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ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

研修受講:労務管理はやっぱり慎重に・・・

2007-08-28 | オボエガキ
今日は終日にわたって某所で研修を受講。中小企業の労務トラブルへの対応に関する実務について勉強してきました。私ども士業にとってこうした研修は「仕入」に相当する大切なものですので、多少時間とコストがかかっても先行投資として怠らないようにしなければなりません。

さて、今日の研修で面白かったのが「講義の進め方」。この手の研修では一人の講師が講演形式で進めるのがほとんどですが、今日の講義は「ダブル講師」による「バトルトーク方式」で展開。同じ事務所に所属する二人の弁護士の先生が、お互いの持ちネタを披露しつつ、さらにはお互いにツッコミ合いながらの進行で、あたかも「事務所の中で繰り広げられているであろう生の意見交換+相互研鑽」をそのまま見ているような感じでした。一歩間違えば「雑談を見せ付けている」っぽく感じてしまう可能性もありますが、そこは絶妙なトークでうまくカバーされており、またぶっちゃけトークも随所に炸裂するなど、「本当の生の実務」を体感させて頂くことが出来ました。非常に中身の濃い研修でした。


今日の研修を聞いて感じたのが、「人事労務問題」の難しさ。今日の研修の中でも、労務の問題はこじれた後に何とかしようとしても、労力(手間)とコストがかさむだけで実になる部分が少ないことを強調されていました(裁判になった時の弁護士報酬一つをとっても、他の訴訟より手間がかかる分どうしても高額になり勝ちとの事です。)そうすると、人事労務はやはり「トラブルを避ける=リスクをできるだけ低くする」方針で対応する、即ち「リスクマネジメントの一貫」として捉えていくことが求められます。

そうすると、人事労務というフィールドでは「平時の備え」が大変大切なポイントとなります。例えば、就業規則や各種規程類を作ったりするのも一つの「平時の素備え」ですし「リスクを想定してできるだけ早めに打てる手を打っておく」ことも大切です。さらに言えば、労働契約の文書化や誓約書の徴収、管理職への教育なども大切な「平時の備え」となります。

その中でも、特に労働契約の解除、すなわち「退職」に関するトラブルは後を絶ちません。今日の話の中だけでも、解雇のような「辞めさせたい」場合は、引きとめのような「辞めて欲しくない」場合や、「競業先への転職や同業での独立を防ぎたい」とか、「情報の持ち出しは防ぎたい」など、様々なトラブルが紹介されていました。こうしたトラブルはやはり「こじれたらそれなりの労力は覚悟」という話しにならざるを得ませんので、事前にトラブルにならないよう手を打ちつつ、トラブルになっても早期に解決できるような対策を講じておくことが必要です。

ということで、今後「退職に関するトラブルの事前抑止+事後対応」をこれまで以上に手がけていきたいと思っています。特に「退職金規程」については、支給方法に関する制度設計の問題とは別の視点から改善の余地が有りそうです。本ブログでも随時取り上げて生きたいと思いますが、もし「従業員の退職」に関するトラブルにお悩みの方はぜひ当事務所までご相談頂ければ幸いです。

明日は終日お客様のところで内部監査の立会いの予定。頭を社労士モードからコンサルモードに切り替えてしっかりとしたご支援をしたいと思います。

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