コンサルタントのネタモト帳+(プラス)

ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

ワイン陳列の妙技

2005-10-07 | マーケティング
研修先の最寄り駅にて立ち寄った高級スーパーで、面白いワインの陳列を見つけました。一見普通の陳列に見えますが、よく見ると非常に理にかなっています。

1つ目のポイントは「ラベルが見えるようにおいている」ことです。ワインの場合、商品品質管理のため、横置きすることが求められます。そうすると、縦に並べるよりもスペースを取りますので、ワインの栓側(上側)を前にしておくことが多いでしょう。しかし、このスーパーではあえて横向きに寝かせています。こうすることで、多少のスペースロスは発生するものの、お客の立場で見れば、商品の「顔」であるラベルをきちんと見ることができるようになります。商品陳列の基本に忠実に沿ったアイデアです。

もう1つのポイントは「什器の色」です。スーパーに行って観察すると、多くの什器は商品が落ちないように支える柵の部分が銀になっています。これは、コストの面と見栄えの面を考えると妥当な選択肢と考えられます。しかし、この什器を見ると柵の部分まで「黒」に塗装してあります。これは、ワインの商品品質にとって「光」が大敵であり、光を吸収する「黒」を細部にわたって使用することで、少しでも反射を少なくしようとしたのだと思われます。(高級感を演出するという面もあるかと思います。)

普通に見ていると何気ない光景なのですが、そこにはこだわりの工夫がさりげなく隠されています。高級スーパーの”本気”を感じられるヒトコマです。