原題:『川っぺりムコリッタ』
監督:荻上直子
脚本:荻上直子
撮影:安藤広樹
出演:松山ケンイチ/ムロツヨシ/満島ひかり/江口のりこ/柄本佑/田中美佐子/緒形直人/吉岡秀隆
2022年/日本
「骨壺映画」のあり方について
『マイ・ブロークン・マリコ』(タナダユキ監督 2022年)や『アイ・アム まきもと』(水田伸生監督 2022年)も含めて本作を「骨壺映画」と呼びたくなるほどに、何故今日本映画において骨壺が「渋滞」しているのかよく分からないし、『マイ・ブロークン・マリコ』同様に主人公の山田たけしのバックグラウンドも父親との不仲という以外にはっきりしないものの、川辺に山のように積まれている電話の残骸によるディスコミュニケーションの暗示の中、冒頭でたけしが入居したアパートの自室で風呂上りに飲む一杯の牛乳が、やがてたけしの父親も同じような習慣を持っていたことが明らかになり、途中で大家の南詩織が癌で亡くなった夫の骨をかじったり、詩織が乗ったタクシー運転手が散骨の話をしたりしながら、たけしも父親の遺骨をハンマーで壊したりした挙句、最後にたけしの父親の葬式においてたけしが父親の遺灰を撒くシーンに至るまでの液体から固体に変化した「カルシウム」を何故かみんなが必死になって灰にすることで自然に還そうとする描写の仕方は、映画の面白さとは別に評価するべきだとは思う。
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