百醜千拙草

何とかやっています

政権交代の終わった日

2012-06-29 | Weblog

火曜日の衆院消費税増税採決、民主の反対票が57、棄権、欠席を含めて全部で96という話でした。反対票57というのは、ドジョウ政権にとっては大きな数字でしょうが、私は、選挙が恐い議員がもっと反対票を入れるのではないか、という期待もあったので、もっと増えてもよかったのにと思いました。記名式ですから、特に民主党の場合は党の合意に堂々と逆らうという意思表示であったということで、議員はそれなりの覚悟をしていたということですね。

 何と言っても、情けないのは、このダンゴウ三兄弟と呼ばれるようになった、ドジョウ民主党と自民党、公民党のやり方です。私、もはやこの三つの党の見分けがつきません。前回の総選挙、消費税増税を上げたアホウ自民党に対して、国民の生活が第一、で消費税は上げないと約束した鳩山ー小沢、民主党を国民は選びました。そして、沖縄基地問題で官僚にサボタージュされ支持率の落ちた鳩山内閣が、参院選対策として辞任し、史上最低の総理、空きカンが誕生しました。このマヌケは参院選に勝つという目的のために党代表になったことが理解できず、代表になるや否や、小沢氏は静かにしていろと公言し、すぐ消費税増税を口にして自爆、参院選をボロ負けして、二大政党制を定着させようとした努力を台無しにした上、責任もとらずに代表に居座り、国民の多大な怒りを買いました。この空きカンの明らかな現状認識、判断能力、政治信念の欠如を見ると、空きカンは、大局観がなく善悪の見分けがつかない無能者のくせに自己顕示欲だけは強いただの人格異常者のように見えます。しかし、現時点で国民がおかれている状況を見ると、ひょっとしたら、これらのことは全部、芝居で、空きカンやドジョウは実は極めて悪知恵の働く邪悪な人間で、財務省のために、アホウとうつけ者を演じていただけなのではないのか、という疑念さえ湧いてきます。

 二大政党制というのは、アイデアとしては、理念、政策の異なる二つの大政党が国民の支持のもとに政策を競い、政権交代を繰り返すことで、国民にとってより有益な政策をその都度、選択していく制度(建前上は)でした。民主党は、自民党政策の消費税増税、官僚主導政治に反対して、国民の支持を得て、政権を任された党です。つまり、消費税に関しては、根本的に自民党の政策とは異なる政策を主張してきた政党です。それが、空きカンがタナボタで党首になってからいきなり自民党と同じ政策を主張しだし、(もちろん、国民はそれに反発して参院選の惨敗となったわけですが)ドジョウや昼行灯オカダ、フジイのじーさんに至っては、選挙前に言っていた事と180度、違うことをシャーシャーと言い、そもそも自民党政策である消費税増税をさせて下さいと命をかけて、自民党にお願いしたりしたという異常事態となったワケです。これが二大政党制とはほど遠い現実であることは言うまでもありません。

この空きカンとかドジョウが国民に放ったメッセージは極めて明快です。

 

国民にウソをつき、約束は破ってもかまわない。つまり、国民は政治家の言葉を真に受けてはならない。

国民がいくら反対しようと、政権をとったら、あとは好き勝手にやってよい。

二大政党、議会制民主主義というものはタダの茶番の「国会劇場」に過ぎない。なぜなら、政治家は誰がやってもいつも官僚や宗主国の利益のために働き、政治家が国民の代表というのはただの選挙用の建前にすぎないからだ。

 

 つまり、ひょっとしたら、この連中は、国民に日本の政治のどうしようもない腐敗度と政治家の救い難い無能さをワザと見せつけることで、国民の政治に対する期待を削ぎ、国民に官僚や国の組織に対する無力感を植え付け、人々を社会に対して無関心な(ゆえに扱いやすい)羊の群れにしようとしているのではないかとさえ思えてきます。だとすると、この連中は「役者」です。以前にも紹介しましたが、アイク氏の議会制民主主義の現実をもう一度、はりつけておきたいと思います。つまり、消費税増税、賛成、反対とか議論をしているのは、全てただの芝居である可能性があって、国民は、彼らの真意をよく見抜く必要があるということです。

 

この(二大政党制による議会制民主主義という)政治的『選択』の幻想を与える目くらましはこの様に働く。

(1)与党はどんな時も人々を奴隷状態にするためのカバルのアジェンダを導入する。
(2)野党や野党員はそのアジェンダに反対する:これは彼らには力がないので意味が無いのだが、政治を議論しているという幻想を提供する
(3)選挙をして野党が与党になった時、選挙運動でそれに反対して選挙に勝ったにも関わらず、カバルのアジェンダを導入する。
(4)今までそのアジェンダを進めていた与党は、今、野党となり同じアジェンダを批判する。

このように、この終止符を打つべき非道行為に国民が十分気がつくまで、奴隷状態の人々に希望が叶うだろうと思わせたまま、この茶番劇は続いていく。

”英国の下院2つの政党は、お互いに向き合って政治的『議論』をするが、しかし、両方とも最終的に同じ主人達(マスター)によって支配されており、同じ政策をどちらか在籍した方が進めていくだけである。”

 

民主党が自民党の悪政を正してくれると思って国民は支持し、見事に裏切られました。情けないのは、今回の採決、かつて自民党が数の暴力で強行採決してきたというのとは事情が違うのです。そもそも民主党が消費税増税を上げた自民党に反対することで野党になれたのに、前言を180度翻し、その自民党が主張してきた政策を実現するために、与党でありながら自民党にすり寄り、国民を無視して談合するというインチキをしたということです。連立している党ならまだしも、その政策を巡って反対していた与党が、こっそり大連立(談合政治)をするというバカにした話です。そのために、衆院採決だけでも、自民党案をほとんど丸呑みしていますから、参院ではもっと悲惨なことになるでしょう。つまり、ドジョウ民主党は党是を捨て、大義を捨て、与党のプライドを捨て、全てを捨て去ってでも、官僚の利益が第一、国民の生活は切り捨ての消費税増税をやりたい、と言っているわけです。解散して、自民党に合流して、選挙で国民の意見を聞くという正当な手続きを踏めば、選挙で落とされて増税できないので、このようなインチキでやらざるを得ないのです。そこまでして、なぜ増税をやりたいのか、私は理解に苦しみます。「社会保障のため」という建前ですが、実際に全体としての税収は減り、国民の生活はますます苦しくなって社会保障費用は返って上がると予想されること、消費税を社会保障以外に使う予定であることが暴露されていること、あげればキリがありませんが、「社会保障のため」といういう言い訳がほとんどウソであることがあきらかになっているのに、そうした疑問に対してマトモに答えようとしません。考えられる可能性は、ドジョウは最初から官僚組織に使われるバカ殿を演じている役者なのか、本当に無能なので、アメにつられて財務省のTPR(増税PR)レクチャーにすっかり自ら洗脳されてしまったかでしょう。ドジョウとかフジイの爺さんとか見ると、財務省は本当に恐いところだなあ、あそこにかかわると人間が崩壊するのだなあ、と思わずにおれません。

鳩山氏、消費税増税法案に対して反対票を投じたことについて、自身のサイトで意見を表明しています。この人、育ちが良い人にありがちな鷹揚さがあって、その行動はいまいち安定感に欠けますが、言っていることそのものはマトモだと思います。(抜き書き)

 

3年前の政権交代で国民が望んだのは、これで日本の政治が変わるということではなかったのでしょうか。そして、その多くの声に応えるために、最もしなければならなかったことは既得権との戦いであったはずでした。

しかし、米国の意向を忖度した官僚、財務官僚、大手メディアなど既得権側の抵抗は凄まじいものがありました。

私が目指した方向は決して間違ってはいなかったと今でも思っていますが、その後の政権が、私を反面教師にして、「官僚、米国に抵抗したからうまくいかなかったのだ、そこをうまくやればいいのだ」と180度民主党の進むべき方向が転換されました。何のために政権交代がなされたのか、という憤りを強く感じています。再稼働を含む原発問題、TPPも全く同じ発想です。
そしてこの消費税増税法案です。消費税を上げることは、官僚中の官僚組織、財務省の悲願なのです。

 社会保障と税の一体改革と嘯きながら、社会保障の部分がよく見えません。

現執行部は政権与党としての使命を忘れ、先の選挙で国民がNGを出した旧態依然の自民党の姿そのものに成り下がってしまった感すらします。原発事故の影響で今でも16万に及ぶ人たちが放射能の洗浄も行われず避難生活を不本意にも強いられているにも拘わらず、野田内閣は経済活動を優先するあまり、事故原因が究明されず国民の多くが疑問符を感じる中、原発再稼働に踏み切りました。そしてこの渦中に国民に負担を強いる消費税増税を自公民の談合政治で成し遂げようとは言語道断です。

 

二日前の東京新聞の消費税増税法案の衆院可決に関する記事をリンクします。これが良識あるメディアというものでしょう。

   消費増税 衆院可決 政権交代の終わった日 (抜き書き)

消費税率引き上げを柱とする社会保障と税の一体改革関連法案は二十六日午後の衆院本会議で民主、自民、公明三党などの賛成多数で可決、参院に送付された。

二〇〇九年の夏が、はるか昔に感じられる。一二年六月二十六日は、政権交代が終わった日だ。

 首相は党が割れるのを覚悟の上で、衆院選では約束しなかった消費税増税を実現しようとしている。そして衆院選で戦った自民、公明の両党と組む「疑似大連立」に踏み込んだ。

 民主党を押し上げたのは、霞が関と癒着して劣化した自民党政治に代わり、国民が主役の政治を実現してほしいという国民の期待だ。だが、期待はすぐに失望に変わってしまった。マニフェストの主要政策は、ほとんど結実していない。その理由について民主党は、財源確保の見通しが甘かったことを上げるが、もしそうならば、霞が関の既得権にもっと切り込む道もあったはずだ。だが野田政権はその道を取らなかった。政権を取り、自民党時代から続く「主権在官」の体質に染まってしまったのだろう。

 政権の変質は消費税増税以外でも、ひっそりと進む。原子力基本法、宇宙航空研究開発機構法を改正。原子力と宇宙は平和利用に限るとの理念を捨て、軍事利用への道を開いた。自民党と連携し、そのタカ派的な体質まで引き継ぐようになると、どれだけの国民が想像しただろうか。

 民意と無関係なところで政治が動いている。正すのは、私たちの一票しかない。そのためにも、次の衆院選まで、政権交代が終わった日のことを記憶にとどめておく必要がある。 (関口克己)

確かに、国民のできることは選挙で、空きカン、ドジョウ、マエハラ、オカダ、阿波狸ら、のうそつきクーデター政治家を落選させることぐらいしかありません。でもこの連中も政権交代のかかった選挙では、官僚政治を批判し、国民の生活が第一のスローガンを上げ、シロアリ退治する、と大きな声で約束したのです。今や連中は、アレはウソだった、騙されたお前らがバカなんだよ、と開きなおっているのです。これらのペテン師どもを落としたとしても、次の選挙で、「国民のために働く」と約束する政治家が、政権を手にした瞬間に「ウソでした」と居直らない可能性がどれほどあるのでしょうか。

 

翌日の東京新聞の社説もなかなか良いのでリンクしておきます。暇のある人はアサヒとかヨミウリの大翼賛会プロパガンダ新聞の有害ゴミ社説と読み比べてみて下さい。

  政権選択の苦い教訓 (抜き書き)

  「一体」改革法案が衆院を通過した。消費税は増税しないと衆院選で公約した民主党による約束違反は明白だ。

 二〇〇九年衆院選で、消費税は増税しないと公約して政権交代を実現した民主党議員が、敵対していた自民、公明両党と結託して消費税率引き上げ法案に賛成する。

 自民党とは違う脱官僚や政治主導、税金の無駄遣いを徹底的になくすことで「コンクリートから人へ」の政治実現を期待した有権者の民意は完全に踏みにじられた。

 引き上げることはないと公約した消費税の増税法案を、衆院選を経ずに成立させてしまうことは、民主主義の明白なルール違反にほかならず、納得がいかない。

 政策の具体的な数値目標や達成時期、財源を明示して政権選択肢を示すのがマニフェスト政治だ。

 首相が〇九年衆院選時に公言したように「書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらない」というのは大前提だ。

 英国を本家とするマニフェストは日本では〇三年衆院選以降、各党が導入した。国民が政策によって政権を選ぶという、定着しつつあった流れを断ち切った野田首相の責任は極めて重い。

 民主主義では結論とともに手続きも重要である。国民の理解を得るための手順を欠いた政策は、それがたとえ国民に必要だとしても理解や同意は得られないだろう。「信なくば立たず」である。

 首相がもし消費税増税が日本の将来に必要だと思うのなら、自公両党と組んで中央突破を図るのではなく、面倒でも手続きをやり直す労苦を惜しんではならない。

 首相が今すべきは小沢一郎元代表ら民主党内造反議員の処分ではなく、「国民会議」で一年以内に結論を得る社会保障改革の全体像が決まるまで消費税増税法案を棚上げするか、衆院を解散して国民に信を問うことだ。

 三年前の暑い夏、高い期待を担って誕生した民主党政権が今、国民の眼前にさらすのは、自民党に同化していく無残な姿である。

 首相はそれを「決められない政治」からの脱却というが、指弾されているのは、既得権益や官僚支配など「変えるべきことを決められない政治」だ。公約違反の消費税増税など決めない方がましだ。

 

今日も長くなってしまいましたが、最後にまた、怒りのニュース。東京地検が、調書報告書の捏造にかかわった田代、佐久間、木村、再党、岩村、といった地検特捜の犯罪者集団を、不起訴にしたという話。腐った組織が腐った組織自身を治すことができないことがはっきりしました。これで、地検は法律をenforceする機関ではなく、体制の利益のために法律を都合の良いように破り、それを権力を持たない人間に対して悪用する犯罪組織であることを公に宣言したようなものです。陸山会事件、西松献金事件を見てきた人なら、国家権力やマスコミを利用して小沢一郎という一個人を徹底的に攻撃してきた既得権側の汚らしいやり口から、「法治に基づく民主主義国家」という日本の建前が全くのデタラメであったことが理解できるでしょう。今回は、いわば検察が信頼を回復できる最後のチャンスでした。検察内部の良識派は、刑事告発されたこれらのでっち上げ検事を起訴し、自浄作用を示すべきだと思っていたでしょう。しかし、結局、検察はやはりバカでした。最後のチャンスを自ら潰しました。思うに、この事件がこれだけの市民からの刑事告発にもかかわらず、もみ消されようとしているのは、官僚組織を含む既得権が、自分の利益を守るためならば、日本の社会の根幹を揺るがし、検察やひいては社会を崩壊させることさえ厭わないと思っていたからでしょう。なぜなら、起訴になって裁判になれば、検察だけではすまなくなるからです。この事件をでっち上げ、小沢起訴の絵を描いた、最高裁や自民党の大陰謀がずるずると明るみに晒される可能性があるからです。結局、トカゲの尻尾きりさえできなかった、というのが実情でしょう。八木さんが言うように、これは特捜崩壊の序曲そのものに他ならないと思います。

 

東京新聞 社説をどうぞ

検事不起訴 身内に甘すぎる処分だ

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こっそりと核武装

2012-06-26 | Weblog

 26日の消費税増税採決、民主党から何人、反対票を入れるのか興味深いです。当初の反対票は40台との希望的観測を発表していたマスコミですが、現時点で50-70と修正。ヘタすると100人をこえる民主党員が反対票を入れることになるかも知れません。いずれにせよ、この採決を期にいろいろなことが一気に起きそうです。

 

 先週末の官邸前の4万5千人規模の原発デモ、盛り上がったようです。今回もNHKは無視。報道したところでも1万人という過小報道。4万人といえば、ロシア大統領選前の反プーチンデモよりも規模が大きく、しかも国内の問題です。ロシアのクレムリンで3万人のデモは大きく報道するくせに、日本の官邸前での4万人規模のデモは無視するのですから、マスコミが国民とは反対側に立っていることがよくわかります。

 

 週末のニュースでもう一つ、頭にきたこと。

 下の記事、ヨミウリですが、私、原子力の利用目的として「安全保障」という言葉が挿入されたこと、知りませんでした。どうして、このことが大騒ぎにならないのでしょうか。

 

 【ソウル=門間順平】参議院本会議で今月20日に可決、成立した原子力規制委員会設置法の付則に、原子力の利用目的として「安全保障」の文言が盛り込まれたことに対し、韓国各紙は22日、「日本、ついに核武装の道を開いた」(朝鮮日報)など、警戒感をあらわにした記事を掲載した。 

 

 東京新聞にはもっと詳しい記事があり、批判的です。考えたら、原発推進総本部ともいえるヨミウリがマトモな批判記事を書けるワケがありません。東京新聞の記事、ちょっと長いですが、転載します。

 

「原子力の憲法」こっそり変更

二十日に成立した原子力規制委員会設置法の付則で、「原子力の憲法」ともいわれる原子力基本法の基本方針が変更された。基本方針の変更は三十四年ぶり。法案は衆院を通過するまで国会のホームページに掲載されておらず、国民の目に触れない形で、ほとんど議論もなく重大な変更が行われていた。 

 設置法案は、民主党と自民、公明両党の修正協議を経て今月十五日、衆院環境委員長名で提出された。

 基本法の変更は、末尾にある付則の一二条に盛り込まれた。原子力の研究や利用を「平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に」とした基本法二条に一項を追加。原子力利用の「安全確保」は「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として」行うとした。

追加された「安全保障に資する」の部分は閣議決定された政府の法案にはなかったが、修正協議で自民党が入れるように主張。民主党が受け入れた。各党関係者によると、異論はなかったという。

 修正協議前に衆院に提出された自公案にも同様の表現があり、先月末の本会議で公明の江田康幸議員は「原子炉等規制法には、輸送時の核物質の防護に関する規定がある。核燃料の技術は軍事転用が可能で、(国際原子力機関=IAEAの)保障措置(査察)に関する規定もある。これらはわが国の安全保障にかかわるものなので、究極の目的として(基本法に)明記した」と答弁。あくまでも核防護の観点から追加したと説明している。

 一方、自公案作成の中心となった塩崎恭久衆院議員は「核の技術を持っているという安全保障上の意味はある」と指摘。「日本を守るため、原子力の技術を安全保障からも理解しないといけない。(反対は)見たくないものを見ない人たちの議論だ」と話した。

 日本初のノーベル賞受賞者となった湯川秀樹らが創設した知識人の集まり「世界平和アピール七人委員会」は十九日、「実質的な軍事利用に道を開く可能性を否定できない」「国益を損ない、禍根を残す」とする緊急アピールを発表した。

◆手続きやり直しを

 原子力規制委員会設置法の付則で原子力基本法が変更されたことは、二つの点で大きな問題がある。

 一つは手続きの問題だ。平和主義や「公開・民主・自主」の三原則を定めた基本法二条は、原子力開発の指針となる重要な条項だ。もし正面から改めることになれば、二〇〇六年に教育基本法が改定された時のように、国民の間で議論が起きることは間違いない。

 ましてや福島原発事故の後である。

 ところが、設置法の付則という形で、より上位にある基本法があっさりと変更されてしまった。設置法案の概要や要綱のどこを読んでも、基本法の変更は記されていない。

 法案は衆院通過後の今月十八日の時点でも国会のホームページに掲載されなかった。これでは国民はチェックのしようがない

 もう一つの問題は、「安全確保」は「安全保障に資する」ことを目的とするという文言を挿入したことだ。

 ここで言う「安全保障」は、定義について明確な説明がなく、核の軍事利用につながる懸念がぬぐえない。

 この日は改正宇宙航空研究開発機構法も成立した。「平和目的」に限定された条項が変更され、防衛利用への参加を可能にした。

 これでは、どさくさに紛れ、政府が核や宇宙の軍事利用を進めようとしていると疑念を持たれるのも当然だ

 今回のような手法は公正さに欠け、許されるべきではない。政府は付則を早急に撤廃し、手続きをやり直すべきだ。(加古陽治、宮尾幹成)

<原子力基本法> 原子力の研究と開発、利用の基本方針を掲げた法律。中曽根康弘元首相らが中心となって法案を作成し、1955(昭和30)年12月、自民、社会両党の共同提案で成立した。科学者の国会といわれる日本学術会議が主張した「公開・民主・自主」の3原則が盛り込まれている。原子力船むつの放射線漏れ事故(74年)を受け、原子力安全委員会を創設した78年の改正で、基本方針に「安全の確保を旨として」の文言が追加された。

 

 さすがに日本政府はクソ(Pardon my French)ですね。やったこともデタラメなら、そのやりかたもデタラメ、そしてその言い訳(下)までデタラメです。こっそり、法律変更ですよ!この卑怯なやり方のおかげで、既に大きく国益を損ないました。韓国の反応がそうでしょう。

 韓国が批判するのはもっともです。韓国のアメリカに対する正確な立ち位置を私はちょっとよくわかりませんけど、多分、朝鮮戦争で荒らされ、民族分断された過去があり、在韓米軍に対する態度をみても、日本ほど骨抜きにはされていないでしょうから、アメリカに対する警戒感というのは少なくとも日本よりも大きいと思います。加えて、核をもつ北朝鮮をはじめ旧共産圏が背後にいるという状況があります。そして、もちろん、朝鮮人強制連行などなど、半日感情も強いでしょう。そんな歴史の痛みがまたなまなましい国が、戦後日本をどう見てきたかを想像すると、(必ずしも日本人に対するものではなく、日本国という機関に対してです)、多分、彼らは、日本のことを、アメリカの忠実な下僕で、アジア諸国を見下し、カネ儲けばかりしか頭にない軽蔑すべき国、そんな風に思っているのではないでしょうか。韓国が日本を信頼できる友人だと思ってくれる可能性は極めて低いと思わずにおれません。

 かつて日本は、欧米の植民地主義を猿真似し、脱亜入欧の恥ずかしいスローガンのもとアジア諸国に侵攻し、帝国主義に邁進し、文化的に大きな恩恵を受けた国々に対し、恩を仇で返すようなマネをしました。その挙げ句、第二次世界大戦でコテンパンに負けた後は、昔のことはすっかり忘れてカネもうけに邁進し、アメリカの言いなりになってきました。「技術やカネはあるのに、何を考えているかわからない不気味な国」それが、近隣アジア諸国の日本を見る目ではないでしょうか。戦後日本人にしてみれば、そういう評価を受けることに戸惑いを感じているかも知れません。戦後の日本人はGHQに徹底的に骨抜きにされて、戦争をやった日本が間違いでしたと教え込まれ、戦争前のことはすっかり忘れてしまいました。日本に酷い目に合わされた中国、朝鮮、台湾やフィリピンの人々は、水に流すにも簡単には流せない痛々しい過去があるのです。その加害者たる日本に「日本は敗戦して過去のことは忘れたから、これから仲良くやろう、ハッハッハ」と肩を叩かれても、はい、そうですか、とは普通、言えないでしょう。まずは、土下座して謝れ、話はそれからだ、という気分の人も多いのではないかと思います。一方、日本人の方は、そのアジアの他の国の人の気持ちが十分わかっていないような気がします。なぜ中国や韓国が大昔の話を持ち出して怒るのか理解できないという人々が少なくないでしょう。私も、若い頃、フィリピン人の老人に「オレは日本人を憎んでいる」と面と向かって言われた時に、どう反応してよいのかわかりませんでした。それは、私が生まれる前に日本が犯した酷い罪のことは、私の責任ではない、と軽々しく考えていたからだろう、と思います。このこと、即ち、日本人の過去の行動に対する認識の欠如、あるいは無責任さが、アジア諸国の人々の日本に対する警戒感の源泉ではないでしょうか。何を考えているのかわからない国という日本の印象はなぜか、端的には、多くの日本人が過去の日本の行いに関して、事実「何も考えていない」からではないでしょうか。戦前の日本帝国主義のアジア諸国に対する侵攻に関してどう考えるか、それをふまえてどのように建設的な将来のパートナーシップを築くべきか、と問われて意見を言える一般日本人は少ないでしょう。(私も即答できません)日本人は過ちを犯しても、過ちを忘れ、過ちから学ぶことをしない、原発事故後に再稼働を強引に進めようとしたり、日立がどこかの国の原発建設を請け負うとかいう話を聞くと、そう思われても仕方ありません。(因みに、私は日立製品は今後、一切、買いません)

 話がずれました。密約問題が明るみに出て、日本の核武装はコッソリ、佐藤A作のころからなされていたことがわかりました。バカ曽根(と私は子供の時に呼んでいましたが)やヨミウリの正力らは、米軍の下請け核兵器製造工場を兼ねて日本の原発を推進してきました。安倍政権ぐらいからは、憲法9条を変更して、堂々と戦争ができる国にして、アメリカの極東軍事戦略の下請け実行部隊にしようとする動きが露骨になってきました。

 普通の知能のある人が、日本のこれまでの姿勢や状況、つまり、対米従属で世界最大の国外米軍基地を持ち、50基以上のプルトニウム満載の原発施設が林立し、非核三原則とかいいながら、遥か昔から密約で日本には核兵器が存在しており、戦争放棄の憲法を変えようとする動きが盛んになってきている、という事実を知っていて、「原子力」と「安全保障」が同一文章内で使われたと聞けば、日本の意図は誤解のしようがないほど明らかです。アジア諸国の人々は無論、警戒するでしょう。アジアの若い世代の人は、何を考えているかわからない日本という国が核武装する動きを「キチガイに刃物」と思っているのではないでしょうか。あるいはアメリカに下請けとして使われる日本を「バカとハサミは使いよう」のバカと見ているのではないでしょうか。そして、過去の日本帝国主義を知る人々にとっては、もちろん非常に差し迫った脅威に見えるでしょう。その過去の総括もろくろくしなかった国がまるで何もなかったかのように再び戦争に意欲を燃やしていると見ていると思います。彼らから見る日本の不気味さは、唯一の被爆国で、チェルノブイリを超えると考えられる史上最悪の原子力事故をおこしたばかりなのに、ろくな安全設備もない大飯原発を強引に再稼働させようとし、あまつさえ原子力を安全保障につかうと言う、どう考えても判断能力がゼロ(か狂っている)としかおもえない行動をとるところでしょう。つまり、もう理屈の通じない国、何をするか分からないキチガイの国、そう考えていると思います。

 

 その翌日のニュースでは、海外、国内からの批判に対して、またゴマカしの言い訳したという話が載っていて、恥の上塗り。その前に、もう一度、その文章を見てみましょう。

 

原子力利用の「安全確保」は「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として」行う。

 

主語は、「原子力利用の安全確保 」です。それが「我が国の安全保障に資することを目的とする」とあります。正直、この主語も一見意味不明ですが、普通に考えれば、原子力利用を安全に確保する、即ち、「原子力が利用できる状態を安定して維持すること」という意味以外に読めません。それが「我が国の安全保障に資する」と書いてあるのだから、これは、原子力の安定維持を国防に利用すると言っていると解釈するのが普通でしょう。一方、主語にすぐ続く言葉は、「国民の生命、健康および財産の反故、環境の保全」です。普通に考えれば、原子力利用の「安全確保」のあとにこれが続けば、原子力利用を安全に確保するのではなく、原子力の「安全性」を確保するという言う意味にとれます。しかし、そうとると、原子力の安全性を確保することが、どうして我が国の安全保障(即ち、国防)に資するのか、普通の頭ではわかりません。そこで、例の三百代言、次の発言。

 

枝野経済産業相は「政府は(核テロを防止する)核セキュリティーや(核物質の軍事転用を防ぐ)保障措置や核不拡散の取り組みを原子力規制委員会に一元化するという観点から(『安全保障に資する』という文言が)加えられたと理解している」と語った。

 

この理解が正しいとすると、原子力利用の「安全確保」とは、「原子力の平和利用における安全性を確保する」という意味のようです。しかし、本当にそういいたいのならば、このような悪文をわざわざ書かないでしょう。そういう意味なら、「国家の安全保障」という誤解を招く言葉を入れる必要はないのであって、上の説明にあるように、「核の軍事転用を防ぐことを目的とする」、と書けばよいのです。そうしなかった理由、わざわざ両義の解釈ができるような悪文を書いた理由は、言わずもがなでしょう。

 

法案を提出した自民党の吉野正芳議員は22日、本紙の電話インタビューに対し「安全保障条項は、日本の核兵器開発を防ごうという趣旨から入れたもので、監督官庁を独立法人化してもう少し透明性を持たせようということ。しかし、問題視されるのなら、これから話し合って法案を再び改めることもできる」と語った。

 

このヒトは、核兵器開発を防ぐことが「安全保障」だという支離滅裂ぶりです。あげくに、「これから話し合って法案を再び改めることもできる」、つまり、言葉の問題ではなく、「法案の問題」だと認めたということです。語るに落ちたとはこのことでしょう。言葉の問題であれば、誤解のないように言葉を改めると言えばよい。この法案の普通に読めば、日本の国防に核を利用する、という意味以外には取れないので、こんどは「こっそり」ではなく、話し合って、法案を改めることもできる(が、多分、その気はない)とその場しのぎの言い訳をしているワケです。梨を盗んだと咎められて、いや、冠を直していただけだ、(梨はこれから盗むのだ)と言い訳をして通ると思っているのでしょうか。そのような誠意のない態度だからこそ、余計、疑われるのではないですかね。

 

 アメリカの力が弱まり、中露が再び覇権に意欲を燃やし出した時、真っ先に戦場になるのは日本ではないでしょうか。それは安全保障が十分でないからではなく、アジア諸国から見て、何を考えているかわからないアメリカに言いなりの日本国が核武装しようとしているからです。危険なものを管理できる能力のないキチガイが隣で刃物を振り回そうとしているという状況に置かれれば、近隣アジア諸国はどういう対応に出るだろうか、と想像すると、不安に思わずにおれません。

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ハロー新政党

2012-06-22 | Weblog

偏向捏造新聞、アサヒのレベルは小学生未満ですね。社説をうっかり読むとこのゴミのせいでどれほど地球環境が破壊されてきたか、に思いを馳せずにおれません。正直、この新聞社、死臭が漂っています。

この社説、こう書いてあります。

  第一に、社会保障と税の一体改革路線は党内の論戦を何度もくぐって決着した、れっきとした党の決定であることだ。

この社説子は、前回の増税への議論が全く党として決定したものではなく、口先番長が勝ってに一任させてもらうと宣言して、議論をむりやり打ち切った上でのイカサマ決定であるのを知らないワケはないでしょう。これは執行部の勝手な独裁判断であり、れっきとした党の決定ではありません。

 

 第二に、「増税の前にやるべきことがある」と小沢氏はいう。では、「やるべき」政策とは何なのかを具体的に語らないのはどうしてなのか。

 09年総選挙の政権公約の最大の柱は「予算の組み替えなどで16.8兆円の新規財源を生み出す」というものだった。政権交代から約3年、この公約の破綻(はたん)は明らかだ。だからこその一体改革ではないのか。

この社説子は小沢氏が語った事を全く覚えていない痴呆ですかね。官僚利権のソース、「特別会計」や「埋蔵金」に手を入れる、そう仄めかしたから、小沢氏は、悪質な官僚組織に事件をでっちあげられ、この社説子のように政府のカネにひざまずくような卑しい人間を使って、人物破壊攻撃を受けてきたのでしょう。最も悪質なのは官僚組織ですが、そこから回ってくる政府広報のカネ欲しさに、このようなクズ記事を下記ちらし、個人攻撃を繰り返す卑怯なクソ新聞も等しく悪質です。

 

悪質といえば、民主党執行部です。

先日、増税反対派議員の猛烈な反対で紛糾した民主党の会議で、前回同様、何の結論もでていないのに「一任していただく」と言い捨てて、裏口から逃げ出したなんちゃって政調会長の口先番長、それ以来、裏口番長と呼ばれているそうですね。本当に汚いヤツです。原発事故後の政府の対応、陸山会事件での検察の対応、全くやり口が同じです。つまり、都合の悪い事は見えない、聞こえないフリ、あげくに最初から決まっている自分に都合のよい結論を一方的に押し付けて、反対意見を無視して逃げ出す。話し合う気が最初っから全くない卑怯で姑息なやり方です。どうして、この男とかドジョウとか阿波狸とか空きカンとか、ここまでバカで卑怯で汚らしいのでしょうか。私、本当に不思議です。この連中、同じ人間と思えません。まだ、宇宙人の方がましです。

内部の人、三宅雪子議員のツイート、見つけましたので、転載。

またもや政調会長の突然の「一任」宣言でまたもや乱闘騒ぎ。
仲間の議員が執行部側の議員に投げつけられる。議論の最中に突然終わる。
了承は断じてしていない。
まだ多くの議員が手をあげていた中、突然の打ちきり。

SPの数が異常に多いな、とは思っていた。
政調会長を非常口から逃がすためだった。
政調会長解任決議だ!との声。泣いている議員も。社会保障費の打出の小槌はないんだよ、の心ない言葉に厚生労働委員全員の反対は決まった。
冒頭、いきなり3党合意の文面は一言一句変えないと政調会長。
それでは、会議の意味がないといきなり紛糾。
なぜ、最初からケンカ腰なのか。
反対派が反発、なんていうレベルではない。
民主党(執行部)は終わった。

森ゆう子議員のツイート。

前原政調会長の突然の「一任された宣言」。そのまま党の女性職員などにガードされながら非常口から脱出。 野党時代に数々の強行採決を経験してきたが、今日の前原「一任された宣言」はそれよりも酷い。一任されたということを確認もせず、宣言しただけで逃げ出したのだから。

前原さん、「非常口から出た」ということは、逃げたということですよ。

民主党両院議員懇談会。冒頭から3時間以上も挙手していたのに、発言させてもらえなかった。最後は、直嶋正行議長が、予定通り?石井一、蓮舫、鹿野道彦各氏を指名し、民主党を割らないために幹事長一任と発言しそこで打ち切り。 指名されれば、離党宣言した上で、執行部の嘘を追求する予定だった。

 あたり前ですが、21日の採決は見送り。党の多くのメンバーが反対している法案ですからね。しかし、この執行部のことですから、強引にごり押しして採決にもっていくのでしょう。その時が、小沢派の集団離党になります。今朝の新聞は一斉に小沢氏が採決での反対を明言し、離党に言及したことを報じています。こんなことは前からわかっていたことで、今日、一斉に報道するのはどういう意図なのだろう、と思いました。小沢派を党の決定に従わない造反組だというレッテルを貼って、本格的にネガキャンをはじめるためのイントロなのでしょうか。

いずれにせよ、民主党は、この消費税法案をきっかけに分裂し、小沢新党、「新政党」(という名前になるかどうか知りませんけど)が出来ることになるでしょう。谷垣自民党に絶望している自民党議員もいるでしょうから、ひょっとしたら、他党からも消費税反対議員を集めて大規模な政界再編となるかもしれません。60人ほどの規模と新聞は読んでいるようですが、消費税反対のスタンスをとらないと次の選挙で生き残れない地盤の弱い議員が多数いますし、長いものに巻かれる付和雷同議員も残念ながら多いので、彼らが雪崩のように小沢新党に合流する可能性はあるでしょう。

ただ、いくら正義は小沢派にあるとはいっても、アサヒ新聞などを無批判に読むような選挙民も大勢いるわけで、ドジョウが内閣不信任案提出を期にヤケクソ解散となった場合、与党を離脱したとなると、選挙資金に困って、選挙で不利になる可能性もありますね。

いずれにしても、現時点では、小沢新党が民主党を潰してくれるのを期待するしかありません。小沢氏に対する批判は、小沢氏に政権をまかせてみた上ですればよいでしょう。まずは、民主党を潰すことです。

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サヨナラ民主党

2012-06-19 | Weblog

雑用を済ませて一段落、この夏の実験の計画を立てようと前向きな気持ちでメールボックスを開けたところ、不幸のメールを発見。一年ほど前に軽い気持ちで引き受けた原稿の締め切りがやってくるというお知らせ。引き受けたことさえ、すっかり忘れていました。人の心は不思議ですね。このメールを見るまでは、心は、きたる夏へむけて、淡い期待と希望に満ちていました。今や、その気分は刹那にして消え去り、もう見当たりません。

「僕のあの帽子どうしたでせうね、、、ええ、夏、渓谷に落としたあの麦わら帽ですよ、、、」 過ぎ去った楽しい夏休みの思い出のように、消え去った感情を懐かしむばかりです。

 

さて、世界は揺れ動いています。ギリシアの選挙の結果は、とりあえず危機は回避されたように見えます。ただ、直ちに世界大恐慌に突っ走る危機が回避されたというだけのことで、根本の問題は何も解決していません。ギリシア/EUにしてもアメリカや日本にしても、諸悪の根源は「中央銀行」システムだとつくづく思います。つまり、平たく言えば紙のお金のことです。中央銀行が紙から金をいくらでも作れるという特権を持ち、無から作ったカネを政府に貸し出して利息をとるという詐欺こそが、富の偏在と、現在の「経済危機」を作り出しています。週末、3年ほど前に出版されたRon Paulの「End the Fed」 (中央銀行システムを終わらせろ)という本を手に入れたので、ボチボチ読み始めました。2007年の大統領予備選の時に、現在の管理通貨制に基づく資本主義経済は胴元だけが儲かる仕組みのイカサマであることを、ミシガン大学の多くの学生たちはに知っていたというような話もあります。日本の大学生だったらカネの仕組みについてどれだけ知っているでしょうか。少なくとも私が大学生のころは何も知りませんでした。経済が良かったころに官僚主導社会で育ってきたその上の世代の方がむしろ、現実認識は甘いのかも知れません。

 

国内のこと、15日のデモに関して。先週末の首相官邸前であった大飯原発再稼働反対市民デモの様子をYoutubeとしんぶん赤旗などで見ました。1万人以上が集まった大規模な市民デモでありながら、日本の殆どのマスコミは無視。マスコミの腐り具合がよくわかります。海外のメディアと東京新聞と一部テレビは報道した様子ですが、どういうわけかデモの規模を数百人と発表。一万人と数百人では大きな差があります。下のビデオを見る限り、数百人というレベルではありません。


 

もう一つ、ちょっと前の「内田樹の研究室」の「さよなら民主党」というエントリーを読んで思った事など。

鳩山首相は基地問題でアメリカと交渉を試みたときに、「申し訳ないけど、あなた勘違いしてません?日本政府はね、安全保障については自己決定権がないんですよ」とぴしゃりと言われた(のだと思う。想像ですけど)
でも、そのやりとりをそのまま情報開示するべきだったと思う。

でも、このときに重大な政策決定(というより不決定)について、そのプロセスを開示できなかったことによって、「政治主導」という語はそこに託された歴史的意味を失って、空語になった。

今、何が起きているのか、それがたとえ不都合なことであっても、あえて開示することで、外見的には意味不明に見える政治行動の内在的な合理性を国民に「説明」すること。
それが「政治主導」に有権者が託していたものではなかったか。
あるいは、私の誤解だったのかもしれない。
だが、私は「政治主導」という言葉をそのように理解していた。

 これは私も鳩山氏が最終的に「辺野古に」という結論に戻った時に感じたことです。なぜ、約束を守れなかったのか、なぜ辺野古に戻ったのか、説明されませんでした。当時、私は、辺野古に核兵器庫があって核兵器はすでに沖縄にある、というウワサ話を聞いていたので、辺野古回帰への経緯を正直に打ち明けられなかったのだろう、と勘ぐっていましたが、都合の悪い事実も含めて語ることからしか真の協力は得られないし進歩もないと思っていたので、非常にがっかりした記憶があります。

民主党は今、彼らに立候補者330に対して308人の当選者を与えた2009年の総選挙での選挙公約のほとんどを放棄し、首相は「しない」と約束した消費税増税に「政治生命をかける」と呼号している。
なぜ、選挙公約がこれほど組織的に放棄されなければならないのか。
これについて、為政者には説明責任があるだろう。
けれども、消費増税についても、原発再稼働についても、首相の口から「情理を尽くした説明」が語られたようには思われない。

 それが、国民の怒りの源泉でしょう。説明しないのは「できない」からです。そう考えるのが最も理屈にあいます。なぜ説明できないのか、それは説明すると支持されないからです。なぜ支持されないのか、それは原発にしても消費税にしても本音は建前と全く違っていて、いずれも本当に国民のためにやっていることではないからです。

例えば、原発事故後の政府の住民への説明会のビデオなどを見ると、ハラワタが煮えくり返るような思いになります。都合の悪い事は説明しない、説明を詰め寄ると聞こえないふりをする。目の前に立って問いつめても全く無視し、その挙げ句に、合意と了承を得た、と一方的に宣言して逃げる。カスどもです。

説明しろ、と国民が詰め寄っても、説明しないような人間を信用して国家の運営を任そうという人は余りいません。我々は官僚組織がこれまで行ってきた犯罪を見てきました。首相や政府がつくウソやゴマカシを何度も聞かされました。そういう連中が市民に対する強力な権力をもっています。

腐敗しない権力はないのですから、腐ったら取り除く、それができるようなシステムに変えないといけません。もっとも腐りきっているのは官僚組織であるの間違いありません。三権分立は建前上、その権力をお互いに抑止するためのものでした。事実は、行政官僚がトップのヒエラルヒーを為し、政治と司法はその提灯持ち、マスコミを税金ベースの政府広報で飼いならして国民洗脳を請け負わせる(竹下前市長いうところの)四権連立です。

これらのことがここまであからさまになった以上、国民は意識の転換が必要です。政治家が説明できず変節するのは、彼ら自身が無能で自己中心的だという理屈だけで説明するのは困難です。むしろ、コロコロと首相が変っても同じことが繰り返されている現実は、日本の政治的無能はシステムそのものに問題があると考えるべきだし、事実、それを支持する数々の証拠を私たちは持っています。まずは、真の意味で、日本は法治国家ではない、日本は民主主義国家ではない、日本は独立国ではない、(故に、日本の統治システムは国民の利益や幸福を必ずしも目指していない)、これらの小学校で教え込まれることとは反する現実を直視すること、その現実に基づいて、現象を解釈する必要があると私は思います。 

民主党は自民党と連合する勢力と、小沢・鳩山派に別れた方がいいと思う。
つねづね申し上げているとおり、民主党は自民党の旧田中派の流れを汲み、自民党は旧福田派のアバターである。
増税・原発再稼働・TPPに賛成、新自由主義、対米従属、「選択と集中」、競争と格付け、飴と鞭、勝ち組への資源集中による国際競争の勝利は福田派の綱領である。
増税・原発再稼働・TPP反対、一億総中流、都市と地方の格差解消、バラマキ、一律底上げ、対米自立は田中派の綱領である。
両派の考え方は、鄧小平と毛沢東くらいに違う。

 与党が、最初から明らかにイデオロギー的に分裂していて、その政策の統一さえとれないという異常な状態は、私、あまり記憶にありません。というか、ドジョウなど反小沢勢力は、最初から政治主導や行政改革などを目指していたのではなく、当時代表の小沢氏の政策に迎合することが与党になれる唯一の道だから、とにかくウソを語ってでも与党になって、それから小沢氏を切ればよい、そう思っていたのでしょう。早い話が変節したのでもなんでもなく、権力を握るためには実力者に媚び、ウソでもペテンでも何でもする、そのポリシーは、多分一貫していたのでしょう。彼らには目指すべきイデオロギーもマニフェストも最初から「なかった」のでしょう。

選挙の時の公約によって民意によって政権を任され、その民意に答えようと少なくとも努力した小沢、鳩山派が、どうみても正当派であり、与党になってから権力欲しさに露骨に小沢切りを行ってきた現執行部こそがクーデター軍です。民主党の分裂のこの解釈に異論を唱える人はあまりいないでしょう。クーデター軍の連中は勝てば官軍と考えているのでしょうが、その意識そのものが民主主義を否定するものであり、自分たちが選挙で選ばれてその結果として現在の地位にいるという己の存在そのものを自己否定するものだと私は思いますが、連中はそんな自覚は皆無でしょうね。

始末におえないのはこのクーデター派は、旧自民党派閥の経世会系と清和会系、対米自立と対米隷属という宗主国アメリカに対する立場の差によって別れている戦後の主流政治の系列からはみ出していて、とにかく何でも自民党や与党の言う事に反対することだけをレゾンデートルとしてきた、野党根性の染み付いた連中だということです。批判はできても主導はできない、歴史的観点から日本という国家をみる大局観がない、箸休めにはなってもアントレにはなれない、そういう連中であるということです。

過去の経世会系の政治家と清和会系の政治家を眺めてみましょう。Yahoo知恵袋にある「どうして『経世会』って東京地検から嫌われているのでしょうか?」という質問は笑えます。角栄はロッキードを仕掛けられ失脚、竹下はリクルート事件、金丸は佐川急便事件を仕掛けられ失脚、小渕は脳梗塞(不審死)、橋本龍太郎は日歯献金事件、鈴木宗男は収賄、 最近では中川昭一の不審死、そして陸山会事件、西松献金事件と立て続けのでっち上げ事件を仕掛けられた小沢一郎。一方の清和会系、即ち、対米従属、官僚お任せ主義の連中は誰も、特捜や国税庁に事件を仕掛けられたことはありません。鳩山氏も政治主導で沖縄基地問題に意欲を示した瞬間、 母親からの違法献金疑惑を仕掛けられました。歴史から明らかなことは、対米独立と脱官僚依存を口にすると身が危ないということであり、それを折りにつけ見せつけられてきた現民主党執行部の連中は、アメリカとその出先機関の日本官僚組織に逆らうことを第一の禁忌としてきたということでしょう。彼らが浅ましくも、国民を裏切り、マニフェストを全部反故にし、自民党の修正案を丸呑みにしても増税法案提出を急ぎ、収束もしていない福島原発事故を収束したと強弁し、大多数の国民の反対を押し切ってでも原発を再稼働しようとするのは、そうしないと自分の身が危ないからであり、そうすることでいろいろ見返りがあるからでしょう。つまり、アメとムチにパブロフの犬のように反応しているだけの存在だということだと思います。

ですので、私も民主党は分裂しなければならないし、徹底的に条件付けされてパブロフ犬なみの反応しかできないドジョウのような脳死人間が政治家をするべきではないと思います。

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シリア問題のこと

2012-06-15 | Weblog

シリアでの市民虐殺の問題について、13日のNHKは、

中東のシリアで続く市民への弾圧について、国連は、アサド政権側の部隊や民兵が連れ去った子どもたちを「人間の盾」として使うなど、子どもに対する残虐な行為が繰り返されているとする報告を発表しました。

また、アサド政権の部隊が、反政府勢力のデモの弾圧に際し、子どもや女性を含め、無差別に発砲するよう指示されていたことや、兵士や民兵らが8歳から13歳までの数十人の子どもを連れ去り、車の窓の部分に座らせて反政府勢力側からの攻撃を防ぐ「人間の盾」として使ったことなどを指摘しています。
国連では「子どもたちへの残虐な行為に対して、世界が一致して抗議し、制裁などを通じて圧力を加え、弾圧を止めなければならない」と訴えています。

と国連の発表をそのまま垂れ流しています。少し前に書いた通り、BBCは捏造映像を使ってまでこの「アサド政権の市民弾圧」という話を広げようとしました。この記事も「罪のない子供を犠牲にしている」という感情的反感を煽るような内容であることからしてもコレはちょっと悪質なプロパガンダの匂いがしますね。

一方、同日のイランラジオの記事では、こうあります。

イギリスのヘイグ外務大臣が、議会で演説し、アルカイダとつながりのあるテログループがシリアで活動を行っていることを認めました。、、、イルナー通信によりますと、ヘイグ大臣は、11日月曜、シリア情勢に関する報告を提出し、「我々は、アルカイダとつながりを持つテログループが、シリア国内での攻撃を計画していると確信できる証拠を握っている」と語りました。さらに、「この攻撃は、シリアでの暴力を煽るために計画、実行されており、世界の治安に深刻な影響を及ぼしている」としました。
また、「シリアの治安が乱れてから1年3ヶ月の間に、1万5000人が死亡、8万7000人が近隣諸国に流出した。またシリア国内で住む家を失った人の数は、およそ50万人にのぼる」としました。
 テロリストは、アメリカ、イギリス、アラブ諸国・西側諸国の支援を受け、暴力やテロによって、シリアへの軍事介入と政権交代の下地を整えようとしています。こうした中、シリアの通信社によりますと、トルコ共和人民党の議員は、11日、トルコの新聞のインタビューで、「エルドアン政権は、シリアでのアメリカの秘密作戦を支援している」と語りました。
また、「テロを実行するためにトルコ国境が利用されているという情報が入っている」と述べています。

 

やっぱりね、という感じですね。

また田中宇さんの記事では、こうあります。(抜き書き)

事態をよく見ると、実はホウラで村人らを虐殺したのはシリア政府軍でなく、反政府勢力の方である可能性が高い。虐殺で殺された村人の多くは、アサド政権と同じアラウィ派イスラム教徒だった。、、、内部の団結が強いアラウィ派が、同じアラウィ派を殺すはずがない。

殺された村人は至近距離から撃たれたり、のどをナイフで掻き切られたりしている。これは、アルカイダなどサウジ系イスラム過激派が異端者を殺すときの典型的なやり方だ。虐殺の動機は、政府軍より反政府勢力の方に強い。

ドイツの主力新聞フランクフルト・アルゲマイネ・ツァイトンク紙によると、5月25日、ホウラのスンニ派地域を占領していた反政府勢力が検問所を襲撃し、政府軍と銃撃戦になった。、、、反政府勢力がアラウィ派の家を一つずつ襲撃し、中にいた家族を、女性や子供にいたるまで、至近距離から銃殺したり、のどをナイフで掻き切って殺した。

事件から何日か経って、反アサド的なアラブ諸国の出身者が多い国連の視察団がホウラ地区にやってきて現場検証した。国連視察団は、虐殺現場の近くで政府軍の砲弾の残骸を発見し、政府軍が発砲したのだから、虐殺の犯人は政府軍である可能性が高いと結論づけた。実際は、戦車砲や迫撃砲で殺されたのは、今回死んだ108人のうち、反政府勢力の兵士など20人だけで、残りは銃殺やナイフで殺されている。

シリアの反政府勢力は、米欧やサウジに支援されている。米欧やサウジが、アサド政権を転覆するため、反政府勢力を使って虐殺し、アサドに濡れ衣をかけている構図になる。米国は、イラクに大量破壊兵器の濡れ衣をかけて侵攻した。その後はイランに核兵器開発の濡れ衣をかけて経済制裁している。そして今、シリアに虐殺の濡れ衣をかけて政権転覆しようとしている。

これらの現状を見る限り、今の中東の国際政治においては、米欧よりも露中の方がまともであり、正義である。「露中のせいでシリアの問題が解決しない」と米政府は言うが、これは放火魔が「消防士がいるので家がよく燃えない」と言っているのと同じだ。

国連は、アサド政権が市民デモに不当な弾圧を加えていると主張しいるのに、イランラジオや田中さんの情報は、アメリカやイギリスの支援を受けたテロリストによるテロがシリアで起きており、政府軍はテロリストと戦っていると言っています。どちらが本当かは証拠の厚みを比べれば自明でしょう。また、アメリカやイギリスの過去の行動を知っている人なら、どちらの見解を支持するか聞くまでもありません。アルカイダはそもそも冷戦中の対ソ用のアメリカCIAの出先機関でした。アメリカはテロと戦うふりをして、その実はテロ組織を支援してきたということです。端的に言えば、アメリカのやることは世界に極めて有害なマッチポンブなのです。アメリカはイランイラク戦争時はイラクに味方しながら、イランに武器を売り、その売却益でニカラグアの反政府ゲリラ組織、コントラを支援していたような国です。ま、昔のことをいうのはキリがないので止めましょう。アメリカの中東に対する過去の行いを鑑みると、国連は単に米英のプロパガンダの拡声器として使われているだけの形骸化した組織に過ぎないようです。利用されるだけ有害かも知れません。(日本で言えば、ドジョウのようなものですね)

また、国連と人道主義を頭に飾って、シリアへの軍事介入しようとするアメリカをロシアと中国が牽制している構図になっているということですが、ロシアや中国の立場になってみれば、これは当然と言えます。プーチンが再選にあたって「強いロシア」というスローガンを上げたのは、凋落するアメリカが苦し紛れに世界大戦をしかけてくる可能性を危惧し、ロシアがその抑止力とならねばならないと考えたからなのかも知れません。事実、この数年、アメリカがイラク、リビアでやったこと、イランやシリアでやろうとしていることを見て、危機感を感じないわけがないと思います。一方、ロシアでは反プーチン運動がさかんに起きています。プーチンが「強いロシア」の実現のために国内に対してとる政策を支持しない市民は多いでしょうからこれは理解できます。一方で、反プーチン運動は、シリアのテロ組織同様、米英が一部、てこ入れしているという話を聞いたことがあります。していない筈がないでしょう。米英が中東近辺でキナ臭い事を企んでいるのは明らかなのだから、プーチンが長期的な観点から、国内問題は後回しにしても、米英の動きを牽制できる体制を整えておかねばならないと判断したであろうことは想像できます。そのロシアの「抑止力」をうざったく思うアメリカが、ロシア国内の反プーチン派に手を回して支援するのは、過去のこの国の行動パターンから考えれば当然でしょう。ただ、アメリカ戦争勢力の力は落ちてきていますし、アメリカも戦争を正面切ってやるだけの体力もありません。テロリストとプロパガンダを使ってひっかきまわし、あわよくば反米政権がコケてくれればありがたい、というレベルの卑怯なやりかたしかできないというのが、多分、実情でしょう。

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耐え難いドジョウの軽さ

2012-06-12 | Weblog

ドジョウや大阪市長が、突然、態度を豹変させて、原発再稼働を支持し出し、ドジョウに至っては、「私の責任」で再稼働を決める、と例によって、見得を切ったという噴飯ものの話。その「責任」の内容は一切、明らかにされず。もし事故が起こった場合は、たとえドジョウが切腹したところで何の足しにもなりません。つまり責任などとりようがないのです。このドジョウの言葉と頭の軽さは耐え難いです。「マニフェストに書いてあることは命がけで守る」とエラそうに演説して政権を任されたくせに、いまや、マニフェストに書いていない消費税増税、鳩山氏が政権交代時に「やらない」といった増税を「命がけ」でやるというのです。最初の命がけの約束を破った時点で、ドジョウは死んでいないとウソでしょう。これらのデータからもっとも整合性のある結論は、ドジョウは噓つきであり、信用にたる人間ではなく、責任という言葉の意味を知らない、ただの官僚の拡声器に過ぎないということです。

昨日の内田樹の研究室では、目の前の電気が足りないというリスクと将来の放射能事故で下手すると国そのものが消滅するかも知れないというリスクを秤にかけて、目の前の電力を優先するような考え方に対して、次のように書いてあります。

グローバリストが「目の前のリスク」は「原発事故の危険性」よりも重いと判断するのは当然のことである
その判断は、彼らがビジネスというゲームをしている限りは合理的である。
だが、私たちは今ビジネスの話をしているのではない。
国の統治の話をしているのである。
国というのは「金儲け」をするためにあるのではない。
とにかく石にかじりついても、国土を保全し、ひとりでも多くの国民を「食わせる」ために存在する。
グローバル企業がより多くの収益を求めて日本を捨てて逃げ出すのは、彼らが「国より金が大事」だと思っているからである。

何度も書くが、原発再稼働の判断は「会社経営者」というスタンスで考える人にとっては合理的である。けれども、国家の統治というスタンスから考えた場合には熟慮を要する問題である。
少なくとも、今の段階でゴーサインが出せるようなことではないと私は思う。

その通りです。そして、暗示されているように、この国の政府は、国民を「食わせる」ためにあるのではなく、国民を搾取し、税金をとりたてて「金儲け」をするために存在しており、その支配者層は、いざとなったら「国より金が大事」と思っているので、日本を捨てて逃げ出すつもりにしている、というのが事実に一番近いでしょう。

こういうことを言うと、「陰謀論」だ、「証拠も無いのに言いがかりをつけてはいけない」という良識派の人がいるのですが、相手は国家権力という個人に対して非常に強い力を持っている組織であることを忘れてはいけません。

私は、平気でウソをついて、他人を利用する人間に何度か嫌な目にあわされましたが、大抵の場合、相手も心の隅には騙しているという良心の呵責のようなものが多少はあるので、こういう相手に利用されないようにするには、そこを攻撃することが最も有効だと思いました。相手が繰り返し不整合性のあることを言う場合は、それを指摘するだけでなく、こちらが相手の意図を疑っていることを示すのです。とくに相手が自分よりも力を持っている場合は、断固とした意志を示すことが大切だと私は思います。

われわれは、政府が、内閣の官房長官や首相が、平気でウソをつくのを何度も見てきました。そのウソによって大勢の国民が危険に晒され、今もその状態におかれています。それでもなおかつ、ドジョウの言葉を信じられる人間がいるとしたら、それはこの政府の異常さを直視したことがないか、あるいはマトモな判断力が何らかの理由で障害されているとしか私は思えません。強大な権力を持つ側が平気でウソをつくのですから、その事実に基づいて、日本の国の政府とはどういう組織かを判断し、批判するのは当然の権利です。そして、彼らに、我々が、日本の政府のことをどう思っているのか、率直な意見を知らせることは極めて重要だと思います。政府の行動や言論の不整合性を糾弾するだけでは不十分です。相手は力を持っており、こちらは何もできないとナメきっていますから、国民全員が政府の悪意を知っていることを強くアピールする攻撃的な抗議活動をやることが必要なのではないか、と私は思います。

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銀行のイカサマ

2012-06-08 | Weblog

しばらく前に何度か、財政赤字は、管理通貨制度を利用した国家レベルのイカサマの結果だという話を書きましたが、最近、このビデオを知りました。このカナダ人の12歳の女の子が自分で、このイカサマのカラクリを発見したのか、誰かから教えてもらったのか、その辺はわかりませんが、現代の管理通貨性金融システムのイカサマ、を非常にわかりやすく解説している上、その解決法も述べています。アメリカでロンポールがFRBのシステムを批判するのと同じことです。日本では、財政赤字は銀行に原因があるという論調を余り聞きませんが(アメリカが量的緩和を許さないからでしょうか)国民が困っている上に、悪質な財務省がドジョウを操って、国民を騙して増税しようと躍起になってるのだから、日銀を100%国有化して、通貨制度の悪用を止めさせるという視点からの議論があっても良いと私は思います。この手のイカサマで国民の富を独占し、国民を奴隷化してきた連中は抵抗するでしょうが、騙す方と騙される方とどちらが悪いか、となれば騙す奴が悪いに決まっています。そういうワケでこのサイトを紹介します。

http://dandomina.blogspot.co.uk/2012/05/corrupt-banking-system.html (原文、邦訳)

下はちょっと以前の記事ですが、政府が銀行から通貨を購入して流通させるというシステムの問題について、アメリカの例を上げて解説してありますので、ご一読をおすすめします。

リンカーンのグリーンバックス

リンカーンは戦争が終わったとき、
「政府の費用をまかない、一般国民の消費に必要なすべての通貨と銀行の預金を、政府は自分で発行し流通させるべきである。通貨を作製し、発行する特典は政府のたった一つの特権であるばかりか、政府最大の建設的な機会なのである。この原理を取り入れることによって、納税者は計り知れないほどの金額の利子を節約できるのです。それでこそお金が主人でなくなり、人間が人間らしい生活を送るための召使いになってくれるのです」
と語っているのです。

この彼の言葉から推察できるように、政府が利息付きの通貨を中央銀行から借りていると、人間がお金の奴隷になってしまうことをリンカーンは明確に認識したのでした。

彼はこの経験で金融の仕組みを理解し、同時に金融資本家の悪巧みを身にしみて知りました。アメリカが統一されたあとは中央銀行を置く意思はなく、グリーンバックスを使っていくことを決めていました。ところが、戦争が終わった1865年4月9日の5日後の14日に、彼は観劇中にジョン・ウィルクス・ブースに後頭部をデリンジャーで撃たれてしまいます翌日の15日に56歳の生涯に幕が下りたのです。 

日本でも、国民の生活が苦しくなってくれば、諸悪の根源、日銀のシステムを何とかしろ、という動きが起きてくるかも知れません。(起きるべきです)国民の声が大きくならない限り、並の政治家は動きません。国民の後ろ盾がないとリンカーンのような目にあいますからね。


もうひとつ、ドジョウ内閣改造でクビを切られた小川前法相のインタビュー記事が「ニュースの深層」に出ていました。興味深いです。ドジョウに止められたというわけではないと述べています。八木さんたちが地検の陸山会事件にかかわった検察幹部をひとまとめに刑事告発したのが28日。あわてた検察、法務省が手を回して、ドジョウに小川法相のクビを切らせたというところでしょう。一部、抜き書き。

小川: ぼくは何度も言っているとおりで、国民の理解が得られる対応をしなくちゃいかんと。つまり田代個人の記憶違いということで終わらせるな。それではなんの反省にもなりませんから、と言い続けたわけ。でも馬耳東風で聞き流されて、新聞にどんどんリークして。(田代の)記憶違いという弁解を破れないだなんて言って、ちょろっと人事で相談なんて言ってるから。一般的に言っても聞かないんだから、じゃあどうするかっていう話になる。

長谷川: そこで指揮権発動を考えた。

小川: うん。それしかないでしょ。たとえば今朝(6月6日)の朝日新聞の社説でね、検察審査会で判断すればいいだなんて言ってるけど、まったくトンチンカンですね。

長谷川: どうして?

小川: 検事は無罪になる証拠しか集めてないんですよ。田代の記憶違いだと。それを破る証拠を集めてないんですよ。それが検察審査会にいって、どうなります?

長谷川: それで「指揮権を発動する」と言ったんですね。

小川: 「それだけの覚悟は持ってんだぞ」ということは言った。「発動する」って言ったら発動になっちゃう。

長谷川: それはそうですね。対応は。

小川: 向こうの? まあ、ぜんぜんでしたね。やらないんだから。記憶違いで済ませてね。それでは国民の理解が得られず、検察の信頼が失われる。それなら法務大臣の職責としてね、こういうケースでこそ指揮権を発動すると。会見で述べたとおりです。

小川: (反響について)激励の電話、ファックスが多いですよ、普通の国民から。批判はほとんどありません。ツイッター、見ると面白いですよ。(筆者:批判しているのは、朝日とか毎日とかどうしようもないクズ新聞ばかりですね。東京新聞も多少批判はありましたが、はるかにバランスのとれた社説でした。このような発言をされるようなことをそもそも検察がやっているということがそもそもの問題の根源です)

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研究者の評価

2012-06-05 | Weblog

研究者、教官評価についてのブログを読んだので一言、感想。

スタンフォード大化学科のテニュアを与えるときの評価基準が興味深いです。下記の参考にあげましたが、すなわち、「学科の共通利益のために協力できること」、「よき教師であること」、「模範的な研究者であること」だそうです。さらに、「判断のポイントは、候補者が今後の研究を通じて、化学の発展に対して顕著な貢献をできそうかどうかというところに置かれます。一方、候補者の研究補助金獲得額、論文数、論文が載った雑誌のインパクトファクターなどは、考慮の対象としないそうです。

「研究補助金獲得額、論文数、論文が載った雑誌のインパクトファクターなどは、考慮の対象としない」とありますが、考慮の対象としない、ということは考慮する必要がない、という意味であって、重要ではないという意味ではないと思ったので、念のため。

普通、アメリカの大学でのテニュア応募はテニュアトラックに乗ってから5-6年後で、一回限りだと思います。そこに達するまえに3年目ぐらいに中間評価があると思います。大学によってシステムは違うとは思いますが、大体、そんな感じでしょう。スタンフォードは私立です。教員の給料や研究費の一部は大学が授業料や寄付などのカネから出ているでしょうが、授業料の収入は教員の数で割れば知れたもので、私立大では、教員は自らの給料の少なくとも一部と研究費の大部分を自分が取って来たグラントから出していると思います。とすると、テニュアトラックの最初の3年ほどは、教官はグラントを持っていないことが多いわけですから、大学側はやり繰りして貯めた限りあるカネを使って、教官をサポートし、教官が独り立ちして自分でカネを取って来れることを期待するワケです。3年目の中間評価は、その教官が無事、グラントが獲得できたか、あるいはグラントが獲得できそうなスゴい研究を展開しているか、つまりはカネになるかどうか、を判断する機会であると思います。その時点でグラントがとれていない、もしくはとれそうにない人は追い出されるわけです。とすると、テニュア応募の時点で、応募者は既に、カネを取ってくるという条件は曲がりなりにもクリアしていることになります。そのカネがとれるかどうかはある程度の質の論文が出ていないと難しいわけですから、論文出版もある程度のレベルはクリアしていることになります。だから、テニュア応募の時点では、研究費獲得額や論文数などは考慮の対象とする必要はないということではないでしょうか。つまり、研究費をとってこれない人、論文が出ていない人は、そもそも、テニュア応募資格を得るまでに、システムから追い出されてしまっているということす。テニュア審査は、その条件を満たした者の中から、今後もその条件を維持し、かつ長期的にその大学に在籍して大学にプラスの貢献をしてくれるかどうかという点を中心に、審査するということです。となれば、論文の数やインパクトファクターなどのレトロスペクティブな基準よりも、継続性、即ち、将来性のある分野で長くインパクトが期待できるような研究をしているかどうか、研究費は獲得額よりも、グラントの継続が見込める息の長い研究をしているかどうか、(つまり一回限りのグラントを複数とるよりは、1ー2本のグラントを5年ごとにリニューアルしていく方が望ましい)、そして、その人の人柄や他の研究者の分野との適合性はどうか、などを中心に評価するのは当然であろうと思います。大学でのテニュア審査は、例えてみれば、外国人移民の審査のようなものではないでしょうか。まずは自分自身で自分の面倒が見れること(グラントを取ってきて、論文を出版できること)は必要最低条件です。加えて、その移民が他の国民と面倒を起こさず仲良くやっていけること(人柄や協調性)、移民がその国の国益に貢献できること(大学や研究所の使命達成に向かって協力できること)などが審査の対象でしょう。移民(新規テニュア教官)を受け入れる側(大学)の立場になってみれば当然で、いくらスゴい論文を量産し沢山カネをもっていても、大学の使命達成や大学の共同体構成メンバーのプラスにならない人は要らないということです。一方、テニュアトラックを雇う場合も基準は同じだと思いますが、この場合はまず、カネをとってこれるという必要最低条件が満たせるかどうか、が最も重視されるのではないでしょうか。最初の数年はグラントを取るための研究に集中させないといけないので、大学側も教育とか大学のその他の仕事とかに貢献してもらうことは余り期待していないと思います。最初の3年でグラントを取ってきて生き残る能力があるかをテストし、それをクリアしたら次の数年で、その大学の住人として永住権を与えるににふさわしい人間かどうかを評価する、そういうシステムだと思います。

なので、研究者の評価法はコンテクストに応じて異なってしかるべきであると思います。テニュアトラックを雇用する場合の研究者の評価基準、テニュア応募の評価基準、ナショナルアカデミー会員の選考基準、それらは違っていて当然です。人が人を評価するのですから、ユニバーサルな研究者メトリックスなどあるわけがないし、そんなものはない方が私は健全だと思います。仮にそういうユニバーサルな客観的評価法というものがあって、その数字で研究者の待遇などが変るとなれば、少なからぬ研究者が、その数字を上げることを目標に研究をすることになるでしょう。それは益よりも害の方が多いでしょう。優れた研究をすることよりもメトリックスパラメータを上げることが研究の目的になってしまうと、研究不正はますます増えるでしょう。研究の中身よりも有名雑誌に出版することの方が優先されるのなら、「有名雑誌に載せる」という至上命題が研究活動を支配することになってしまいます。日本に限りませんが、研究不正の動機は、研究の中身より論文出版の方が大事と思う本末転倒によるものでしょう。研究不正が、テストで高得点をとる技術、即ちあらかじめ分っている解答というゴールへの道筋を人よりも早く見つけ出す技術、に長けた人が集まっている大学でより頻発しているように見えますが、それは、偶然ではないと思います。

 

ところで、悪智恵の働く人間が利己的な動機で不善を働くのも困りものですが、頭が弱いのに権力を握っている人間も始末におえません。いうまでもなく、前者は、阿波の赤い狸、aka、悪徳弁護士、後者は民主党執行部に複数いますけど、代表としてドジョウのことです。最近、二度、小沢氏に会って、諭されたようですけど、いちいち頭が弱いと書くのも面倒なので、ストレートに言わせてもらいますと、本当にアホにしか見えません。ドジョウが消費税増税を言い出した瞬間から、法案は通らない、と普通の脳みそのある人は何ヶ月も前から言っていました。そして、頭の弱い人間がどうしても法案を通したいと思ったらやるであろうと想像されることを、ドジョウは、予想を一つも違えることなくやりました。ドジョウが今、こういう立場にいることは、数ヶ月も前から、普通の頭の持ち主には見えていて、今後は、ドジョウがいくら自民などの野党に「お話し」しても、ドジョウ内閣は放っておいても崩壊して、次の選挙で民主党は大敗することになるのだから、誰も本気で助けようとするお人好しはいない、つまり今月中に立ち往生して総辞職するであろう、ことも見えているというわけです。にもかかわらず、「命をかけ」たり「乾坤一擲」とか不自然で大げさな見得を切るから、失笑を買うのではないでしょうか。しかし、ここまで余りに稚拙すぎるやり方を見ていると、ドジョウは頭が弱い、という結論に疑念が涌いてきます。頭が単に弱いのではなく、弱過ぎるところが逆に怪しく感じます。これまでの稚拙すぎるアホ丸出しのやり方は、ひょっとしたら全部芝居だったのではないか、とさえ思えてくるのです。ただ、そうだとしたら、ドジョウの目的は何なのか、それが私にはよくわかりません。ただのうつけ者なのか、あるいはひょっとしてうつけ者を装った織田信長なのか。後者の可能性はおそらく低いとは思いますが、万が一、もしそうだったら、私は今後、床屋政談はキッパリ止めます。

とここまで書いたところで、ドジョウの内閣改造のニュース。法相が変えられていて、やはりドジョウは根性の悪いただのうつけ者であったか、と思った瞬間、その小川前法相の爆弾発言。つまり、陸山会でっち上げ事件の捏造調書問題で、検察が問題をうやむやにしてもみ消そうとしたことに対し、指揮権発動しようとしたが、ドジョウに止められた、という発言です。なぜドジョウは法相を変えないといけなかったのか、もちろん日本が健全な法治国家になってもらっては困る連中に「変えろ」と指示されたからでしょう。ここまで丸見えなら、ドジョウは間違いなく単なるうつけ者ですね。普通、悪事を働くなら、もっとうまくやる者です。「暗愚」という言葉がありました。アホでは響きが悪いから、これで行きましょう。

官房長官、早速、小川前法相の爆弾発言を否定。そりゃそうでしょう。検察が犯罪をもみ消そうとするのを咎めようとした法相を政権にとって都合がわるいから止めさせた、と正直には言えません。

その小川法相の後任者に関して、岩上さんは、

岩上安身‏@iwakamiyasumi
今度の滝実新法相は、陸山会事件の「黒幕」と言われる黒川官房長と親しいそうです。 RT @crusing21: 小川前法相が本気を出したら首を切る野田首相。RT @tomoyakitada: 小川前法相:「野田佳彦首相に指揮権の発動を相談したが了承されなかった」

とツイート。

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放射能、シリア

2012-06-01 | Weblog

東京各地で高い放射線検出という話題が日々続き、福島の放出放射能は当初の見込みの3倍以上あったとニュースになる、そんな毎日で、今後のことが本当に心配です。チェルノブイリで強制移住させたソ連でも、当時の政府は放射能汚染の正確な情報を隠蔽し、キエフなどの大都会での汚染状況を国民に知らせなかったといいます。キエフのような大都市を強制移住の対象にはできないと考えたのでしょう。キエフとチェルノブイリは大きな湖をはさんで80-100kmほど離れています。地理的には、ちょうど、京都と敦賀原発との関係に似ています。福島原発と東京は200 - 300 kmほど離れていますが、東京でチェルノブイリなみの線量がしばしば計測されていて、そんな中で人々は生活せざるをえないというのが何とも気が重いです。まして、隠蔽体質、事なかれ主義で自分さえよければいいという官僚主義が連綿と続いてきた日本政府の発表が正確であろうはずがないでしょうから、東京に限らず日本の汚染状況は多分、公式見解の数倍と考えておいて間違いないと思います。

田中宇さんの福島第四の危機についての記事をリンクしておきたいと思います。東京は長期的に生活するには既にかなり危険になってきていると思われます。そして、福島第四にもしものことがあれば、北半球の国々は一蓮托生だという論調もあります。それは過剰反応ではないかというのが田中さんの主張ですが、危機に際しての反応性に過剰と適切と過小をリアルタイムで判断する方法はないと思います。後で振り返って、あれは過剰反応だったとか、逆に注意が足りなかったとかはじめて判断できます。同じインプットに対しても個人で反応が異なるのですから、放射能危機に対する対応は、最終的には個人が自分の責任で判断すべきであろうと私は思います。

日本人の価値観の一つに「他人と同じように振る舞う」というのがあります。津波が近づいてきた時、危ないと自ら判断して、避難渋滞の車を捨てて高台に走った人は助かりました。一方、渋滞でおとなしく周りの人と同じように車の中で待っていた人々は津波の犠牲になりました。死ぬかも知れないと頭ではわかっていたのかも知れませんが、それでも周りの人々と同じように振る舞っていれば安心だと考えたのでしょう。放射能の場合は、自分で判断するにも、判断の根拠になるデータが簡単には手に入らないわけで、そこに難しさがあると思います。ただ、過去の事故から推定して、今回の福島は収束がいつになるかわからないチェルノブイリを越える汚染になり、東京を含んだ関東北部、東北一帯は、人間が安全に居住することができなくなる可能性は低くない、とは考えられていると思います。日本政府が首都圏数千万人が移住できる場所を探して、北方領土や中国のゴーストシティーなどを候補のロシアや中国と密かに連絡を取っているという噂話も聞いたことがあります。このような情報や個々人の条件を考えて個人が判断し行動する必要があります。とにかく日本政府の言うことを素直に信じて思考停止するのは最悪です。第一に連中は本当のことを言いませんし、第二に連中は絶対に責任はとりません。日本は自分の身は自分で守るしかない社会です。

私は、放射能からは遠方にいますが、それでもシーフードは基本的に食べるのは止めました。おいしいものが食べれなくなって残念ではありますが、おいしいものを食べておもしろおかしく暮らすのが目的で生きている訳ではないので、ま、大丈夫です。魚は、以前からメチル水銀などの汚染の問題もあって控えていましたが、回遊魚で放射性セシウムが出たというニュースが表に出だしてから、魚類は食料としては危険すぎると思うようになりました。内部被曝はチリツモですから、毎日、口にするものは特に若年者は気をつけなければなりません。ドイツの専門家が、「メルトダウンしている以上、福島原発を収束させる術はない、唯一できることは、食料の安全に気を配ることだ」と言っていましたがその通りだと思います。過剰反応という人もいるでしょうし、多少の放射能は健康にいいと信じてそれを言いふらす池田某とかいう人もいるぐらいですから、私は人が放射線とどう向き合うかは個人の自由であろうと思っております。しかし、自分のことを自分の頭で判断して行動することをためらう人は結構多いのですね。くどいようですが、自分の身は自分自身が責任を負うことになります。自分で判断し行動することを軽んじて、何か悪いことがおきても、他人は誰も責任を取りませんし、責任の取りようもありません。

 話題転換。一昨日のニュースでシリアの虐殺と国連の介入についてチラッと聞きました。日本も当然ながら賛成し、シリア大使に退去通告したという話。うさん臭いです。シリアの国内の問題であり、シリア政府の調査もまだ十分始まっていないうちから、国連を担ぎ上げていつもの人道的介入をチラつかせるのが怪しい、これではまるで飛行機の残骸でさえ残っていないのに911テロの実行犯がすぐに同定されたのと同じぐらい不自然だと思っておりました。リビアのガダフィ、イラクのフセイン、邪魔者は力ずくで殺す鬼畜米英、今回もシリアに軍事介入するために口実をでっち上げたのかもしれないと怪しんでいたら、BBCが捏造記事を出したという話を聞きました。シリアの虐殺の証拠として27日に撮影したとされる写真が実は2003年のイラクの写真だったそうです。BBCは比較的信用していたのに、BBCもアサヒって捏造するのですね。捏造を指摘したブログでは、「BBCがまたやった!」とありましたから、BBCは常習アサヒ犯だったのでしょう。シリア侵攻賛成世論を盛り上げるための政治的意図によるトップダウンの捏造だったのか、衝撃的映像がとにかく欲しかった現場の人間の不正だったのか、ちょっとわかりませんが、前者だったら救いようがないですね。

詳しくは日本語のブログ、Rockway Expressでどうぞ。

 

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