MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『浅田家!』

2020-11-26 00:59:03 | goo映画レビュー

原題:『浅田家!』
監督:中野量太
脚本:中野量太/菅野友恵
撮影:山崎裕典
出演:二宮和也/妻夫木聡/黒木華/菅田将暉/風吹ジュン/平田満/渡辺真起子/野波麻帆
2020年/日本

写真を撮るという動機の「強度」について

 主人公の浅田政志は写真専門学校で優秀な成績で卒業するものの、その後は定職に就くこともなく3年経過した後に、自らも含めてコスプレさせた自分の家族を撮ることで木村伊兵衛写真賞を獲ることで写真家として家族写真を主に生計を立てることになるのだが、東日本大震災を機に、被災者たちの写真を「洗う」ボランティア活動を始め、写真を「撮る」ことができなくなるのである。
 ここまでのストーリーの流れは悪くない。ところが写真を「洗う」ことから「撮る」方へ復活するきっかけとなったのが被災で父親を亡くした女の子の内海莉子の母親と妹の3人の写真を撮ることだったのだが、どうも動機が弱く、浅田の作風が変化したということもないので説得力がないと思う。それは政志が最初に使っていたカメラが「ニコン(Nikon)」だったのに仕事では「ペンタックス(Pentax)」を使用しており、その違いが分からないくらいにあやふやなのである。


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