今日はずいぶん暑かった。本格的に蚊の季節になった気がする。夏もやりたいことがいくつもあるから、上手に養生しつつ楽しむよ。
本の感想。湊かなえ著「リバース」(講談社文庫)を読んだ。
リバース (講談社文庫) | |
湊 かなえ | |
講談社 |
「リバース」はなんとなく読んだことがある気がして、でも覚えがなくて、読んでいないのかなと読んでみたら、途中でやっぱり読んでいたことに気づいた。
湊かなえさんの小説、好きかもしれない。人間の描かれ方が好き。
「告白」は自身のことに照らし合わせて、相当胸に響いた。
⇒湊かなえ著「告白」(双葉文庫) 読書感想 エンタメと孤独
「ユートピア」も思い当たることがいっぱいありグサグサ刺された。
⇒湊かなえさん著「ユートピア」(集英社文庫) それっぽい見かけ
一方の「リバース」は一見退屈で自分とはちょっと違うのだけれど、登場人物たちはみな悩んでいることは悩んでいるわけであって、人の悩みはいろいろということで読んでよかった。
正直に書くと、あたしは他人が自分のことを気にしているような気がすることもあるのだけれど・・・・なんというかみんな自分の悩みでいっぱいいっぱいだから、誰もがあたしのことなんてそんな気にしていないな。どうも自意識過剰だなとおもえたよ。
「リバース」のストーリーとしては
大学の同級生5人が、そのうちのひとりの別荘で過ごすべく出かける。楽しい旅になるはずだったが、残念ながら一人は自身が運転する自動車で事故に会い、帰らぬ人となる。
数年後、生き残った主人公の関係者に、「(主人公は)人殺しだ」という手紙が届く。同級生の死に責任や疑問を感じていた主人公は、事件の真相を探り始める。
という感じ。
印象的なのは、生き残り4人もその他の登場人物も、それぞれの宇宙で生きている。一緒に過ごして、会話や空間を共有しても、それぞれ考えていることが異なり、お互いに勝手な解釈をする。
それが上手い感じにはまることもあるけれど、どちらかというと誤解や苦しみを招く。その瞬間の苦しみだけではなく、記憶や思い出として永く尾を引く感情となる。
当たり前のことだけど、あたしたちの日常生活における人間関係でもそうだよね。
自分自身について見つめると同時に、このあたりのこともう少し発信したいなあ。
綴られているのは、各自の宇宙にある悶々とした感情。だからそれほど印象に残らない、、、誤解をおそれずに書けば、本人以外はとってはどうでもよいこと。
だから、あたしは本の内容を綺麗に忘れていたんだと思う(結末は覚えていた)。
だけど自身の感情を見つめていくときは、そうやって誰かの感情を堪能させていただくのはとても貴重。またいつか読みたいとおもう。そのときはまた興味深く読む気がする。
ではまた!
湊かなえさんの本を読み始めたきっかけは、東京読書交換会だった。
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月2回、東京都豊島区池袋で、読書交換会をやっています。人にあげても差支えがない本を持ち寄り交換する読書会です。
⇒東京読書交換会ウェブサイト
※今後の予定は6月29日(土)夜、7月12日(金)夜です。
◆臼村さおり twitter @saori_u
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