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「女人京都」酒井順子

2023年10月18日 07時56分31秒 | 読書(旅・紀行)


「女人京都」酒井順子

歴史に名を残した京都ゆかりの女性の史跡巡り。
私もたまに「聖地巡礼」するので、とても便利。
表紙絵は上村松園。

P52
薬子は、そもそも平城天皇の后の母親でした。が、平城天皇は義母である薬子と、関係を持ってしまいます。

P56
その後、平城天皇の子孫は臣籍に降り、在原姓を名乗りました。(中略)平城天皇の孫には、美男のモテ男として有名な在原業平がいます。(在原業平は清和天皇の女御になる予定の藤原高子=二条の妃とのスキャンダルが有名。東下りもこれが原因という話もあるそう)

P89
定子が24歳で亡くなったの対して、彰子は87歳まで生きました。

P98
道綱母がこのような行動をとったのは月経前症候群すなわちPMSのせいとの説を建てておられるのは、国文学の泰斗である故角田文衞博士です。

P239
五条大橋と言えば、牛若丸と弁慶が出会った場所、とされています。五条通の中央分離帯には二人の像もあるのですが、しかしその時代の五条通は、今の松原通。さらに言うなら二人は実際にこの地で出会ったわけでも、なさそうです。伝説の中で「映え」を狙った舞台装置だったのでしょう。

P252・・・今宮神社
お万の方は、家光の寵愛を一集め集めた側室でした。しかし彼女には子ができず、「おしとねすべり」、すなわち閨房での関係を辞した後に、将軍に側室として献上したのが、お玉であったという話も。(中略)
八百屋の娘ながら、将軍の母となるまでに出世した桂昌院が「玉の輿」の語源、とも言われることから、お守りの復路には、蕪や人参等、野菜の刺繍がしてあるのでした。

【おまけ】
幕末の志士たちは若かったので、それぞれ彼女がいた。
坂本龍馬=お龍
桂小五郎=幾松
井上馨=君尾
西郷隆盛にはお玉。
この関係は歌舞伎にもなっていて「西郷と豚姫」。
お玉はふくよかな女性だったらしい。
でも、ニックネーム・豚姫とはあんまりじゃないの、と思うけど。
西郷隆盛の外見にこだわらない、おおらかな人柄が忍ばれる。

【ネット上の紹介】
京都の旅5回目以上のあなたへ!小野小町、紫式部、清少納言、日野富子、淀君ほか、歴史上の女性たち43人の足跡をたどる、酒井順子流新たな京都エッセイ&ガイド。散策に便利な地図付き。
古代のお后達、アウェイとしての京都―光明皇后、高野新笠
神に仕えた皇女「斎王」達のドラマ―有智子内親王、選子内親王、済子女王
美女の信仰、美女への復讐―檀林皇后、小野小町
平安初期の悪と愛―藤原薬子、藤原高子、伊勢
『源氏物語』誕生の背景は―中宮彰子、紫式部
『枕草子』の裏にある悲劇―皇后定子、清少納言
受領の娘達は、なぜ書くのか―藤原道綱母、和泉式部、菅原孝標女
院政期に揺れる女人達―讃岐典侍、待賢門院璋子、美福門院得子
平安と現代、「伝染病が蔓延する世」を生きる
自粛の日々で知った「憧れる」想い〔ほか〕

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