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「愚か者、中国をゆく」星野博美

2023年12月29日 11時13分38秒 | 読書(台湾/中国)


「愚か者、中国をゆく」星野博美

久しぶりの読み返し。

P133・・・西安・解放路餃子館
「こんな小さな餃子はいままで見たことがありません。まったく用意ではありません」
「この店はすべてが餃子ですからね。西太后もこの小さな餃子が好物だったそうですよ」

天安門事件・・・通称「六四」について
P318-319
1989年の天安門事件が大きな分岐点だったのだろう。
改革解放政策の自由な空気に触発されて民主化要求が一気に高まり、それが弾圧されたのが天安門事件だった。この一件を通して人々は、政治的自由を主張しない限り、経済活動の自由は保障する、という政府の強い意志を感じとった。そして心の中に開かずの間を作っていいたいことを封印し、経済活動に邁進してきたのだ。天安門事件が改革解放政策をより一層推し進める拍車となったということもできるだろう。

P330
私は中国を「学習」したかった。しかし学習しても学習しても、中国の変化のスピードについていけない。(中略)中国に関する報道を目にする時、また実際中国へ行った時、無性に悲しい気持ちになるのは、自分が変化のスピードについていけないことを自覚してしまったからだろう。
しかし同時に思うのは、中国全土でどれだけの人が同じような落伍感を味わっているだろう、ということだ。その落伍感が高まった時が私は怖い。
なぜなら、中国では何かが起きる時、徹底的に、破壊的に起きるからである。


星野博美さんは1966年(丙午)生まれ。
本書は、著者が大学生の時の記録。

時代背景を整理しておく。
①1986~1987年「愚か者、中国をゆく」(香港~烏魯木斉)・・・2008年出版
②1992~1994年「謝々!チャイニーズ(華南、南中国海岸線沿い)・・・1996年出版
③1996~1997年「転がる香港に苔は生えない」(返還前後の香港)・・・2000年出版
実際の旅と発表された順番は合わない。

【ネット上の紹介】
交換留学生として香港に渡った著者は、一九八七年、アメリカの友人、マイケルと中国旅行に出る。中国社会が大きな転換期を迎えたこの時期に、何を感じ、何を見たのか。「大国」の本質を鋭くとらえた貴重な記録。

第1章 香港
第2章 広州
第3章 西安から蘭州へ
第4章 嘉峪関まで
第5章 シルクロード
第6章 ウイグル
第7章 旅の終わり
第8章 それから

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