百醜千拙草

何とかやっています

イスラエル プロパガンダ

2024-03-19 | Weblog
研究関係で知り合いのロシア人の人から、「昨日日本に来た、一週間ほど滞在する予定」という突然のメッセージが先週の金曜日に来ました。とある地方都市にある大学の研究室の招きだとのこと。奥さんの手術と重なってしまったらしく、出発前日まで、来れるかどうかわからなかったので、連絡しなくて悪かった、幸い手術はうまくいって経過もよかったので来れたと。折角だから会おうとなって、週末に会って食事をしながら四方山話。会うのは1年半ぶりぐらいですけど、随分前に感じます。どうも、その間、研究の方は色々とうまく行かなくなり、奥さんの病気や家族の引っ越しなどで、随分と大変だったらしいのですが、最近、論文二つがアクセプトされて、去っていったポスドクの補充の目処もつき、ようやく上向きになってきたのだという話。この一年はストレスで大変だった、ストレスにはどう対処しているのかと私に訊くので、 "Circumstances don't matter; only the state of being matters"というバシャールの知恵の言葉を紹介しておきました。ものは考えようです。

彼はペレストロイカが失敗して数年経った頃、ロシアにいては将来がないと、国を出て北欧の研究大学の大学院に進み、以来、その国で研究者となってロシア出身の奥さんと家族と共に住んでいます。その北欧の国も、外からは理想の福祉国家に見えますけど、中身は色々大変で、いくつかの国際的に有名な産業は下り坂、難民流入や福祉財源確保の問題などなど、あまり明るい将来は見えないのだそうです。しばらく前にアメリカの大学から話があったが、研究費の条件面で折り合わず流れてしまった、でも将来のことを考えると、チャンスがあればアメリカで研究をしたいと。世界中どこにいても隣の家の芝生は青く見えるものです。

二年前、ウクライナ-ロシア戦争のおかげで、モスクワにもあった彼の研究室は閉鎖することになったため、彼はプーチンを深く恨んでおり、今回のプーチンの圧勝に関してもどうも苦々しく思っているようでした。どうみても中国同様、プーチンの独裁国家になってきたわけですけど、リビアのガダフィ同様、独裁者としては、スペインのフランコやヒトラーやネタニヤフなどと違って、いまのところはそう悪性ではないと思うし、中国同様、ロシアは西洋諸国のように他国に侵攻して領土を増やそうという意図に乏しいので、独裁国家ではあっても、そっとしておけば害は少ないと私は感じます。そもそも、アメリカとEU、NATOにうまく乗せられて、勝ち目のない戦争に突入するのを防げなかったゼレンスキーの方に問題があるという話をしたのですが、彼はどうも違った見方をしているようでした。それから、話の流れでパレスティナの話になりました。研究がらみでイスラエル人研究者の知り合いも複数いて、イスラエルを訪れたりしたこともあるせいか、「ハマスはテロリストであり、今回の戦争は10/7のハマスによるテロ攻撃が原因であって、イスラエルは自己防衛のためにガザを攻撃しているのだ」というイスラエル側の理屈を彼は支持しているようでした。このイスラエルのプロパガンダに何と反応すれば良いのかとちょっと悩みました。ハマスはテロリストではなくガザの正式な自治政府であり、10/7のハマスの行為はテロではなく抑圧者に対する武力抵抗と見做されるべきものであり、今起こっているのは戦争ではなく、占領者であるイスラエルの被占領地域であるガザへの無差別攻撃と兵糧攻めという一方的な殺戮であり、10/7のハマスの武力蜂起はイスラエルがハマスとの合意を何度も破ってパレスティナ自治区への攻撃と市民の虐殺を繰り返し、意図的に挑発してガザからパレスティナ難民を追い出すの口実にするために起こしたものであり、これはイスラエルが「被害者」を装って「自己防衛」を口実にしたジェノサイドである、大多数の世界の国々がICJでのヒアリングでそう主張してきたのだ、と言おうかと迷いましたが、やめました。代わりに、いくらイスラエルの主張にガザに武力侵攻する正当性があったとしても(そんなものはありませんが)、集団的懲罰として1万3千人以上の子供を含む5万人の一般市民を殺戮するということは絶対に正当化できない、子供を殺すことは何があっても絶対的に悪である、と述べるにとどめました。それには彼も同意したようでした。もし、彼が、子供を殺すことを正当化しようとするのであれば、私はサントリーやスターバックスやマクドナルドをボイコットすると同じく、彼との友人関係をそこで終わらせていたでしょう。

医師における「ヒポクラテスの誓い」のような大義とでもいうものは、あらゆる学問分野に従事する研究者や学者に共通してあると私は信じております。それは、学者(研究者)の活動は人類の幸福に貢献するという目標に沿って行われなければならないということです。その大義を忘れ、個人の利益や喜びのみのために研究を行うのはマッド サイエンティストであって、そうしたものに研究室を与えるべきではありません。マッド サイエンティスト同様、大義を忘れ、自己利益を求めて他人の幸福や権利を蹂躙する態度はそのままネタニヤフとシオニストに当てはまります。それから、いちおう学者という肩書きでメシを食っている人間が軽々しく「高齢者の集団自決」などということを口にするような愚を犯すようなことはあってはならぬことです。彼らは政治家、学者として権力や発言力を与えられるべきではなく、その職務に失格であると私は信じます。私や世界中が彼らを強く非難するのは、彼らには正当な大義がなく、自己利益のみを追求し、人類の幸福を脅かしているからです。
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