たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。

北岳 【南アルプス】 2014.09.10-11 <NO.1>

2014-09-28 | 南アルプスとその周辺の山

 

 

9月10日

花の名山と呼ばれる「北岳」、この山に登るのは6回目になりますが、

9月に登るのは初めてのことです。

未だ見ぬ三種のリンドウを求めていつかは登ってみたいと考えていたけれど、機会に恵まれず

つい後回しになっていました。

9月中旬は、私自身の野暮用が多く、1泊2日で動ける日にちは10と11日日のみ、

一緒に登ってくれそうな山友さん数人に声をかけましたが都合が合わず、いずれも“NO”のお返事、

いつもの私ならここですんなり諦めるのですが、今回は意気込みが違います。

相方がいないのは少し寂しいけれど、何とかなるでしょう!

ヨッシャとばかり、珍しく一人で登ってみることにしました。

6月の北岳では、かなりバテバテだったので一人旅には多少の不安はありますが、

花の引力は、不安を打ち消すだけの魔力が備わっていました。

いつもは助手席を温めるばかりのお気楽なドライブも、今回はハンドルを握る手に緊張が走ります。

朝、5時に家を出て芦安発7:50の乗り合いバスを目指しましたが、道中は意外にもスイスイで

芦安に6時35分到着です。 なんとも中途半端な時間帯…

9人揃えば乗り合いバスは出発してくれるのですが、後に続く登山客や釣り人はだれもおらず、結局

芦安で、貴重な1時間15分もの勿体無い時間を潰し、定刻の07:50、広河原に向けて芦安を出ました。

 

 8:45  広河原から望む北岳は雲ひとつない青空にくっきりとそびえていました。






ミツバベンケイソウ





ミソガワソウ




こちらのアザミは南アルプスに特産するセンジョウアザミでしょうか?





二俣が近づいてくると、乾いた秋風が肌に心地良く感じ、来てよかった!!と、気持ちに余裕が生まれます。

振り返ると鳳凰三山が雲に隠れてしまいそうな勢いで風が流れていますね!
このまま、お天気がもってくれるといいのですが…



さて、いよいよ高山植物ゾーンに突入!!、
9月も中旬だというのに、新鮮で美しい花たちがたくさん咲き残っているので
嬉しくてつい鼻息も荒くなります



イワオウギ




ハクサンフウロ

 



ハンゴンソウ




ミヤマハナシノブ





6月下旬は残雪に覆われていたけれど、さすがに残った雪は少しだけ、
雪渓登りと違って夏道だからきっと登りやすいに違いないと、今回も八本歯方面へと左俣へと進みました。


タカネグンナイフウロ




ミヤマクワガタ(アカイシクワガタ)

 

 エゾムカシヨモギ




ミヤマアキノキリンソウ





ミヤマミミナグサ





タカネヒゴタイ





ミヤマハナシノブ


ミヤマハナシノブは比較的長い期間咲き続けることは知っていましたが、
9月も中旬だというのに、これほど大量にしかも新鮮な状態で咲いているのには驚きでした。
中にはまだ蕾ばかりの株も見られ、今年はやはり特別なのではと感じました。


ミヤマハナシノブ(蕾)




イブキトラノオとハクサンフウロ




シロウマオウギ

 

タカネナデシコ




クロクモソウ




ヨツバシオガマ




咲き誇る高山植物に片っ端からご挨拶しながらの大樺沢の登りは苦しいながらも楽しさ百倍。
そう感じたのは最初だけ・・・、斜度のキツさは容赦なく、息切れで一歩進むのも難儀するほど。
アイゼンを履いた雪渓歩きより少しは楽できるかと思ったけれど、夏道でも変わりはありませんでした。




急ぐ旅じゃないし…今日中に小屋に着けばいいのだから、自分に言い聞かせながら
ゆっくり歩きます。
とはいえ、リンドウ系はお天気じゃなきゃ閉じてしまう可能性大です。
思うように動かない脚にうんざりしながら日頃の運動不足を反省します。



モミジカラマツ


左俣コースは、夏のお花がこれでもかと言わんばかりに咲き残っていて、
鈍足に拍車がかかります。
登っても登っても着かない八本歯、、梯子を登り始める頃には、ふくらはぎと腿のあたりが
次々に攣り、痛さに耐え切れず、靴を脱いでストレッチしたり揉んでみたりと大忙し…
騙し騙し、何とか八本歯に付いた時は心底ホッとしました。

最後の難関、八本歯から続く、最後の長い梯子登りきれば攣りから開放されるかも…

一歩上がるごとに左足、右足と連続で攣りまくり、、、情けなや~~~
私、梯子は大嫌いです!!



梯子の後も攣りは収まることなく続きました。



 シロバナタカネビランジ





シラネヒゴタイ






トラバース分岐で出会った方から、「芍薬甘草湯」という攣りに良く効く漢方薬を頂き、さっそく飲んでみると
これが信じられないほどの即効性があり、数分で楽になりました。

当初の予定どおりトラバース分岐にザックをデポして上の分岐までピストンするか迷ったけれど、
これまでのヘロヘロぶりからして、攣りが再発することが不安で、
素直にトラバース道を北岳山荘へと向かうことにしました。

この判断が、悲しい結末に結びつくとは…トホホ




ミヤマシャジン

ヒメシャジンの変種で萼片が全縁のものをミヤマシャジンをそうようそうなので、
萼片部分を拡大してみました。

キタダケトリカブト






タイツリオウギ




ハハコヨモギ




キタダケキンポウゲ?


目指す北岳山荘まであとわずか…

 


タカネシオガマ




タカネイブキボウフウ




イワインチン




キンロバイ




イブキジャコウソウ




ミネウスユキソウ




チシマギキョウ




シナノオトギリ



タカネヤハズハハコ





ヨツバシオガマ




タカネヨモギ





タカネコウリンカ



トラバース道は秋とは思えないほどの色とりどりの花が咲き乱れていました。






疲れたけれど、明日に期待し今日はゆっくり山荘で体を休めることにしましょう!

受付を済ませ、指定された部屋は「間ノ岳」という大部屋で男女混合です。

9月は平日でも登山客が多いとみえてかなり混み合っていました。

それでも一人一枚のお布団を使えるので有り難いです!

6月は単独の女性と二人で中部屋を贅沢に使わせていただきましたので

あわよくば今回もと、好待遇を期待した自分に喝をいれました



さて、お腹が空いたけれど夕食までガマンガマン、

いつもの私なら、おやつをパクパク、ビールをゴクゴクと豪快にいく所ですが、

一人だし何となく気分が乗らないので、夕食まで間、布団にくるまって横になっていました。

先ほどから、頭痛を感じていたのですが空腹のまま頭痛薬を飲むと胃に負担がかかるので

食事の後にお薬を飲むことにして、とりあえず横になっていたのでした。

これほどハッキリした高山病の症状が出ているのに…

私、高山病を甘くみていました。

その後、楽しみにしていた夕食は一口も喉を通らず、

お決まりの吐き気と頭痛に一人で、もがき苦しむことになろうとは。。。

夜中まで苦しんだけれど、いつしか薬が効いてきたらしく、浅いながら眠りについいたようでした


明日までに回復してほしい…

NO.2 に続きます。



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