『鎌倉殿の13人』、コメディとシリアスがジェットコースターのように押し寄せる面白いドラマですが昨日の回はとりわけすごかったです。
源氏同士の争いに巻き込まれるのを嫌がった御家人たちは源頼朝を鎌倉から追い出す反乱を企てます。ドラマの主人公であり頼朝の側近・北条義時は御家人たちの動向を探るために頼朝に心酔している有力者の御家人・上総広常をスパイとして反乱軍に送り込みました。作戦は功を奏し御家人たちの反乱は失敗、頼朝と御家人たちは和解をして全ては丸く収まったのです。
しかし頼朝は見せしめのために御家人たちの目の前で上総広常を処刑してしまいます。全ては最初から広常を亡き者にするための頼朝の作戦だったのです。血まみれになりながらも最期まで頼朝にすがろうとする広常、冷酷な目で息絶える広常を見つめる頼朝。そして非情な頼朝を恐れて何も言えない御家人たち。今まで打倒平家のお神輿としてしか扱われていなかった頼朝が「独裁者」となった瞬間です。
その頃、義時に子供が生まれます。その子供の泣き声が「ぶえい、ぶえい」に聴こえて義時は複雑な表情をするのです。「ぶえい」は広常が頼朝を呼ぶときの口癖「武衛」と同じだったからでした。
広常役の佐藤浩市の演技が素晴らしいのですよ。今際のきわに義時の顔をみて、薄く微笑んでこと切れるシーンは涙無しには観られません。あんまりこういう事は言いたくないけど、まさに神回でしたね。これからもこんな神回が続くと思うと、心がざわめきます。嗚呼、次回が楽しみです。