きょうも眠れぬ患者たちが
三々五々
屋上に来て星を観ながらくっちゃべっている。
蚊もハエも上がってこれないからいないし
暑くも寒くもない。
心地よい風が吹いている。
ワタシはというと
入院中に知り合った彼女と二人
こういうシチュエーションで
とりとめのない話を
禅問答のような話を
ウダウダしゃべりあうことが
闘病生活の中での夢の一つだった。
まさにその夢が実現して
感慨深いものがあった。
彼女「高松宮記念ははずれちゃったね。
健闘したんだけど...」
彼女は顔じゅう包帯をぐるぐる巻きにしている。
どういう病気かあるいはケガかはわからない。
「山火事が続く今治市で
卒園式...か。
昔、日本テレビだったような気がするけど
お昼すぎのワイドショーで
織田無道ともう一人霊感占い師みたいな女が
視聴者から送られてきた
『霊が写ってる写真』を鑑定するコーナーでさ
その1枚の写真は
舞台でピアノを弾く子どもが
炎のような白い羽衣みたいなものに包まれている光景が写っていた。
「コレは、このお子さんの輝ける未来を表していると思います」
と織田が言うと
占い師みたいな女も「私もそうだと思います」
と、すまし顔で同調した。
司会者も
「この写真を送ってくれた〇〇さんよかったですねえ」
だって。
てきとう~!
昔から...
というより
昔は今思えばほんとに嘘くさい番組だらけだったな。
あーいうのって
時間がたつとみんなが
「よく考えればアレって変だよねえ」
と気づいてくるんだけど
放送直後やその2週間ぐらいまでは
気づかないものらしい。
どっきりカメラもそうだけど。
彼女「だから同じように
一般大衆が気づくまでのうちに
選挙をやっちゃったり
視聴率調査をやったりすれば
シメシメなんじゃないすか」
あの卒園式の笑顔の親子を眺めながら
はじめは
「いくらでも可能性がある年頃でうらやましいなあ」
とひたすら思っていたけど
それには
まがりなりにも日本が平和で
そこそこ豊かであることが前提なわけであって
これからの日本や世界は
果たしてどうなるのか
全く解らないよねえ。
彼女「ワタシは
ネガティブシンキングだから
不安の方が大きいです」
ま、でも今は、ヒトの心配より自分の心配をした方がいいかもね。
彼女「アハハ。たしかに」
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