門前町で悪徳商法

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08月25日(金)
町内ご近所でおこる話し (28)
紛らわしい抱き合わせメニュー
 
 参拝が終わってお昼にしようと思い,食堂を探した。或る店先のウインドウに示されたメニューと同じように並べて今あなたに見てもらっている。左の”ざるそば”と右の”天ざる”が同じお盆に載っている。これを見て客は注文するのであるが,左から見ると「ざるそばに天ぷらがついているざるそば」と受け取れるし,右を先に見ると「天ぷらとざるそばの天ざる」であるし,左だけ見て,店内に入って”ざるそば”を注文することもある。客の状況によって受け取られ方はさまざまである。

 問題はここで起こった。注文を取りにおばさんがお茶をもってやってきた。2人一緒であったので,まず私が”ざるそば”を注文した。食欲もなかったので,余分な天ぷらがついているけれども相棒に食べてもらえばいいと思いつつ,おばさんの「天ざるですね」に返事をしてしまった。天ぷらがついてるから,天ざると言うのかなと自分の思い込みを訂正しておいた。
 注文の品が届いた。天ぷらとざるそばが並んでいる。天ぷらは,えびなど3品ついていた。これを相棒にすすめ,食べてもらった。テーブルの上には書き付けが置いてあった。何となく見ると,天ざる1,000円と書いてある。初めて気づいた。ざるそばと言いながら,天ざるにかえさせられた。善良なおばさんなら,ざるそばといえばざるそばと伝票に記帳してざるそばを持ってくるはずだ。なのに「天ざるですね」とは悪徳商法だ。あとの祭りである。

 旅の者に出す飲食商売である。二度と来ないことはわかっている。この手をいつの間にか思いついたのだろう。残念なのは天下の聖地の門前町での出来事だ。町名は語らないが,大師がこれをお聞ききになったら,「正直に商売をしなさい。儲けたつもりでもどこかで損をするぞ。徳を積む努力をなされ」と言われるに違いない。
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