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「昭和史の10大事件」半藤一利/宮部みゆき

2017年08月04日 19時31分19秒 | 読書(昭和史/平成史)


「昭和史の10大事件」半藤一利/宮部みゆき

半藤一利さんと宮部みゆきの共通点は?
宮部さんは深川、半藤さんは向島、東京下町の生まれ。
かつ、都立隅田川高校先輩後輩。(半藤さんはその前身の都立七中)
この二人が昭和の10大事件を選び、語った。

1 昭和金融恐慌
2 二・二六事件
3 大政翼賛会と三国同盟
4 東京裁判と戦後改革
5 憲法第九条
6 日本初のヌードショー
7 金閣寺焼失とヘルシンキ・オリンピック挑戦
8 第五福竜丸事件と『ゴジラ』
9 高度経済成長と事件―公害問題・安保騒動・新幹線開業
10 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(宮崎勤事件)

P80
半藤:太平洋戦争の、ノー・リターン・ポイント、不帰点を越えたのはどこだよく聞かれるけど、私はいつも、「この三国同盟締結だ」と言うんです。(そして、それがS15年で、大政翼賛会と裏表の関係となる)

P104
半藤:国際裁判所でやれば、ブッシュ大統領のイラク侵攻は「人道に対する罪」かもしれませんよ。

P107-108
半藤:具体的に言うと東京裁判では、戦争を指導した人たち、軍令関係、たとえば参謀本部とか軍令部とか、そういう戦争遂行のための指導した連中は1人も死刑になっていない。全部セーフです。日本人が裁いたら、それではすまなかったと思います。たとえば特攻作戦を計画し、作戦をつくり、命令をして沢山の若者を死に赴かせて、本人は口をぬぐっている人たちを許せますか。ただ、だからといって、もし日本人が裁いたとしたら、きっと、ものすごい怨みが、現在でも残っていたでしょう。

P109
半藤:じつは、あのとき日本の政府は日本人で裁判をやろうとして、戦犯の名簿をつくったんです。ところが、昭和天皇はこれを許さなかったんです。昨日まで一緒にいた人たちを、自分たちで裁けるか、といって、やめさせたんですよね。

P186
半藤:福竜丸の被ばくというのは、アメリカが水爆実験をするからこの海域に入っちゃいかんという区域内にいたなら話は別ですが、ずっと外にいたんですよ。
宮場:それなのに、死の灰を浴びてしまった。
半藤:そこで福竜丸みたいな事件が起きるということは、つまり実験するアメリカですら核の威力が分かっていない、つまり制御できないのだと。
宮部:ですよね。
半藤:つまり、今の言葉でいうと「想定外」なんだ。

昭和64年について
P220
半藤:むこうはベルリンの壁、天安門広場、ソ連もね。世界がガラガラ変わっていくのがようく分かるんですね。日本も変わるんだけど、その象徴的な事件が宮崎勤。

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