ここのところインド・パキスタンで話題にぎやかなチクングニヤ熱ですが、日本人にも大人気のバリ島でも隆盛、台湾人カップルがもらってきちゃって台湾当局が緊張するという出来事が。
- カップルでバリ島旅行。その後12月18日に妻が筋肉痛と発熱で発症。当初デング熱と診断されたが21日になってチクングニヤであることが判明。
- 夫は12月15日に発熱で発症、当初インフルエンザと診断されたが、29日になってチクングニヤと診断される。
- 台湾当局はこのカップルの行動範囲を調査し、その蚊発生可能性のある場所に対策をおこなうということを1月17日まで継続。
なかなか教訓に満ちた1件です。
- アジアの小金持ちに大人気のリゾート、バリ島にはチクングニヤがいっぱい。媒介蚊もいっぱい。寒さを逃れてバリ島行く人にはくれぐれも蚊対策をと呼びかけ必要。(狂犬病やら旅行者下痢やらSTDやら言わなくちゃいけないこといっぱいあるけれど、優先順位高く)
- いきなりチクングニヤが輸入されても、優秀なる台湾の医療人をもってしても、診断はなかなか難しい。デングだと思われたりインフルエンザだと思われたり・・・確診まで3日かかったり2週間かかったり。それでも、受診者に渡航歴申告を促すことは意味あるから、まず聞き出す。受診者がバリ島エンジョイしてきました~♪と言ったら、病気の巣窟から帰ってきたぐらいに考えて気を引き締める。(病気の巣窟:警戒感のない人に届かせるには結構有効なフレーズかも。一般世間ではアフリカやインド行きでそう思って気を引き締める人もバリ島ではガード下がる人多し)
*余計なこというと、このカップルは「wife,husband」と表現されてるから正々堂々と行ってこれる立場。お忍びで行ったり、現地ブラザースと逢瀬だったら渡航歴申告できない人も色々か。 - 台湾当局が蚊対策を頑張ったように、台湾自体、媒介蚊がたくさんいて、外から持ち込まれたら国内感染広がる余地あり。デング熱がわっと増えたのは記憶に新しいところ。台湾に感染者増えれば、日本への脅威感はぐっと高まる。日本と台湾の間は過当競争状態の莫大な数のLCCが行き来している。Vエア復興航空は倒産してしまったけれど、Peachもバニラもジェットスターもスクートもタイガーエアも・・・
- さらに、台湾の流行は日本に情報入りにくいという構造的問題がある。台湾の交流協会は日本大使館の業務の一部を担うけれど正式な大使館じゃないし医務官配置もない。現地大使館から情報を日本にあげる職務の人がいない。(外務省HP医療情報にも台湾の頁がない)
というわけで、いろいろな意味で要警戒な本件です。
ソースはfocustaiwan
http://focustaiwan.tw/news/asoc/201701030017.aspx
Taiwanese couple falls ill with chikungunya fever after Bali visit
2017/01/03 18:53:46
