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「ルノワール 小学館アーカイヴス 西洋絵画の巨匠」

2021年08月20日 09時22分40秒 | 読書(絵画)


「ルノワール 小学館アーカイヴス 西洋絵画の巨匠」


↑『ポン・ヌフ」・・・一番好きなルノワール作品
「三銃士」では、この橋でダルタニアンとロシュフォール伯爵が出会う。
(「三銃士」ファンなので、昔この橋を訪問した際、感慨深く感じた)
上の絵では、きれいな橋のように見えるが、当時、ゴミと犬の糞だらけだった、と聞く。 ルノワールが美化して描いたのだろう。

↑『シャルパンティエ夫人と子どもたち』
左が長女のジョルジェット、中央が息子のポール・・・当時、男の子は5歳になるまで、女の子の格好をさせるのが一般的。長女が乗っている犬は高額、らしい。シャルパンティエ夫人がこの絵を見る人に披露したいものが、犬をはじめ緻密に網羅されている。(現代では、インスタグラムにアップする際、投稿者が、緻密に計算して画面を配置し、アピールするのに通ずるものがある)

こちら長女のジョルジェットの写真・・・写真より絵の方がやわらかい感じで良い・・・こちらも美化されている、と。
マネとモリゾの娘ジュリー・・・彼女が16歳の時に母が亡くなると、ルノワールは後見人となり、結婚するまで面倒を見たそうだ。(猫の表情がいい感じ)

PS【シャルパンティエ婦人の娘について追加情報】
この一家は没落して、ルノワールの絵も競売にかけたそうだ。

愛犬の背に乗り、弟を見つめていたジョルジェットは、すでにこの絵の母の年齢を越えていた。彼女は何を思っていただろう。物心つくころから緩やかに没落していった我が家。反比例するごとく世界的大画家に上りつめたルノワール。複雑な思いがあったに違いない。一方でしかし、売れない貧乏画家の才能を見出した両親の審美眼と、ルノワールの絵筆によって永遠の命を与えられた自分たちを誇りに思ったのではないだろうか。
「中野京子と読み解く運命の絵」よりP221

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