70歳を数年すぎてから始めたことが二つある。パソコンと携帯でんわである。どちらも機械音痴な私には無理と最初から手も出さなかったが、始めなければならないことが、起きてしまったのである。
パソコンはニューヨークに住む友人がE-メールアドレスを送ってきた。10年も前にアドレスを聞いたことがあるからだと思う。こちらから、早速メールを打ったが、届かない。メールアドレスの確認とこちらのアドレスをエアーメールで送った。数日後、友人の方から、Eメールが届いた。本当に驚いた。地球の裏側から数秒のうちに、向こうの様子が分かる。なんだか息遣いまで伝わる気がする。Eメールとエアーメールとでは、全然感じが違う。断然Eーメールの利用が多くなった。避暑先のメイン州のクリフアイランドへ2回、ニューヨークへ1回写真の添付までして送っていた。
ところがある日、事件が起きた。今まで素直なパソコンであったが、メールを殆ど書き上げた所で画面が消えてしまった。いろいろ試してみたが全然出てこない。文の始め、地名、曜日など大文字で気を付けて打ちアルファベットの間隔も気にして打ったのに、と悔しさがこみあげてくる。結局2度打ち直した。慣れない機器を使うのは年に合わないとさえ思えてきた。以後メールは打っていない。
携帯の方は難病に罹り家族から半ば強制的に持つように言われ、コールのボタンのみ覚えた。最近になって、やっと娘とメールまでできるようになったが、ほかのことはサッパリ分からない。そんなさなか、二つ目の事件が昨夜起きた。携帯の画面が、真っ暗なのである。ケアーさんに尋ねたら、充電が不十分かもしれない、とのこと。ところが、充電中のランプがすぐ消えてしまう。他のコンセントからも試してみた。ケアーさんの本来の仕事とは異なるので、事務室の方へ聞きに行くことにした。いろいろ調べてくださり、電池パックが古いから変えてくださいと、ドコモの店まで探してくださった。
つい先日も、画面の文字がどんどん大きくなり手を焼いて助けを求めたばかり。何か事が起きるといやだいやだとパニックになる。まるで機械に振り回され、意地悪されているみたいだ。
パソコンのE-メールの替わりはエアーメールでもできるが、携帯は代用品がない。何時になったらパニックから脱出できるようになるのだろうか。(E)