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「島国チャイニーズ」野村進

2023年10月20日 07時07分13秒 | 読書(台湾/中国)


「島国チャイニーズ」野村進

島国とは日本のこと。
日本に住む華僑・華人がテーマ。

P114
私の教え子のうち7人が来日後に結婚してるのだが、漢族は漢族との、モンゴル族はモンゴル族との、ウイグル族はウイグル族との、同じ民族同士の組み合わせばかりであった。

P115
池袋界隈には「東北三省」、すなわち遼寧省・吉林省・黒竜江省の出身者が多い。

P203
孫文は日本の学生服をアレンジした詰めえり服を愛用しており、これは「中山(ちゅうざん)服」と呼ばれ、のちの中国・人民服の元となった。「中山」とは、孫文みずから称した号で、彼が滞日中、「中山(なかやま)」という日本名を名のったことに由来している。

P221
1972年の日中国交回復のさい、われわれ日本人が知らないところで、日本の華僑社会は大混乱に陥っていた。台湾、すなわち中華民国の国籍を持つ華僑の多くが、国籍の喪失や中華人民共和国への強制的な変更を恐れて、われ先に日本国籍取得に走ったのである。

P256
彼らの帰化に対する抵抗感は、驚くほど薄い。対照的に、在日コリアンの中で
帰化したものは、最後まで「裏切り者」の烙印を押されてきた。

P260・・・老華僑の話
「(前略)日本の国籍を取ったからといって、本当に日本人になれますか。たとえば、同和問題を見ても、私はそう思うんです。明治になって、それまでの身分制度がなくなって、もう百何十年も経つのに、まだ部落の人たちを同じ日本人として扱わない。じゃあ、中国人が日本の国籍をとったら、同じ日本人として扱われるのか。(後略)」

【参考図書】

「コリアン世界の旅」野村進
大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞、受賞

【ネット上の紹介】
名作『コリアン世界の旅』から15年。練達のノンフィクションライターが緻密な取材で描く、「在日華僑」「来日華僑」たちの、ひたむきで悲喜こもごもな人生模様。
【ネット上の紹介】
第1章 劇団四季の中国人俳優たち
第2章 日本で大学教授になる中国人
第3章 中国人芥川賞作家の誕生
第4章 留学生は“反日”か
第5章 北国の中国人妻たち
第6章 神戸中華同文学校
第7章 女たちの池袋チャイナタウン

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