「氷室冴子とその時代」嵯峨景子
2008年6月、51歳で亡くなられた。
1980年「クララ白書」以降、ずっとリアルタイムで読み続けた。
本書を読むことで、1980年から1990年代まで自分の過去を振り返ることになった。
あの本を読んだときは、こんなことを考えてたなぁ、あんなことをしてたなぁ、と。
本当に、「長生きしてたら・・・」、と惜しまれる作家だ。
私→あたし
P82
一人称が「あたし」に変わるのは、シリーズ二作目の『クララ白書ぱーとⅡ」以降である。
P84
『クララ白書』は発売から1ヵ月で重版する。
荻原規子さんの言葉
P304
今でも記憶に残るひとことは、氷室さんが、
「『空色勾玉』を読んだとき、私も自分の一番書きたいことを書こう決心した。だから、何が何でも『銀の海 金の大地』を書くことにした」(残念なことに、私は「空色勾玉」をリアルタイムで読んでいない・・・悔やまれる)
近藤勝也さんの言葉
P276
『海がきこえる』がなかったら、たぶん『耳をすませば』はなかったと思う。
1994年『なんて素敵にジャパネスク』新装版のあとがき
P329
もし今の私が『ジャパネスク』のようなものを書くのであれば、主人公をキャリアウーマンの女房に設定しただろうと述べる。
【誤植】
P198
あんなたち→あんたたち
P235
こいう→こういう
【ネット上の紹介】
この本を開けば、氷室冴子にまた会える。知人への取材や新たに見つかった資料、入手困難な雑誌の掲載記事まで徹底調査。少女小説家だけではない、多彩な活動に光を当てたファン必読の一冊。本書初公開、氷室冴子が学生時代に執筆した少女マンガ論「少女マンガの可能性」の手書き原稿収録!
第1章 氷室冴子以前―文学と少女マンガの揺籃期
第2章 作家デビューから『クララ白書』まで
第3章 マンガ原作の仕事と初連載『雑居時代』
第4章 一九八三年・八四年にみる多様な作品群
第5章 『なんて素敵にジャパネスク』と少女小説ブーム
第6章 男の子の行方―氷室冴子の少年主人公小説
第7章 少女小説から離れて―エッセイと一般小説の仕事
第8章 イメージから生まれた物語―『海がきこえる』
第9章 古代への情熱―『銀の海 金の大地』
第10章 氷室冴子は終わらない―九〇年代後半以降から
附録―「少女マンガの可能性」
第2章 作家デビューから『クララ白書』まで
第3章 マンガ原作の仕事と初連載『雑居時代』
第4章 一九八三年・八四年にみる多様な作品群
第5章 『なんて素敵にジャパネスク』と少女小説ブーム
第6章 男の子の行方―氷室冴子の少年主人公小説
第7章 少女小説から離れて―エッセイと一般小説の仕事
第8章 イメージから生まれた物語―『海がきこえる』
第9章 古代への情熱―『銀の海 金の大地』
第10章 氷室冴子は終わらない―九〇年代後半以降から
附録―「少女マンガの可能性」