私の大福の食べ方。
大福を割って
スプーンないし指で、あんこの90パーセントを取る。
全部取るのではなく1割は残す。
取ったあんこは家族の者にあげる。
家族がいないときは
今度の料理のとき、砂糖代わりに使用する。
熱いほうじ茶とともに
ペチャンコの大福をいただく。
ところで
今、大福でもたい焼きでも
あんこが目いっぱい詰まってるほうが偉いみたいな
そういう一方的な価値観が
世の中を席巻している。
おかしいと思う。
私がもし
あんこのいっぱい入った大福を食べたら
グジャグジャの口の中が、あまりの甘さで
気持ちが悪くなり
味わうどころじゃなくなる。
拷問と言ってもいい。
人間国宝の落語家・柳家小さん(5代目)は
「たい焼きの尾っぽの端っこには、あんこが入ってないのがいいんだ。
最後にあんこのない端っこを食べることで
口の中の甘ったるい後味をすっきりさせるんだから」
と述べていたシーンが記憶に残る。
マーボー豆腐はまあまあ好きな方だが
なんといっても
ゴハンにかけると
いっそう旨さが際立つように感じる。
丼もので最強は、マーボー丼だという人もいる。
自分で作るときは
あまりかき混ぜない。
すると鍋の中の
グツグツ沸騰するマーボーの具のふちが
カリカリとしたおこげ状態になる。
目玉焼きのふちがカリカリになるのと同じである。
そのカリカリ部分だけを集めて
熱々のゴハンにのっけて食べると
これがも~う、たまらんち会長。
至福の時間を過ごせるというわけである。
ときどき親戚から
山口県の名産のかまぼこ
『白銀』を送って来る。
コレを薄く切って、桃屋かなんかの練り梅の瓶詰も用意して
熱々のゴハンをかまぼこと練り梅を交互に乗せて
あるいは
かまぼこに練り梅を塗って食べると
コレもまた絶妙である。
あとは汁物として
もずくスープでもあれば
これ以上は何もいらない。