真夜中、腹が減る。
しかし真夜中に何か食べると太るし健康にも良くない。
炭酸水を浴びるように飲んで寝るか……と諦めようとした矢先のこと。
テーブルの上に紅生姜の小袋を発見した。
……いやいや、いくら腹が減ったとはいえ紅生姜なんて、薬味だぞ薬味。
だが背に腹は代えられぬ。
紅生姜のみを食べるなんて38年の人生で初めてのこと、緊張する。
震える手で小袋をハサミで破り、割り箸でそっと1片をつまみ口に入れる。
すっぱからい!! うむ、紅生姜だ。
こんなにすっぱからいもの飯も無しに食えるものか……と思うもまた一口。もう一口。あら一口。
気がつけば小袋が空になってしまっていた。
うーむ、紅生姜にはおそるべき魔力がある!