MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『マンザイ太閤記』

2014-11-13 00:05:45 | goo映画レビュー

原題:『マンザイ太閤記』
監督:沢田隆治/高屋敷英夫
脚本:城山昇/高屋敷英夫/鈴木良武/伊東恒久/吉田喜昭/山崎晴哉
撮影:結束義博
出演:ぼんちおさむ/里見まさと/島田紳助/松本竜介/島田洋七/島田洋八/笑福亭仁鶴
1981年/日本

 「コマネチ」が無いギャグ映画について

 当時流行っていた出演者たちのギャグを取り入れたストーリー展開は、当時は面白かったのかもしれないが、今改めて観なおしてみると全くギャグが弾けておらず、ビートたけしは吉本所属ではないので本作に参加していない。しかし「本能寺の変」の解釈は独特で、落成祝いに贈ったにも関わらず、ホトトギスと見分けがつかない織田信長に「ウグイス坊や」を殺され恨みを持った明智光秀が「我が敵は本能寺にあり」と叫び自軍と共に本能寺へ向かうのであるが、実は既に本能寺は信長が自分が槍を持って「敦盛」を舞っていた時に、ロウソクを倒したことによる失火で炎上しており、そこにたまたま居合わせた森蘭丸に見つかって犯人扱いされたのである。
 その悲報を聞きつけた豊臣秀吉の軍隊が京都に駆けつけ、天王山で明智光秀の軍と対峙することになる。秀吉に捕えられた光秀は「今捕まってたまるか。このままやったらな、わいが殿殺しの張本人にされるんや。わいは天下を取って正しい日本史を書き直すまでは死ねんのや」と語る。このように歴史の「記録」を巡る考察は現代の時代劇においては欠かせないテーマであるはずで、『蜩ノ記』(小泉堯史監督 2014年)に欠けている視点なのである。
 因みにねねから貰ったプレゼントを開ける時に藤吉郎が口ずさむ歌は布施明の「開けてみれば愛」。


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