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「最新アルパインクライミング」菊地敏之

2019年03月09日 21時33分46秒 | 読書(山関係)


「最新アルパインクライミング」菊地敏之

右上するラインを登るとき、ゲートを左にする。
左上するラインを登るとき、ゲートを右にする。
どうしてか?
なんとなく感覚でセットしていたヌンチャク。
ウィップフラッシュ現象とは何か?
きちんと図解で説明してくれる。
読んでみて。

P53
メーカーによれば、固定されたナイロンロープの上を別のロープが数メートル流れただけで、固定された方のロープは一気に溶融点に達し切断するとのことだ。

P68
そのような所(前傾やハング)ではロープを急激に止めるとクライマーがロープに惹かれて壁に叩き付けられる可能性がある。
(中略)
「ロープを流す」という言葉が復活したものと思われる。
(中略)
しかしながらこの場合の「制動」は、昔のものとはそのやり方が決定的に違っている点に注意したい。それは要するに、ロープは「流す」のではなく「しっかり止め」、しかしビレイヤーが体を浮き上がらせる、あるいは軽く持っていかれることで衝撃を緩和する、というものだ。(言葉ではっきり説明されて納得。私はATCが普及する前=93年頃には意識的に行っていたと記憶する。周りもそうしていた、と思う。)

どんな時に破断が発生するか?
下図はゲートの向きにより、カラビナが横を向く場合がある、と。ハンガーに引っ掛かる場合もある、と。

下の図はウィップフラッシュ現象による破断。
ゲートの向きが重要…読んでみて。


下の図は、ワイヤーゲートの問題点について。
軽いカラビナはボルトハンガーに乗りやすい。


下の図は、各種ビレイディバイスの使い勝手について。
マルチをする場合、重要な問題。


【誤植】
P25
ハンス・フリーリン
 ↓
ハンス・フローリン
著者は校正の資格をお持ちと聞いている。
菊地敏之さんの作品で誤植があるのは珍しい。

【おまけ】
イラストを描かれているのが著者の奥さん。
昔、岩場に二人で来られているのを、お見かけしたことがある。
イラストレーターとは知らなかった。

【本書とまったく関係のない、おまけのおまけ】
関西の夫婦は、どうして岩場でケンカするのだろう?
関東のカップルが、大声で夫婦喧嘩をしているのを、見たことがない。
(その代わり、いきなり別れるらしい、と聞いたけど…一長一短か?)
本書とまったく関係ない話を書いて申し訳ない。

【ネット上の紹介】
大好評『最新クライミング技術』の続編&最新技術の決定版。クラック&ナチュラルプロテクション、ビッグウォール、アイスクライミングを軸に、新しいアルパインクライミングの技術と本質に迫る。
1 アルパインクライミング概説
2 ロープアクセス
3 クラッククライミング
4 ビッグウォールクライミング
5 冬期登攀
6 レスキュー技術

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