11×11=11は合ってますか

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08月20日(日)
IT関連のカタカナ語と略語ABCに強くなるブログ (25)
サブネットマスクの役割を知るべきか
 
 前にIPアドレスのことを書いて,サブネットマスクのことは触れられなかったが,この技術というよりアイディアは日常でも使えそうな原理である。例えば受験参考書の重要語句には赤インクが使ってあって,そのままでは赤く見えるが,赤い透明シートを乗せると赤が消えてしまう。このシートがサブネットマスクである。

 IPアドレスはLANの中のホストにつけた名前であった。例えば一二三三六ひふみさんろくという名前があったとする。このとき苗字と名前の境界線は書いてないから,”いちにささむ”と読んでもよい。IPアドレスもホストの苗字と名前をあわせつけたものであって,苗字にあたる桁と,名前にあたる桁が並んでいるが境界はわからない。32個数字がならんでいて,最初の28個を苗字とすれば残りの4個は名前を表す。これを人が見てわかるように改良した書き方が,
202.219.10.0/28
である。しかしコンピュータやルーターたちはこの式を理解できない。彼らには単純な原理で複雑なことをさせなければならない。単純とは,0と1が合計何個という決まった個数ずつで処理させることであり,複雑とは短時間にたくさんの処理をさせることである。
 ルーターで処理をすることのひとつに,パケットのあて先からネットワークアドレスを読み取らせることである。どうすべきか。わかってることは,ユーザーが指定したあて先IPアドレスとルーティングテーブルに書かれたネットワークアドレスとそのサブネットマスクである。このネットワークアドレスとは各LANに割り当てられた複数のIPアドレスの最初の番号のことで,LANを代表するアドレスである。これがルーティングテーブルに並んでいる。パケットが来たら,パケットのIPアドレスにサブネットマスクをかけて(掛け算)ネットワークアドレスを割り出す。
例:10101010×11111111=10101010
例:10101010×00000000=00000000
表にあるネットワークアドレスと一致するまで参照し続ける。

 これを実際に数字で示すと次のようになる。202.219.10.0はこのLANに与えられた最初のアドレスすなわちネットワークアドレスである。この下に左から28個1を並べ,4個は0を並べる。これがサブネットマスクである。4けたずつ区切って10進数に直すと,255.255.255.240となる。
Aさんの結果は始めのネットワークアドレスに一致し,Bさんの結果は一致しない。一致するネットワークアドレスがひとつだけ見つかったときパケットは次のルーターを発見する。そしてまた旅が始まる。サブネットマスクはコンピュータにとっては虎の巻である。
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