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「氷室冴子とその時代」嵯峨景子

2019年12月17日 20時22分48秒 | 読書(伝記/自伝/評伝)
「氷室冴子とその時代」嵯峨景子

2008年6月、51歳で亡くなられた。
1980年「クララ白書」以降、ずっとリアルタイムで読み続けた。
本書を読むことで、1980年から1990年代まで自分の過去を振り返ることになった。
あの本を読んだときは、こんなことを考えてたなぁ、あんなことをしてたなぁ、と。
本当に、「長生きしてたら・・・」、と惜しまれる作家だ。

私→あたし
P82
一人称が「あたし」に変わるのは、シリーズ二作目の『クララ白書ぱーとⅡ」以降である。

P84
『クララ白書』は発売から1ヵ月で重版する。

荻原規子さんの言葉
P304
今でも記憶に残るひとことは、氷室さんが、
「『空色勾玉』を読んだとき、私も自分の一番書きたいことを書こう決心した。だから、何が何でも『銀の海 金の大地』を書くことにした」(残念なことに、私は「空色勾玉」をリアルタイムで読んでいない・・・悔やまれる)

近藤勝也さんの言葉
P276
『海がきこえる』がなかったら、たぶん『耳をすませば』はなかったと思う。

1994年『なんて素敵にジャパネスク』新装版のあとがき
P329
もし今の私が『ジャパネスク』のようなものを書くのであれば、主人公をキャリアウーマンの女房に設定しただろうと述べる。

【誤植】
P198
あんなたち→あんたたち
P235
こいう→こういう

【ネット上の紹介】
この本を開けば、氷室冴子にまた会える。知人への取材や新たに見つかった資料、入手困難な雑誌の掲載記事まで徹底調査。少女小説家だけではない、多彩な活動に光を当てたファン必読の一冊。本書初公開、氷室冴子が学生時代に執筆した少女マンガ論「少女マンガの可能性」の手書き原稿収録!
第1章 氷室冴子以前―文学と少女マンガの揺籃期
第2章 作家デビューから『クララ白書』まで
第3章 マンガ原作の仕事と初連載『雑居時代』
第4章 一九八三年・八四年にみる多様な作品群
第5章 『なんて素敵にジャパネスク』と少女小説ブーム
第6章 男の子の行方―氷室冴子の少年主人公小説
第7章 少女小説から離れて―エッセイと一般小説の仕事
第8章 イメージから生まれた物語―『海がきこえる』
第9章 古代への情熱―『銀の海 金の大地』
第10章 氷室冴子は終わらない―九〇年代後半以降から
附録―「少女マンガの可能性」
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