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続々年金分割: 「事前照会」制度について(訂正と補足)

2006-08-02 | オボエガキ
前回までのエントリでも取り上げた「離婚時の年金分割」の話題が、ちょこちょことマスコミで取り上げられています。各マスコミのスタンスで取り上げる部分が違っていて、「比べ読み」してみると結構面白かったりします。

その中で気になったのが今日の日経新聞Web版の記事。以下、引用します。
離婚時の年金分割、妻の受給予定額を通知へ・社保庁
会社員の夫と離婚したいが、自分は年金をいくらもらえるのか――。来年4月から離婚時の厚生年金の分割が始まるのを前に、社会保険庁は10月から、こんな問い合わせに応じることを決めた。結婚していた期間や妻が会社員だった時期に払った保険料などを勘案し、年金を夫と分割した場合の額を通知する。
 現在、離婚した妻はいったん夫が受け取った年金を分割して手にしている。夫が送金しなければ、最悪の場合、基礎年金しか受け取れず、生活に困るケースもあった。新制度が始まると、夫と約束した割合(最大で半分)だけ、社保庁が妻の口座に直接振り込む形に変わる。割合は夫婦で決めるが、話し合いがつかなければ裁判に決定をゆだねる。


この事前照会制度については前回までのエントリでも触れましたが、この手続につい、パブリックコメント募集ページの説明資料を詳しく見てみると、次のように記されていました。

情報提供の請求は、離婚する当事者が離婚する前であっても、離婚した後であっても、当事者双方又は一方から行うことができます。
提供される情報の内容については、当事者間における合意形成の前提となるものであり、当事者双方が確認し、了解したものである必要があることから、離婚した後(事実上婚姻関係と同様の事情にある方については、当該事情が解消したと認められた後)であれば、当事者一方からの単独請求であっても、情報提供請求があったことや提供する情報の内容を、請求してきた当事者の一方のみならず、請求していない他方に対してもお知らせすることとします
ただし、離婚が成立しておらず(事実上婚姻関係と同様の事情にある方については、当該事情が解消しておらず)、まだ婚姻関係にあると認められる方が単独で請求する場合は、離婚後の年金分割請求につながることが確実ではなく、一方で、婚姻関係が継続している両当事者の関係への影響にも配慮して、請求した当事者にのみ情報を提供し、請求していない方へはお知らせしないこととします。この場合、婚姻期間が終了していないため、分割の対象となる対象期間が決まっていません。したがって、婚姻期間が終了する前の情報提供については、情報提供の請求があった日における情報を便宜上提供することになります。

というように、この事前照会手続については「strong>離婚している場合には双方に通知されますが、まだ婚姻中(離婚前)であれば相手方に知られること無く自分だけに情報提供がおこなわれることになります。このような形式ならば、相手方に「離婚の検討をしている」ことを悟られることなく、必要な情報が収集できそうです。

とはいっても、実運用上面の問題は残ります。「窓口で申請したらその場ですぐに調べて手渡しで受け取る」という形であれば良いのですが、仮に「数日後に郵送」という形になってしまうと「自宅に郵送されたらマズイ」というケースが出てきてしまうと思われます。運用がどのようになるか分かりませんが、社労士としてはこのような相談があったときにいつでも「事務代理者」として請求手続を行って、事務代理者として受け取れることができるよう、手続の確認を行って置かなければならないと感じました。

以上、前回エントリに対する訂正と補足でした。


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