百名山完登に向けて駒を進めるべく、今回は中央アルプスの空木岳に登ってきました。
昨年秋の木曽駒登山時と同様、朝一番のバスからロープウエイに乗り継ぐ予定で、前夜に菅の台駐車場に入り車中泊です。
東京はうだるような熱帯夜が続いているので、駒ヶ根といえど車中は暑かろうと考えていましたがさすがは高原地帯、車の窓を完全に締め切った状態でも心地よく眠ることができました。
中央アルプス一の人気コース、本来なら木曽駒ケ岳からつなげたいところですが、一泊で木曽駒~空木の縦走は厳しいので木曽駒はパスすることにしました。
バスの始発は06:12ですが、臨時を期待して早めに列に並びます。
臨時バスは定刻12分前の6時丁度に出発、しらび平までは30分の乗車時間です。
一番バスに乗ることができたのですが、バスを待つ間に先発のタクシーで到着した人たちがすでに並んでおり、一番のロープウェイに乗ることはできませんでした。
それでも、通常20分間隔運行は10分間隔に増便されているので予定時刻より早い千畳敷到着です。
【山行日】
2008年8月3日~4日(月~火)
【メンバー】
夫、たんべぇ
【コース】
<8/3> 菅の台バス停06:00=====しらび平06:30/06:45=====千畳敷06:55/07:05-----乗越浄土07:55-----宝剣岳08:12-----極楽平08:55-----濁沢大峰10:00/10:10----檜尾岳11:30/11:45----熊沢岳13:00/13:20-----東川岳14:45----木曽殿山荘15:05
【歩行時間:8時間(休憩含)】
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ロープウェイの終点千畳敷が近づくとあたりはすっかりガスに包まれてしまいました。
下界の晴天が嘘のように、どんよりとした千畳敷。
07:05 出発
期待した千畳敷カールは濃いガスの中、何にも見えないけれど登山道に沿って進むしかありません。
それでも、登山道を飾る高山植物は今を盛りと咲き揃って登山者の目を楽しませてくれます。
エゾシオガマ
タカネグンナイフウロ
丁度見ごろを迎えたタカネグンナイフウロ、千畳敷カールでも多く見かけましたが、縦走路の樹林帯に入ると決まって美しいこの花が出迎えてくれました。
ハクサンイチゲ
シナノキンバイ
カールはガスに包まれて全体を見ることはできませんでした。晴れていれば素晴らしいお花畑を目にすることができたことでしょう、ちょっと残念!
チシマギキョウ
ウサギギク
07:55 乗越浄土
ゆっくり歩いても50分で乗越浄土に到着。
ガスは相変わらず濃いので標識を見失わないように進みます。
稜線に出ると強い風に帽子が飛ばされそうです。
帽子留めのストラップを忘れてきたことに気がつき宝剣山荘の売店に飛び込みました。運良く宝剣山荘でストラップを購入できました(^-^)v これで安心して歩くことができます。
マークを見失わないよう慎重に歩きます。
08:12 宝剣岳山頂
宝剣山荘から12分で宝剣山頂です。
巨岩のトンネル、変化に富んでいてなかかな面白いですが、霧で濡れた岩は滑りやすくなっているので緊張します。
危険な箇所にはこのような鎖が設置されていますので慎重に進めば大丈夫です。
三の沢岳の分岐を過ぎるとコマウスユキソウなどが咲く歩きやすいなだらかなハイキングコースに変わります。
コマウスユキソウ
別名ヒメウスユキソウと呼ばれウスユキソウの中でもっとも小形です。
会いたかったコマウスユキソウが登山道の両脇に数え切れないほど咲いています。
本当にすごい数、中央アルプスの花崗岩に特産するコマ(ヒメ)ウスユキソウですがこんなに大量に咲くとは知りませんでした。
08:55 極楽平
ここで千畳敷からの道と合流します。
チョウノスケソウの実(花柱)
チョウノスケソウの花柱に囲まれたコマウスユキソウの三姉妹
ハハコヨモギ
南アと中央アの砂礫地に咲くヨモギの仲間、
白い絹毛に覆われ銀色に輝く葉が美しい!!
ミヤマホツツジ
10:00/10:10 濁沢大峰
相変わらずガスの中です。
宝剣山荘でお天気についてお尋ねしたら、予報では午後から崩れるとのことでした。この調子だと雨の降り出しも早まるかもしれません。あまりのんびりも出来ず先を急ぐことにしました。
ここで、初めて単独の女性とすれ違いました。
彼女は木曽殿山荘からの縦走とのこと、途中で道を間違え大幅にタイムをロスしたと話していました。
この先、そんな間違いやすい場所があるのか不安になります。
ゴゼンタチバナ
お天気の回復の見込みは薄いと諦めていたのですが、うっすらと日光がさし始めました。
檜尾岳とコマウスユキソウ
な、なんと、諦めていた山なみも見えてきてきました。ラッキー!!
見えるのは嬉しいのですが…あれに登るの?と目の前の登り返しにちょっとうんざりです。
ミヤマウイキョウ
鞍部にはピンクのタカネナデシコが咲いていました。
少し進むとヒメシャジンも咲いているのですが写真を撮るには危険な場所なので諦めました。
ミヤマオトコヨモギ
チョウジコメツツジ
11:30/11:45 檜尾岳山頂
広々とした檜尾岳山頂、ガスも少しづつ晴れてきて、これから進む稜線が見え隠れしています。まだまだ先は長いです。
檜尾避難小屋
かまぼこ型のかわいい檜尾岳避難小屋が見えます。
二日後の8月6日、この檜尾岳で落雷の直撃を受け女性が亡くなられました。
縦走路の中間点に建つこの避難小屋に早く到着していればと思わずにはいられません。
ご冥福をお祈りいたします。
三ノ沢岳
振り返ると、三ノ沢岳の姿を見ることができました。堂々と大きい三ノ沢岳。
行きのバスで一緒になった男性二人組はこの三ノ沢岳を目指すそうで、この山は知る人ぞ知るお花の宝庫だと話しておられました。
アップダウンの多い縦走路は疲れますが、鞍部付近に広がるお花畑に癒されます。
ムカゴトラノオ
ハクサンチドリとキバナノコマノツメ
チングルマ
シナノオトギリ
熊の沢岳の登り
13:00/13:20 熊沢岳山頂
巨岩折り重なる熊沢岳
疲れたので岩の隙間で大休止です。
熊の沢岳を下り、東川岳の登りにかかります。
何度も繰り返す登り返しに疲れもピークです。
東川岳手前で雨が降りだしました。
カッパを着た途端、ザァーと雨が本降りとなってしまいました。
東川岳に向けて最後の力を振り絞ります。
雨脚が強まり、木曽殿山荘に向けて急ぎます。
明日登る空木岳がガスの中からジワジワとその姿が現れました。
圧倒的な大きさが迫ってきます。
木曽殿山荘が見えてきました。ホツと一安心!
15:05 木曽殿山荘
30分早く着けば雨に遭うこともなかったのですがびしょ濡れでの到着です。
玄関の手前に雨具とザックカバーをハンガーに吊るして中に入ります。
一泊二食付きで8000円、私たちは明日早出する予定なので朝はお弁当にしていただきました。
木曽殿山荘から木曽側に下った場所にある水場は3日前から涸れており、水の調達は山荘で売られているペットボトルのみとなります。
500mlペットボトルは一本300円、ちょっと高いですが私たちは3本買って明日にそなえました。
夕食は名物のおでんと混ぜご飯、焼き豚に野菜、山小屋とは思えないほど多彩でボリューム満点、とうもろこしのおまけまでついていました。
二階の大広間に敷かれた布団は一人一枚、混みあうことを予想してインナーのほかシュラフまで持参しましたが不要でした。
前日が車中泊だったのでゆったり布団は有難いです。
強かった雨は短時間で上がりました。夕食後外に出るとガスは晴れ、下から見上げる空木岳がさらに大きく聳えていました。
二日目に続きます。