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「男性漂流 男たちは何におびえているか」奥田祥子

2015年10月19日 20時09分15秒 | 読書(現代事情)


「男性漂流 男たちは何におびえているか」奥田祥子

生きにくい世の中である。
それも、男にとって・・・。
男はつらい、のである。

次の5章に分けられている。
(これは他人事ではない)

第1章 結婚がこわい
第2章 育児がこわい
第3章 介護がこわい
第4章 老いがこわい
第5章 仕事がこわい

介護について
P137
 同居する親を1人で介護する中年の独身男性たちは、苦悩を共有できる家族がいないばかりか、仕事に大半の時間を費やしてきたため近所付き合いもなく、孤独な無縁介護を強いられている。孤独なだけであれば、まだ自らの力で周囲の人間を頼るなど、明日への道を切り開く方法は残されている。だが、孤立化したケースでは、本人の力だけではどうすることもできない限界点を示しているように思う。

仕事でそりの合わない女性部下をもった中間管理職男性の話
人事考査で低い点をつけて、さらに怨まれてしまう
P187
「それから・・・職場で事あるごとにその部下の女性が私に歯向かうようになり・・・お、思わず、『だから、つべこべ言わずに、指示通りにやれって言ってるだろ!』。そう大声で怒鳴ってしまったんです。昔の営業部時代の癖が出てしまったんですね。総務部に移ってからは控えていたんですが、私が若手の頃は先輩や上司から常に取られていた言動でしたから・・・。そんなやりとりがその後も続いて・・・と、とうとう、彼女からパワハラを受けていると、人事部に訴えられてしまいまして・・・。(後略)」
(結局、この男性は上司から「指導力に問題あり」と査定で最低ランクをつけられ、部署替えもされ、鬱病をになり、退職に追い込まれる・・・成果主義の人事考査も考えものだ。鬱病が増えたのはこのせいか?終身雇用で年功序列・・・その頃が懐かしい)

【ネット上の紹介】
哀しくも愛しい男性ミドルエイジクライシスの真実。結婚できない男、仮面イクメン、介護シングル男子、男だって更年期、リストラ・非正規のバカヤロー…黙して語らず、孤独に葛藤する男性たちに10年密着、その「ホンネ」と「実態」に迫る!!

[目次]
第1章 結婚がこわい(婚活圧力と生涯未婚ラベリング
二〇〇四年の「白雪姫求め男」 ほか)
第2章 育児がこわい(「イクメン」登場
パパサークルの現場 ほか)
第3章 介護がこわい(「ケアメン」―男性介護の時代
悠々自適な「中年パラサイト」 ほか)
第4章 老いがこわい(男性もアンチエイジングの時代
自信が湧く男性更年期治療 ほか)
第5章 仕事がこわい(会社が守ってくれる時代の終焉
考課する中間管理職の悩み ほか)