古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

山頭火と牛田展 10.3(火)~今日から

2017-10-03 08:06:29 | カフェ、ギャラリー
とうとう始まります、山頭火と牛田展。



今回は作品にしている句からご紹介してゆきたいと思います。



陽のある方へ漕いでゆく



希望に向かってひたすら進んでゆきたいという、気もちが表れて




いるようで、すがすがしささえ感じる句です。僕もこのようにあ



りたいと思います。



はてしない旅もをはりの桐の花




これは、延々と続くかに思える人生もいつか終わりを迎え、そのときには




きっと桐の花のようなきれいな景色が広がっていることだろうという、人



生に対する感慨を歌ったもののように僕には感じられます。実際に、山頭




火は旅していたわけで、それを指しているのでしょうが、普通に暮らして



いたって生きてるだけでそれは旅しているようなものです。なにも旅だけ



が旅ではないのです。精神の持ちようでいかようにも旅することができるの



だと僕は思います。



今回の最後は、



こんやはここで涸れてゐる水



溢れ出る泉が枯れていたのでしょうか。こんや、水が枯れているために



一掬いの水さえ飲むことができないという、切なさ、哀しみを表してい



るように思えます。また、今日はいい句が作れなかった、という才能が




枯れてしまったのではないか、という不安をも表してるのでしょうか。



なにかもの悲しい、それでいて、未来に対する希望を切に願っている姿も




想起される句です。



それらの句が、鶴岡たかの手により、柿渋と藍染の技法で、生き生きと



表現されています。



その句の世界観を楽しむもよいでしょう。山頭火自身の人生を想うのも



いいかもしれません。言葉には魂が宿ると言いますが、たしかに、字に表現



されたことで新たな魂が吹き込まれたように僕には感じられてきます。














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