大谷選手と国民栄誉賞(2021.11.25日作)
大谷選手 国民栄誉賞辞退
賢明な選択
大谷選手に限らず 過去
イチロー選手 福本選手
辞退している なぜ ?
当然の事だ 彼等は
栄誉を求めて 野球をしている訳ではない
彼等が目指しているのは
その道に於ける最高境地 かつて
誰もが為し得なかった境地を目指しての 挑戦
自身の技を磨き 心を磨き
最高境地に挑戦する その
最高境地 彼等が目指している境地に
一歩 一足でも近付き得たと思えた時
彼等の心には 真の喜び 達成感が生まれる
自身としての満足感に満たされる はずだ その喜びは
他者の与え得るものではない ましてや
国家などが関与出来るものではない 国家による
一つの栄誉 一つの勲章 その授与 彼等に取っては
心の自由 精神集中 行動の自由 自在な自身の動きを
束縛する 一本の太いベルト 堅い帯 に 他ならない
一本の 太いベルト 堅い帯 彼等が拒否するのは 当然
一つの仕事を為し終えた 一つの成果を残し得て 今は引退
静かな余生を生きている そんな人達 現役 現場を離れ
功なり名を遂げた そんな人々への栄誉の賞 勲章なら いざ知らず
今を 生きる 懸命に今を生きている その者達への授与など
百害あって一利なし 余計なお世話 今はただ
静かに 黙って じっと見守るべし
下手な口出し 国家の売名行為 国家としての 権威付け 便乗行為
そう 受け取られても仕方がない 国家 政治は
極力 黙って静かに見守り 国民 一人一人 誰もが
自由に生きられる そんな世界を目指して 無言の努力
無言の援助に努めるべきだ 見えない所で真摯に生きる
真摯に生きて 豊かな業績 成果を為し遂げ得たそんな人達
隠れた人達 その人達への豊かな目配り それこそが
国家の為すべき仕事 その人達の発掘 それこそが
国家の仕事
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岬
または
不条理(2)
「いったい、あなたは、わたしにどうしろって言うんです。何をしろというんです。見ず知らずのわたしに。この前、ちゃんと断っているはずですよ」
男は、三津田が明らかに激していると分かるにも係わらず、些かも取り乱した様子を見せなかった。
「いえ、別に大した事ではないんです。極めて簡単な事なんです」
男は静かに言った。
「あなたに取っては大した事ではなくても、わたしに取っては迷惑至極な事ですよ。いい加減にして下さいよ」
三津田はそう言い放すと男から顔を背けた。
「それは突然、こんな事を申し出るのは失礼で迷惑な事だとは分かっています。でも、わたし共としましては是非、社内でも優秀社員として通っているあなたのお力を借りたいと思った訳なんです」
「それは突然、こんな事を申し出るのは失礼で迷惑な事だとは分かっています。でも、わたし共としましては是非、社内でも優秀社員として通っているあなたのお力を借りたいと思った訳なんです」
「じゃあ、いったい、わたしに何をしろって言うんです。伺いましょう」
三津田は改めて腹をくくったように男を振り返ると強い口調で言った。
「そうですか。そう言って戴くと有り難いです」
「でも、話しを聞いたからと言って、わたしがそれを引き受けるとは限りませんよ」
三津田は機先を制して言った。
「それは、あなたのお気持ち次第です。あなたが、どう御判断されようとわたし共には関係ありません」
男は言った。
「ちょっと、待って下さいよ。わたしの気持ち次第と言うなら、わたしは、はっきりと断っているんですよ。それをあなたがしつこく言って来る。いったい、どういう事なんです」
三津田には男の言う事の真意が測りかねて、改めて湧き起こる不穏な疑問と共に言った。
「どういう事でもありません。ただ、わたし共としましては、是非、あなたにお力を借りたいと思っているだけなんです」
男は言った。
「やっぱり、お断りします。あなたの言ってる事は全く滅茶苦茶で、筋が通らないじゃないですか。そんな訳の分からない仕事になど、手を出したくはありません」
三津田は言った。
「いえ、そうおっしゃらずに話しだけでも聞いて戴けませんか」
「いえ、お断りします。もう、二度とわたしには近付かないで下さい。こんな話しなど持ち込まないで下さい」
三津田は怒りを含んだ声で男を突き放した。
その時ちょうど、五、六人の賑やかな集団がドアを押し開けて店内に入って来た。
店内は一気に賑わい、騒がしくなった。すると男は、まるで、その賑わいを避けるかのように、
「では、わたしは今日はこの辺で」
と言って、慌しく会計を済ませると店を出て行った。
「今の方、お知り合い ?」
ちょうどカウンター内に戻って来たママが三津田に聞いた。
「いや、知らない男だ」
三津田はなんとなく昂ぶった気持ちのままに不機嫌に言った。それから何故、男がこの店にいたのか気になって聞いた。
「あの男、よくここへ来るの ?」
「そうね、最近二、三度、来ていたかしら」
ママは言った。
三津田には全く、不可解な事だった。男が何故、これ程までにしつこく纏わり付いて来るのか ?
或いは、ヤクザか何かの後ろ暗い組織が、目先をくらます為に何かの仕事で、全くその組織とは関係のない誰かを利用しようとしているのだろうか ?
よく考えてみると、そうとしか思えなかった。その誰かが、たまたま、自分に当ってしまった。それ以外には考えられなかった。
しかし、そう思ってみても三津田には、次にどうすべきなのかは、思いも浮かんで来なかった。警察沙汰にはするのにも、なんとなく厄介な事に巻き込まれそうな気がして、気が進まなかった。
その夜以降、三津田の日々は再び、不穏な空気に包まれた。しかし、三津田は今度は妻の時子には話さなかった。総てが曖昧なままで、三津田自身、何をどのように判断したらいいのか分からなかった。ただ、ぼんやりした不安だけが三津田の日常を取り巻いていて、日々の中でのふとした小さな出来事に訳もなく怯えたりしていた。
男からの電話が自宅へ掛かって来たのは、五日経ってからの夜だった。
「三津田さんでいらっしゃいますね」
男は三津田の答えた言葉に対して改めて確認するようにそう言った。
「そうです」
三津田は最初、それが男の声だとは気付かなかった。直接に聞く声とは少し違った、野太い声のように聞こえた。
「如何でしょう。この前のお願い、決心していただけませんか」
やはり男は、静かな声で言った。
三津田は息を呑んだ。男がまた現われた。
「いえ、お断りします。今、忙しいんです」
三津田はそう言うと乱暴に受話器を置いた。
居間には妻の時子も一緒にいた。三津田が緊張した声で乱暴に受話器を置くのを見て、
「どうしたの ?」
と、心配顔で言った。
「この前、話したろう。あの男だ」
三津田は下手な隠し立ては出来ないと思って率直に言った。
「何か用事を頼まれてくれって言った人 ?」
「うん」
「まだ、なんとか言って来るの ?」
時子もさすがに不安げな顔になって眉を曇らせた。
「うん」
三津田にはそれ以上に答える言葉が見つからなかった。妻や子供達には余計な心配をかけたくないという思いが強かった。
「しつこく言って来るの ?」
「うん」
「警察に電話をしてみたらどうかしら ?」
時子は三津田の沈み込んだ顔を見て言った。
「うん」
と三津田は言ったが、やはり、すぐには決断が着きかねた。
なるべく、総てが穏便に収まってくれればいいという思いだけが強かった。
取り合えず、今しばらくは様子を見てみようという事で話しは付いた。
三津田は自身の身辺に気を配る事は勿論、怠らなかったが、妻にも子供達にも、日常、充分に気を突けるうに言っておいた。
「どうして ? 河原のグランドて野球をしても駄目なの ?」
勝は不満気に言った。
「悪い人が子供をさらっていくのがはやってるんですって」
妻の時子は子供達に言い聞かせていた。
家庭内には厳しい雰囲気が漲っていた。子供達はさすがに、そこまでは知らなかったが妻の時子は三津田と同じように日々の暮らしに細心の注意を払うようになっていた。
三津田自身、眠れない日もあった、このなんとも得体の知れない出来事がどのように進んで、どのような決着をみせるのか、相手の言っている事が皆目、理解出来ない事だけに、不安は増すばかりだった。そしてまた、電話があったのは、十日以上が過ぎた夜の事だった。受話器を取ったのは時子だった。
「どちら様ですか ?」
と言った時子の声には鋭い棘が感じられた。
夜の九時過ぎに知り合いからかかって来る電話はほとんど無かった。前回の事から察して時子は、あらかじめ相手を推測したらしかった。
三津田は受話器を握った妻の姿を固唾を呑んで見守った。
「主人になんの御用でしょうか。はっきり、おっしゃって下さい」
日頃の妻は、気丈には程遠い女性だった。どちらかと言えば、引っ込み思案な性格とも言えた。その妻が電話口で相手に向かって、食って掛かるような口調で話していた。少し離れた場所でテレビを見ていた三津田には無論、相手の言っている言葉など聞こえるはずはなかった。
「卑怯です。名前も用件もおっしゃらないで、まるで脅迫めいた電話を掛けて来るなんて、いったい、どんな心算なんですか。はっきり、おっしゃつて下さい」
三津田はいつの間にか立ち上がって妻のそばに寄り添っていてた。
「名前もおっしゃれないんですか。名前と用件だけでもはっきりとおっしゃって下さい」
強行に食い下がる妻から三津田は電話を取ると、
「いい加減にしろよ。何度、下らない電話を掛けて来ても駄目なものは駄目なんだ。警察に訴えるぞ」
受話器に向かって怒鳴った。
「分かりました。これが最後ですので、どうか、はっきりとした御返事を下さい」
相手の男は突然、三津田の声に変わった事にも驚いた様子はなかった。静かな声で言った。
「何度言っても同じ事だ、断る。訳も分からない仕事など、誰がするって言うんだ。人をバカにするにも程がある」
三津田はそう言うと音をたてて受話器を置いた。
三津田が電話を離れてソファーに戻った時、再び電話がなった鳴った。
三津田は受話器を取らなかった。
電話はまるで生き物でもあるかのように、暫くは鳴り続けていた。
二
時子はやはり、警察に訴えるべきだと言った。
三津田にはそれでもためらうものがあった。
警察がそれを犯罪として動いてくれるだろうか、という疑問が依然として、拭い去れなかった。確かに、悪戯電話というだけの犯罪なら動いてくれるかも知れない。だが、相手は嫌がらせの為に電話をして来ているだけではない事は明らかだった。何かの目的があるのだ。それが何も分からない、それが不気味だった。
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桂蓮様
有難う御座います
お写真拝見しました
牛馬なみ 人間トラック
でも なんとなく楽しそうな雰囲気が伝わって来ます
さすがアメリカ 日本のようなちまちました庭とは
格違い 作業の大変さが偲ばれますが でも また
季節季節の移ろい 変化もより多く 楽しめるのでは
ないでしょうか 是非また このようなお写真 掲載
して戴きたいものです
二つの御文章拝見しました とても良い文章だと
思います おっしゃるとおりです
わたくしに取っては過去 思い出は苦痛の海です
過去が美しいなどと わたくしにはとても言えません
未熟な自分 傲慢だった自分の姿だけが思い出されて
心が痛みます あの事 この事 過去に帰れるものなら
償いたいです
人生 あまり無理をせずに 自分の心 身体に
正直に それでも真摯に自身の人生に向き合って
生きてゆければ それが最高ではないでしょうか
とても良いブログを拝見させて戴きました
有難う御座います
takeziisan様
有難う御座います
今回も素晴らしい写真の数々 堪能しました
並木の写真 どれもが秋そのもの 美しいです
それにしても お近くにこのような自然があるのには
羨望の思いです わが家の近くにもそれなりの公園が
ありますが このように見事な景色は現出されません
ダイサギの写真もいいですね
キウイ 畑作業 羨ましい限りですが もう
わが身には無理な仕事と思います それにしても
お元気 水泳のせいですかね
車の運転 気を付けて下さい わたくしは車の
運転が出来ません もっぱら他人任せです
秋 随分 詩を書いていらっしゃいますね
お若い頃のロマンティックな御様子が偲ばれます
前回 詩を拝見して 書こうと思ったのですが
失念してしまいました
毎回 数々の美しいお写真 堪能させて戴いて
おります
有難う御座いました