
異なる事務所の電話をVPN+NVR500経由で本部の内線電話に統合
こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。
今日は、事務所にある電話回線を、異なる場所で発着信可能にする例を紹介します。
NTTの電話番号は、電話帳で住所情報に紐付いています。とはいえ、中小規模の事業所では、事務所が複数箇所にあっても、電話を取るために人を配置することは少なくなりました。そのため、留守の際はNTTの転送サービスであるボイスワープを使って、携帯や本社など電話を受ける人がいる場所に転送します。
これで、一件落着のように見えますが、折り返しの電話をする際には「転送先の電話番号」が通知されます。これが意外とやっかいです。なぜなら、電話をかけた側が「直通電話」として、折り返しの電話番号を電話帳に記録し、直接転送先に電話することがあるからです。この電話番号でカーナビの目的地に設定したり、運送関係で連絡先に書いたりすると、誤った住所に到着することになります。
このような、混乱を防ぐためには「転送先から電話しても、発信者番号は転送元の番号を通知する」ことが必要です。
■事務所に置かれたNVR500の例
ここの事務所は小規模なので、ひかり電話A(エース)の契約を、ヤマハNVR500x2台で電話三回線とFAX一回線を収容しています。しかし、日中は営業外出のため事務所に人はいません。これまでは、携帯電話に転送していましたが、打合せ中は電話に出ることができません。そこで、VPNで繋がっている本部の総務部門まで、この回線をIP延長し、本部の内線システムに統合して、本部でも発着信できるようにします。

写真は設置調整中の状態。
匠技術研究所ではヤマハNVR500を使って電話回線をIP化し、事務所間をつなぐVPN網をつかって「電話回線を延長」して、事務担当が常駐する事務所の内線システムにつなぎ込むことを実現しています。内線ボタンに転送元の電話回線が「直収」されるので、そのボタン(回線)からの発信は、転送元の電話番号が通知されます。
この仕組みは2003年頃に、クリーンルームのあるビル内に分散する事務所のLAN経由での電話回線延長と電話システム統合を実現するために実装し、長年無事故で運用しました。
近年は、同様の方法を、複数事業所の電話受付業務を一箇所に一元化し、お客様に混乱を与えること無く電話対応するために使っています。
これまでの経験では、ノイズ混入の経験はありません。
VPN区間の実速度が出ていない可能性がありますね。