原題:『母性』
監督:廣木隆一
脚本:堀泉杏
撮影:鍋島淳裕
出演:戸田恵梨香/永野芽郁/三浦誠己/中村ゆり/山下リオ/高畑淳子/大地真央
2022年/日本
「芝居がかった」時代について
どうも時代設定がいつなのかよく分からないのだが、主人公の田所ルミ子の夫で、娘の清佳の父親の哲史は全共闘世代らしいから昭和なのかもしれない。そうなるとルミ子の実母の露木華恵と義母のエキセントリックさが何となく理解できる。要するに彼女たちは戦争体験者の世代で、女性に対する目線が厳しいのである。冷静に考えるならば、家が炎に包まれた際に、ルミ子と華恵にあれだけ会話する余裕があるのならば、素早く清佳をルミ子に預けて華恵自身も助かる手立てを考えればいいのであって、わざわざ首を切って自殺することなどないのである。
ルミ子の義母も先代にいじめられた経験も手伝ってルミ子に厳しく当たったのだろうが、どうもこれは「母性」の問題というよりも「横溝正史的」な「芝居がかった」時代の問題だと思うのである。
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