二日目、例の通り、ホテルのフロントに置いてあったパンフレットの中から適当に選んで「フルーツ・パーク」に出かけました。ホテルからは車で45分くらいだったでしょうか。正式には「天竜浜名湖鉄道」フルーツ・パーク駅から徒歩8分、といったところです。ここが私には思いのほか興味深く、何から何まで「目から鱗が落ちる」でした。広さはおよそ東京ドーム9個分で日本有数の規模を誇り、果樹はおよそ160種、4,300本。果樹農家の研修の場であり、研究者の実験の場であり、市民の観光のばでもある、というのです。私はワクワクしながら丁寧に見学しました。最初に注目したのは、「すもも園」、我が家ではプラムと言っている木の剪定! 運よく手入れをしておられた人にいろいろなお話を聞くことができました。
驚きました。すべてが大人の背の高さ内に収まっていて脚立不要、その上、枝の数および長さが我が家の10分の1。天井には防鳥ネット、周囲は目の細かい防虫ネット。上の写真は果樹畑の端だから主枝が4本ですが、これが列に入ると全て2本となって“整然”並んでいます。
1本の木で数百個の実を収穫するそうです。上の写真で2本の太い幹はこのままですが、次の中ぐらいの太さの枝は「新旧交代」を図らないといけないそうです。実は、中ぐらいの太さの枝から見て孫にあたる細い枝に付きます。「ふくろ実病」対策についてもお聞きしました。「こんなに切っては木が可哀そうだよね!」などという独白が頭に浮かび、自分と自分に「負け惜しみを言って、厭な性格だよな」と思い直していました。
上の写真は、何と、何と、剪定を終えたキイウイです。これにも腰を抜かしました。枝を支える棚はすべて頑丈な針金で張られていて、枝は麻ひもで結ばれていました。こちらも枝の数が我が家の5分の1。“ズタズタに切って、北朝鮮の軍隊のように整列させて、キイウイが可哀そう。フムフム、帰ったらやり直そうかな?、と殆ど精神分裂状態。
これはハウスの中だから、最初から諦めていて、ほとんど降参!・最敬礼!の状態でした。なんとこれがイチジク。今散水中だったが、水が無駄にならないように針のように細くてよく見ないと気がつかない噴水が根元周辺に降り注いでいました。
柿! この剪定が、我が家の柿と一番似ていましたが、それでも残された枝の数は3分の1、それに地上30センチのところで主枝が分けられ、これも脚立なしで作業ができる高さに収められていました。しかし、親譲りの木では今更どうすることもできません。消毒について教えて頂いたには大収穫でした。親切な作業員の方に何度もお礼を言いました。
最後は、ハウス内の二十世紀。奥に見える赤い機械は「暖房用熱風を送りだす装置」。ここまでくるともはや工場であり芸術であり精密機械だ、という気がします。