2~3週間前、若い女性が癌になったときの治療のためのシステムが整えられたというニュースを知って凄く感動し我が国の凄さに胸が震えました。
何とがんの治療中その患者の卵巣を摘出して冷凍保存しておいて、治療が終わったら解凍して元に戻すという治療法で、
順天堂大学の医学部か何かが冷凍した卵巣を預かる「卵巣バンク」とかを設立したということであった。筆者は二つの点で感動している。
第一は、抗がん剤の進歩である。悪性腫瘍はむやみに分裂を繰り返すという。正常な細胞は隣の細胞と連絡を取り合い邪魔にならないようにお隣と協力して分裂し傷を修復するという。
女性の場合細胞分裂を抑制すると、排卵が止まってしまって体調維持によくない。そのために抗がん剤を使用している期間は卵巣を体の外で管理していて抗がん剤使用をやめてからまた卵巣を元に戻そうという治療法だという。つまり、薬物によって細胞分裂を抑制するという薬物(薬)の進歩である。世界規模で行われていてまさに日進月歩だ。
次が臓器の摘出や移植の技術の進歩である。血管をつなげるだけで気が遠くなるような技術と器具が必要だと思われるが、細い神経を間違いなく繋げると聞くともう神様の手かと聞きたくなる。こうした技術は我が国は世界のトップクラスらしい。ありがたいことである。ちょっと前までは臓器移植は新聞のトップ記事だったが、あれには適合性の高いハードルがあったからだ。今度は自分の物を自分に戻すわけだからこの点は問題ないと思われるが技術面のハードルは高いと思われる。
何れにしても薬と技術の両面において凄い進歩がみられるということに変わりはない。嘗て結核が人々を悩ませた時代があったが、それが過去になったように、やがて人類は癌も克服することだろう。(T)