百醜千拙草

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新年

2024-01-02 | Weblog
正月休みでのんびりしていたら、新年早々、石川での地震災害で驚きました。
すぐに取り壊される役に立たないリングに350億もかける余裕があるなら、直ちに万博中止を決定して被災地の援助と復興、それから一部電源喪失したり、燃料プールの水漏れを起こした原発の廃炉に資金を振りむけろ、という沢山のツイートは正論中の正論です。そして、もし今、再び原発事故が起きたらと思ったら、悪夢の自民党政権下、しかも無能の極みのキシダ政権、不安しかありません。

さて、去年はいろいろと大きな出来事があった年でした。
個人的には研究活動から本格的に引退し、職を変えたことでしたが、今のところ、研究という活動を離れたことにほとんど何の後悔も寂しさも感じていません。この十年ほどはアカデミアでの研究がどんどん面白くなくなっていきました。理由は複数思いつきますが、基礎医学研究においては、前のNIHディレクターで医師でもあるフランシス コリンズが10年にわたってより実利的な応用研究を強調してきたことが大きいのではないかと思います。そうした研究でないと研究費を取れないと思う研究者の忖度もあって本来、アカデミアでしかできないような研究は自己制限されていったのではないかと感じます。製薬会社の下請けのような研究を製薬会社の何百分の一の予算でチマチマとやっていて面白いわけがありません。また、最近の中国が科学論文数で世界一になり、日本が科学論文出版で世界への貢献度を落としているというニュースを見ても、正直、この十年あまりほど、中国からの論文原稿に数多く直に接して時間を浪費してきた身としては、むしろ、この世界から足を洗えてよかったという気持ちの方が強いぐらいです。

とはいっても、どんな世界にも光もあれば闇もあります。現状にはまずまず満足はしていますが、人生の義務的なことがらをほぼ終えた身としては、二ー三年をめどに、また熱中できる新しいことをしたいと望んでいます。それまで頭と体が保てばの話ですが。

日本国内では、増税クソメガネがやるべきことは何もやらず、やるべきことでないことばかりに邁進した結果、国民生活はますます困窮を深めました。しかし、今年はいよいよ悪夢の自民党政権が崩壊の秒読みに入ったと思わされることがいろいろありました。日本の国民が他の先進国並みに十分に立憲民主主義を理解した成熟さを持っていれば、腐敗しきった自民党政治はとっくの昔に終わっていたはずで、日本はここまで貧困化せず、格差も開かなかったでしょう。民主主義国家でありながら、実質は未開の独裁国家、一部の人間が持たざる人々を搾取し、恵まれない人々には「努力が足りないからだ」と上から目線で自己責任論を押し付ける恥知らずが跋扈し、一旦、下に置かれた人間はそこから這い上がれないような社会構造が固定化されてきました。西洋が闘争の末に勝ち取った民主主義を戦後日本は憲法に戴くことができたにも関わらず、従来の日本人の事なかれ主義と上下関係を軸に置いた人間関係ゆえか、少なからぬ日本人はいまだに立憲民主主義を理解も実践もするだけの成熟度を得ていないと感じます。パワハラ、セクハラが横行し、加害者を非難するより、被害を受けた方の落ち度を強調するような社会では、自民党が改憲案で削ろうとしている憲法97条(基本的人権の不可侵性)に対する意識が低すぎると言わざるを得ません。

特に最近、「自己責任」という言葉をよく聞きます。国民からは世界第二位の高い税金を搾り上げるくせに、先進国最低レベルの社会保障のニッポンで、困窮し助けを求める国民を突き放す時に、自民党政府や金持ちが使う言葉です。その一方で手前らは、世界最高レベルの議員報酬をとった上に裏金づくり。しかしながら、それを放置した責任は、結局はこれらの腐敗政治屋を選挙で落とさなかった日本国民自身に求めるほかありません。そういう点では自己責任と言えましょう。

不人気で過去最高の不支持率を誇る増税メガネへの不満、それから例の組織的裏金づくりで、自民党が追い込まれているのは間違いありません。だから、来年早々に自民党は改憲発議を出し、永遠の独裁を可能にする「緊急事態条項」を通してしまおうとしています。これさえ通してしまえば、自民党は選挙そのものを止めることができ、内閣の独裁は完成し、国民の支持率を気にする必要はなくなるのですから。それを国民投票で止めることができないと、日本は再び戦前に逆戻りし、個人の権利は蹂躙され、生活はますます苦しくなり、「欲しがりません、勝つまでは」の生活を延々と強いられることになるでしょう。日本人に改憲の危険性への危機意識が十分にあるように思えないのが不安です。

そして、現在進行中でもある昨年の最大のニュースは、この三ヶ月のガザの破壊と大虐殺のことでした。ヤシーン村の虐殺に象徴されるパレスティナ侵略に始まった血に塗れたイスラエル建国の後、シオニストは数多くのパレスティナ難民を生み出し、75年にわたって彼らを迫害し、土地を奪い、貧しさと窮屈な生活を強いてきました。そして、ハマスによる抵抗を逆手にとって、「自己防衛」という名目で、ガザのパレスティナ住民を殲滅し、ガザの完全破壊を目指すイスラエルの極右政権は、この3ヶ月で桁違いの大量の爆弾を使って無差別に破壊と殺戮を繰り返し、たった3ヶ月で12,000人の子供を虐殺するという戦争犯罪史最悪の結果を晒しました。イスラエルに殺されたパレスティナ人の92%は一般市民です。まさに悪魔の仕業としか形容しようがない。その悪魔が、太々しくも、ハマスとパレスティナ人を「人間以下の存在」で文明を破壊するモンスターと呼び、戦いに勝つまで、相手を叩き潰す、停戦を叫ぶものはユダヤ人差別者だ、と言うのです。ネタニヤフは狂人としかいいようがない。今はアメリカ以外のほぼ全世界がイスラエルに停戦を要求しています。いくつかの国家元首は、「ネタニヤフ政権はナチスより邪悪である」、「イスラエルはテロ国家だ」と声高に批判し、南アフリカはジェノサイド条約違反でイスラエルを国際司法裁判所(ICJ)に提訴しました。第二次大戦が終わって約八十年たって、このような人道を完全に無視するような異常な政権が、世界一強大な軍事力をもつアメリカの支援のもと、ずっと迫害してきた人々を市民、子ども、老人、病人を問わず、たった三ヶ月で無差別に大量虐殺し、自治区をほとんど瓦礫の山に変えてしまったということが現実であるのが、本当に信じられません。この虐殺を支援しているのが、他人の命とか人道とかは、自らの利益と金儲けの前には何の意味もないと思っているような連中です。

バイデンはウクライナとイスラエルの支援はアメリカの安全保障における「投資」である、と説明しました。バイデンもネタニヤフも動機は多少は違えども同じ穴のムジナ。ネタニヤフも、ここまでやってしまった以上は、パレスティナ人から彼らの土地を完全に奪い、レバノン、シリア、イランの反イスラエル勢力を殲滅し終えるまで、とことんやるつもりでしょう。そして、それまでアメリカと英仏は見捨てるはずがない、と考えているのでしょう。しかし、ツケは必ず天の采配によって払わされます。ネタニヤフの残りの人生は安楽なものにはならないでしょう。現在、イスラエルは、シリアやレバノンへの空爆も激化させており、それに対してロシアが介入してきています。イスラエルに殺されたイラン革命軍参謀の報復もイランは考え始めているでしょう。このイスラエルと西側利権国とアラブ世界の争いが第五次中東戦争へとエスカレートした場合、最後はネタニヤフはヒトラーと同じ運命を辿ることになるでしょう。

聖書の黙示録とエゼキエル書にあるこの世を滅ぼす悪魔の国マゴグとその王、ゴグはロシアのことだと考えられています。聖書ではゴグが中東や北アフリカの国々と連合軍を組んでイスラエルに攻め込んでくると予言されています。今回のイスラエルの周辺アラブ諸国に対する攻撃が第五次中東戦争へと発展し、そこへロシアが介入してくるとなると、アメリカを巻き込んだ第三次世界大戦勃発となり、アメリカの手下である日本も無傷では済まなくなるでしょう。聖書の記載からはその後、一旦は中東を支配したロシア連合軍が内ゲバで自滅して、最後はイスラエルが中東を支配することになるということですが、本当にそういう展開になるのかどうかは勿論、まだわかりません。

それはともかく、戦争ビジネスの手先となり、安全保障のための「投資」と称して、子供を1万人以上も殺しまくるイスラエルを支援するバイデンも邪悪な存在だと言って差し支えない。彼らにとってパレスティナの子供達は未来のハマスの兵士であり、緑の芝生に生える雑草の芽ぐらいにしか思っていないのでしょう。地球全体で見れば、ネタニヤフやバイデンやアメリカ軍産や、その金魚のフンの自民党の方が、人類に対する害虫です。害虫にも5分の魂と5分の理があるのは認めましょう。しかし、子供を無差別に殺すことは絶対悪です。その一点を以てしても、彼らは最も強い言葉で非難されなければなりません。
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