地図を持たない旅

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08月15日(火)
IT関連のカタカナ語と略語ABCに強くなるブログ (23)
データの道の駅員さんの仕事__その5
 
 人に道を聞いて,「そこをまっすぐ行って,最初の角を右に廻ると,大通りに出るから,そこから左に100mぐらいの所かな。」と返ってくる。自分は「そこ」,「最初の角」,「右に廻る」,「大通り」,「100m」などのキーワードを頼りに行けばいいと思って行っても,「そこ」を間違えたために目的地にはつけなかったりする。こんなことをよく経験したが,通信のデータの旅はそんないいかげんな情報の与え方ではだめである。現在地も途中の分岐点もきちんと定義して始める。分岐点に到着するたびに一定の手続きを踏んで次の分岐点へ向かう。これをルーティングという。オリエンテーリングに似ているが,この稿では分岐点とルーティングを明らかにしてみようと思って調べてみた。

 この送信というイベントには役職者がいる。各関門(スタート地点,分岐点,ゴール)に配置される。スタート地点には,DHCPサーバー,DNSサーバー,PROXYサーバーそしてルーターの4者とそれぞれ目的によって,SMTPサーバー,POPサーバー,WWWサーバー,FTPサーバーが加わったりする。これらのメンバーとクライアントとよばれる多数の端末を繋いでLANを形成している。これは各パソコンでコマンド プロンプトから,ipconfig /allと入力してみると以下のように表示されることから分かる。
Physical Address. . . . . . . . . : 10-00-46-BA-8E-64
Dhcp Enabled. . . . . . . . . . . : Yes
Autoconfiguration Enabled . . . . : Yes
IP Address. . . . . . . . . . . . : 172.31.29.239
Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.192.0
Default Gateway . . . . . . . . . : 172.31.0.1
DHCP Server . . . . . . . . . . . : 192.168.220.9
DNS Servers . . . . . . . . . . . : 172.24.224.90
また途中の分岐点には各LANの顔とも言えるルーターがいて,ゴールになるときは自己のLAN内にパケットを案内する。
 LAN1の端末からLAN5の端末にメールを送るときの手順を以下に書いた。このときホスト1はPROXYサーバーとしての役割をなす。ホスト5はPOPサーバーとしての役割をなす。
1.PROXYサーバーはホスト5のドメイン名のIPアドレスを知ろうとして,ルートDNSサーバーに問い合わせに行く。ここでは経路を探しながら進む過程は省いて,IPアドレスが判明した所から説明に入る。
2.パケットにはデータの部分とあて先などのヘッダ部分がある。
MACアドレス IPアドレス ポート番号 アプリケーションデータ
あて先 あて先 あて先 abc@mail.goo.ne.jp
送信元 送信元 送信元
このうち ”MACアドレス”という番号がひとつのインターバルで物理的に相手を特定するデータであり,パケットが進む直前にこれを調べて,書き換えながら(赤い部分)進んでいく。その他の
IPアドレス ポート番号 アプリケーションデータ
は最後まで不変である。
3.R1にいるパケットはどのようにして次の分岐点に到達するのであろう。理解する基本は
 「線で結ばれた区間は信号が流れる。一方だけ流れ,他方は流れないということはあり得ない。信号が一つの分岐点に到達して受けとるということは,他方の分岐点では無視して廃棄したということである。」
そこでまず,R1のルーティングテーブルの中からあて先に対応するルーターのIPアドレス(IP2とする)とインターフェース(出口)を見つける。
4.R1はR2とR3とでLANを形成している。このLAN内でIP2をもつルーターのMACアドレスを要求する。これをブロードキャストという。
R2から回答(自分のMACアドレス)が届くから,R1はそのMACアドレスをパケットのヘッダに書き込む。そして再出発する。このときパケットはR2に届き,R2はあて先MACアドレスを見て,自分宛のものと判断する。

 R2がパケットを受け取ると,あて先IPアドレスをルーティングテーブルで参照して,自己のLAN内か他のLAN内かを判定する。
① 自己のLAN内であれば,ブロードキャストして該当ホストに向けて転送する。
② 他のLAN内であれば,上の4と同じ操作を繰り返す。
ここでは,ホスト5へ届けることになっているから,②の場合が採られる。こうしてパケットは目的のホスト(メールサーバー)に届き,メールが待機状態になる。そして端末からメールを読みに行くと,ホスト5のファイルは削除される。今回は少し長い説明になったが,どこにも書かれてない真髄を述べたつもりである。
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地図を持たない旅の用語解説


ホスト1 PROXYサーバーの役割
 クライアントが外部のホストにアクセスするときは,代理を務めるサーバーといわれている。
 プロバイダーに依頼してインターネットを利用するときは,自動的にサーバーが決まり意識せずにメールなどを発信している。組織などで,外部へ通信をするときは,ブラウザソフトで接続-LANの設定の画面で設定する。
 使用目的は,クライアントにはグローバルアドレスがついていないので,外部にアクセスできないからである。自分のグローバルアドレスを用いて代理通信を行うので,同じ組織から同時にアクセス依頼すると,負荷がかかり,応答が遅くなる。 戻る
ホスト5 POPサーバーの役割
 届いたメールを一時保存し,クライアントからの要求に対してダウンロードできる状態にしておくなどのメールを管理するサーバー。
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