たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。

スイスアルプス花紀行 NO.11 (ヴェニ谷 コンバル湿原へ) 2013.07.28

2013-08-30 | 海外





NO.10の続きです。

7月28日

クールマイユール二日目の朝、宿泊先のホテルのベランダに出てみると空気はひんやりでからっとしている。
今日も傘の出番はなさそうなです。連日で嬉しい悲鳴^^

今日は、ツール・ドゥ・モンブランの一部で、イタリア側のハイライトというべきヴェニ谷Val Veny方面に行く予定。
クールマイユールからヴェニ谷へは、1654mのヴィサイユVisailleまでバスで行く方法と、
ロープウェイとリフトを乗り継いで1956mのシュクルイ峠Checrouitに上がる方法の二通りあるが、
どちらから入ってもぐるりと周遊コースで逆まわりとなるだけなので距離は同じなはず。
労せず高度を稼ぎたい私たちは後者、シュクルイ峠から上がる方法を選んだ。


旅行も後半戦、今日からは朝食付きプランにしたので久々の充実食事、
たっぷり過ぎるほどのエネルギーを蓄え、ロープウェイ乗り場に向け8時過ぎにホテルを出発。



ロープウェイ乗り場までは徒歩で10~15分ぐらいの距離、地図とにらめっこで無事到着…

と、ところが始発のロープウェイは09:30とのこと。
 バスの始発が07:15なのでロープウェイも当然動いていると考えていたのが甘かった…
一時間ほど待って大きなゴンドラに乗りこんだのは私たち4人だけ^^;
やはり、こちらの人って朝はのんびりなのですね~



そして、スキー場を歩いてリフトへ乗り継ぐのですがロープウェイとの接続は整っておらず、
しばらく動く様子はなし。。。。。ガックリσ(-_-;)


【広々としたスキー場を移動してリフト乗り場へと向かう】


時間がもったいないのでリフトを動かしてもらえるよう身振り手振りで訴え、見事成功!!
オバチャンパワー全開^^;
何しろ、歩いて登るという選択肢は皆無なので必死です。
二人乗りのリフトに乗って高度を稼ぎ、無事シュクルイ峠に到着したのは9:50、ようやくトレッキング開始\^∇^/



朝が早いので(?)シュクルイ峠に人影はなく、お花畑も独占状態。

初っ端から花、花、花のオンパレード素敵すぎて言葉になりません!!




アストラガルス・アルピヌス Astragalus alpinus (マメ科 ゲンゲ属) 




【シュクルイ湖】
ここで今日初めてトレッカーとすれ違った。


ヒエラキウム・ヴィロスム Hieracium villosum (キク科 ヤナギタンポポ属)

 


ガリウム・メガロスペルムム Galium megalospermum(アカネ科 ヤエムグラ属)

 


サクシフラガ・モスカタ Saxifraga moschata(ユキノシタ科 ユキノシタ属)
※サクシフラガ・エクサラタSaxifraga exarata かもしれないが、花弁が細長く花弁間に隙間があるのでMoschataと思われる。

 


バルトシア・アルピナ Bartsia alpina (ゴマノハグサ科 バルトシア属)

 




アステル・アルピヌム Aster alpinum (キク科 シオン属)





アンティリス・・アルペストリス Anthyllis vulneraia ssp.alpestris(マメ科 アンティリス属)
  ペディクラリス・ウェルティキラタ Pedicularis verticillata(ゴマノハグサ科 シオガマギク科)<和名:タカネシオガマ>




ラナンクルス・グラキアリス Ranunculus glacialis (キンポウゲ科 キンポウゲ属)

※環境によって咲き方に変化あり、ツェルマット周辺で何度も見ていたのに同じと花とは思えなかった。
  正直、ケシ科の花かと…^^;

↓ ↓  ツェルマット(マッターホルン周辺)のもの ↓ ↓

ラナンクルス・グラキアリス Ranunculus glacialis (キンポウゲ科 キンポウゲ属)



トゥシラゴ・ファルファラ Tussilago farfara (キク科 フキタンポポ属)





サクシフラガ・ビフロラ Saxifraga biflora (ユキノシタ科 ユキノシタ属)




ヘディサルム・オブスクルム Hedysarum obscurum (マメ科 イワオウギ科)
<和名:カラフトゲンゲ>
*ヘディサルム・ヘデサロイデスHedysarum hedysaroides
*ヘディサルム・アルピヌム Hedysarum alpinum
図鑑によって学名にばらつきがありチンプンカンプン、和名の「カラフトゲンゲ」で統一です^^


カラフトゲンゲ



オクシトロピス・カムペストリス Oxytropis campestris (マメ科 オヤマノエンドウ属)
<和名:リシリゲンゲの母種>


オクシトロピス・カムペストリス Oxytropis campestris (マメ科 オヤマノエンドウ属)
<和名:リシリゲンゲの母種>






アンティリス・・アルペストリス Anthyllis vulneraia ssp.alpestris(マメ科 アンティリス属)
紅紫はイブキジャコウソウの仲間





ミオソティス・アルペストリス Myosotis alpestris(ムラサキ科 ワスレナグサ属)
<和名:ワスレナグサの仲間>





リナリア・アルピナ Linaria alpina (ゴマノハグサ科 ウンラン属)
この花はすっかりお馴染み





ピングイクラ・アルピナ Pinguicula alpina (タヌキモ科 ムシトリスミレ属)
<ムシトリスミレの仲間>


ピングイクラ・アルピナ Pinguicula alpina (タヌキモ科 ムシトリスミレ属)

 


??? ムカゴユキノシタに似たこの花、色々調べて見たけれど名前がわかりません。


 


ソルダネラ・アルピナ Soldanella alpina (サクラソウ科 ソルダネラ属)
<和名:イワカガミダマシ>

ソルダネラ・アルピナ Soldanella alpina (サクラソウ科 ソルダネラ属)
<和名:イワカガミダマシ>

 


ラナンクルス・キュッペリ Ranunculus kuepferi (キンポウゲ科 キンポウゲ属)





ゲウム・レプタンス Geum reptans (バラ科 ダイコンソウ属)
・よく似たゲウム・モンタヌムは葉が違う





アリウム・スコエノプラスム Allium schoenoprasum (ユリ科 ネギ属)
<和名:ヒメエゾネギ>
黄色とクリーム色の花はクマノアシツメクサの仲間




咲き乱れる花園を行く




プリムラ・ファリノサ Primula farinosa (サクラソウ科 サクラソウ属)
<和名:ヨウシュサクラソウ>





サクシフラガ・パニクラタ Saxifraga paniculata (ユキノシタ科 ユキノシタ属)
<和名:ホシツヅリ>




カムパヌラ・バルバタ Campanula barbata (キキョウ科 ホタルブクロ属)
<和名:ミヤマツリガネソウ>





アンドロサケ・オブトゥシフォリア Androsace obtusifolia (サクラソウ科 トチナイソウ属)





ヴェロニカ・フルティカンス Veronica fruticans (ゴマノハグサ科 クワガタソウ属)


 


セネキオ・ドロニクム Senecio doronicum (キク科 キオン属)





ドリアス・オクトペタラ Dryas octopetala (バラ科 チョウノスケ属)
<和名:キョクチチョウノスケソウ>

 


今は使われていない避難小屋




象さんのぬいぐるみと一緒にトレッキング中の少年、
別の場所でもぬいぐるみを沢山ザックにくっつけている大人を見かけたけど、何のため??。




レウカンテモプシス・アルピナ Leucanthemopsis alpina (キク科 レウカンテモプシス属)





リシリゲンゲやアスターが咲き乱れる草原


 


花々に囲まれた贅沢なトレイルを行く

 


青紫はキキョウの仲間




雪解け水が流れる沢を横切る

 


クナウティア・ディプサキフォリア Knautia dipsacifolia (マツムシソウ科 クナウティア属)
<和名:マツムシソウの仲間>




セネキオ・インカヌス Senecio incanus (キク科 キオン属)





プセウドオルキス・アルビダ Pseudorchis albida (ラン科 プセウドオルキス属)





ゲンティアナ・プンクタタGentiana punctata (リンドウ科 リンドウ属)
・昨日は赤いリンドウに出会ったけれど、今日は黄色バージョンです。





ゲラニウム・シルバティクム Geranium sylvaticum (フウロソウ科 フウロソウ属)
<日本のハクサンフウロの仲間> 




シレネ・ディオイカ Silene dioica (ナデシコ科 マンテマ属)
<ムシトリナデシコの仲間>





アデノスティレス・アリアリアエ Adenostyles alliariae (キク科 アデノスティレス属)





トロリウス・エウロパエウス Trolius europaeus (キンポウゲ科 キンバイソウ属)
<和名:タマキンバイ>




コンバル湿原を見下ろす

  
【コンバル湿原】 対岸に地図上に表記されていない新しい小屋が建っていた。



【分岐】 右に行けばバス停La Visailleまで1647m、左に行けばエリザベッタ小屋は2168m
(注:標識は逆方向から見ています)




アストラガルス・フリギドゥス Astragalus fragidus (マメ科 ゲンゲ属)
<リシリオウギの近縁種>




リヌム・アルピヌム Linum alpinum (アマ科)




ケンタウレア・ヤケア Centaurea jacea (キク科 ヤグルマギク科)
<ヤグルマギクの仲間>





オノブリキス・ウィキイフォリア Onobrychis viciifolia (マメ科 オノブリキス属)





アクイレギア・アルピナ Aquilegia alpina (キンポウゲ科 オダマキ属)
<日本のミヤマオダマキにそっくり>





ブゲニニア・タナケティフォリア Hugueninia tanacetifolia (アブラナ科 フゲニニア属)





ゲンティアナ・ニヴァリス Gentiana nivalis (リンドウ科 リンドウ属)
とっても小さなリンドウ、種小名は「雪の」英名はSnow Gentian ってことは、花芯の部分が白いからかな?

 

 


目指すエリザベッタ小屋はまだまだ遠いです。(黄色の◯の中)

 小屋まで行くのは体力的に限界かも…暑さのせいでみんなバテバテ、
コンバル湿原周辺を散策したら引き返すことで満場一致!!
今にして思えばちょっぴりもったいない気もしているが、あの時はそれで満足だった!
ま、お花はお腹いっぱい見ることができたし。。
それにこれからもまだまだ…!!!


コンバル湿原を後に15:40のバスに乗るべく先を急ぐ。




カンパヌラ・コクレアリイフォリア Campanula cochleariifolia (キキョウ科 ホタルブクロ属)
<和名:チャボギキョウ>

青紫色のチャボギキョウに混じり、崩れそうな斜面いっぱいに白色から淡いピンク色のカスミソウの仲間が咲き乱れる

 




ジプソフィラ・レペンス Gypsophila repens (ナデシコ科 カスミソウ属)



ジプソフィラ・レペンス Gypsophila repens (ナデシコ科 カスミソウ属)





エピロビウム・アングスティフォリウム Epilobium angustifolium (アカバナ科 アカバナ属)
<和名:ヤナギラン>




エピロビウム・フライシェリ Epilobium fleischeri (アカバナ科 アカバナ属)
※小型のヤナギランって感じかな?





ロサ・ペンドゥリナ Rosa pendulina (バラ科バラ属)
<和名:セツザンバラ>




ギムナデニア・コノプセア Gymnadenia conopsea (ラン科 テガタチドリ属)
<和名:テガタチドリ>



15:20 バス停Visailleに到着、15:40発なので余裕で間に合いました。



車も入ってくるので、駐車スペースはギュウギュウ、バスはここで折り返す。



のんびりバスに揺られ、クールマイユールの町に戻ってきた。

ツール・ドゥ・モンブランの“いいとこ取り”で、グランドジョラスやモンブランをイタリア側から眺めることができたうえ、
想像をはるかに超える高山植物に囲まれ、云うことなしの二日間だった!!

明日はグリンデルワルトへの移動日、天気予報は雨マークが付いているが
今回の旅行で初めての雨天予報である。
移動日がたまたま雨天というのもラッキーとしか言いようがない! 

NO.12に続きます 

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