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速報:道路交通法改正試案まとまる

2006-12-28 | 飲酒運転特集
取り急ぎ速報ベース。

<道路交通法改正試案>飲酒運転、ひき逃げ厳罰化(Yahoo!ニュース-毎日新聞)


警察庁は28日、飲酒運転者に車や酒を提供した者や同乗者にも新たに懲役刑などを科す道路交通法改正試案をまとめた。飲酒運転自体や救護義務違反(ひき逃げ)の罰則も大幅に厳しくする。罰則は01年にも重くしたが、今年8月に福岡市で幼児3人が亡くなった事故をきっかけに社会問題化したことを重視し、さらに厳罰化を図ることにした。同庁は今後、国民の意見を募ったうえで、来年の通常国会に改正案を提出する。
 試案は、ひき逃げを現行の「5年以下の懲役または50万円以下の罰金」から「10年以下の懲役または100万円以下の罰金」へと2倍に引き上げた。正常な運転ができない「酒酔い」は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」を「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」に、酒気帯び(呼気1リットル中に0.15ミリグラム以上のアルコール)は「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」を「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」にする。
 また、飲酒運転をそそのかしたり車両や酒類を提供する行為は、これまで刑法の教唆・ほう助罪を適用して取り締まってきたが、従犯扱いだったため、罰則は違反者の半分以下に過ぎなかった。このため、新たに道交法で罰則規定を新設する。
 車、酒の提供は酒酔いで「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」、酒気帯びで「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」としており、運転者と全く同じ罰則内容。同乗者は酒酔いで「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」、酒気帯びで「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」にする。
 さらに、罰金(30万円以下)だけだった飲酒検査拒否を、「3月以下の懲役または50万円以下の罰金」に引き上げる。懲役刑を新たに設けることで抑止効果を狙う。
 免許取り消し後、再度免許申請をできるまでの欠格期間についても「重大事故を起こして免許を取り消されても、すぐに運転している」との遺族感情に配慮し、現行の5年から10年に延ばす。
 01年の改正では、酒酔い運転が「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」になるなど罰則が強化され、刑法に危険運転致死傷罪(致死の最高刑懲役20年)が新設されていた。
 今回の道交法改正が実現すると、飲酒・ひき逃げ死亡事故など最も悪質なケースに適用される危険運転致死罪とひき逃げの併合罪の上限が、現在の25年から30年になる。【遠山和彦】
(以下略)


酒酔い・酒気帯び運転を許容するわけではないのですが、今回の「厳罰化」の動きには少々眉をひそめてしまう部分も感じてしまうのが偽らざる事実です。

「危険運転致死傷」と「ひき逃げ」の罰則のバランスを考慮し、それぞれの刑罰の幅を調整することは賛成です。しかしながら、「被害者が強い悲しみの感情を抱いている」ということを主の要素として厳罰化する、それもこれまで「従犯」であったものを「正犯」にするような刑罰を新設することには、疑問を感じざるを得ません。

もちろん「被害者感情」を無視するということではありません。しかし、「被害者感情」に報いるのはあくまでも「加害者が被害者に対して直接に償いを行う」ことがベースであり、一義的には「民事レベルの問題」であるはずです。「社会からの制裁」という刑事罰の問題としては、「被害者感情」とは別の問題として様々な角度からの検証が必要であると感じます。


ここで一つご紹介したいのが
「犯罪不安社会」 ~ 誰もが「不審者」?です。



この書籍で語られているテーマの一つが「犯罪(事件)発生⇒厳罰化のスパイラルがもたらす将来の姿」。飲酒運転に関する話題についても一部に触れられていますが、「『漠然とした不安』が非合理的な選択をもたらす」ということについて非常に丁寧に解説されています。目次をはじめ本書で語れている「大切なこと」を知りたいという方は、ぜひ404 Blog Not Foundで紹介されている書評とあわせてご覧頂ければと思います。

刑事罰と言うのは所詮「間接強制」に過ぎないものである上、過度の厳罰化は「夜会復帰の道を遠ざける = (直接に)被害者に報いる機会を奪う」可能性を孕んでいます。厳罰化によって幸せになる人は誰一人としていません。「飲酒運転事故」による不幸な結果を増やさないため、「厳罰化」以外の選択肢を踏まえた議論をもっとをすべきではないかと私は考えます。

取り急ぎ速報ベースまで。


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