え、未来をつくる―わくわくするような共同の事業に参加してみませんか」。今の編集局長が記者募集で呼びかけています。人の役にたちたい、自分をもっとみがきたい、そんな思いを「赤旗」に託してみませんかと。
最近の辞書を引くと「わくわく」とは、これからの喜びや楽しみを期待して、心が落ち着かない様子を表すといいます。希望がもてる新年度、一人ひとりが実りある人生のスタートを切ることを切に願って。