LANの障害対応を行いました。今回は「全社ネットワークが止まったようだ」との相談。結果はWi-Fiルーターがいつの間にか誤配線で設置されたことでした。
工場出荷状態のWi-Fiルーターの「LAN側を既設ネットワークにつなぐと確実に障害」になります。
理由は、異なるIPアドレスを振り出すDHCPサーバーが、同一LANに二つ存在することになり、PC側が正しいDHCPサーバーからIPを受け取れないことが発生するのです。
正しいDHCPサーバーからIPを受け取ったPCは正しく動きますが、誤接続したWi-FiルーターからIPアドレスを受け取ったPCはネットに抜けません。もともと誤接続したWi-Fiルータは「HUB/スイッチ」と誤解していると思います。既設のLANにアクセスポイントを追加したかったのでしょうか。
一般に、既設のLANにアクセスポイントを追加したい場合は、Wi-Fiルーターを「ブリッジ・モード」で使い、DHCPサーバー機能を停止します。ひと手間かかるわけです。
でも、多くの方はその区別は判りません。おそらく「HUBとして繋げばよいのかな?」という感覚で「LAN側につなぐ」のでしょう。
そうすると、確実に障害が起こります。くれぐれもご注意ください。
「突然ネットが使えなくなった」ときには、Wi-Fiルータの追加の有無を確認します。
今回は、通信できないPCに振られたIP情報に加え、通信関連情報からDHCPサーバーのMACアドレスを割り出し、そのMACからメーカー名を明確にして、誤接続のWi-Fiルーターを見つけ出しました。
一方、誤接続のWi-Fiルーターの管理画面に接続し「正しくネットに接続できないIPを振り出している状況」も確認。物理的に発見できない場合は、DHCPサーバを止めてしまえば、一応の回復ができるところまで準備しました。
結局は、誤接続機は既設LANから切り離し、利用を停止しています。
このような複合的な要因で発生する障害は、原因確定に長い時間がかかります。これまでは、病院、介護施設や公共機関で同様の障害を経験しています。
企業ネットワークの部分障害の状況と理由、解決方法を共有します。こんごもだんだん紹介していきます。