新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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チクングニヤの非常事態宣言(パキスタン・カラチ)

2017-05-06 09:24:23 | チクングニヤ熱

チクングニヤの熱の非常事態宣言。かつてエボラの流行と割と重なる時期に中南米で猛烈に拡大し、エボラの陰にかくれ一般報道は少なめながらそれなりの騒動にはなりました。

いままた、アジアを舞台に非常事態宣言の連発がはじまりそうです。今回はパキスタンのカラチ。

  • パキスタンのカラチ市長がチクングニヤ非常事態宣言を出し、医療スタッフの休暇を禁止する措置をとった。あらゆる防止処置をとるよう命令。
  • WHOは疫学専門家ら9名から成る調査団を3日間現地に派遣、Orangi, Korangi, Lyari, Bin Qasim and Malirを訪問。保健省と対策について議論、その内容は近日中に公開予定。
  • 診断設備の充実、ラボと人材の整備を提言。また、地域の有力者をおさえ、マスメディアを通じて啓発に取り組むべしと。衛生と蚊対策について最終日に具体的に話し合われ、蚊帳と虫よけを使用し民間療法に頼らないよう教育することに合意。Ibrahim Hyderiをモデル地区に。
  • WHO側は診断できる設備の少なさと医療関係者の知識不足に懸念表明。
  • 現状は2076例の疑い例報告、そのうち239例の血液サンプル中183例で陽性。

媒介蚊が豊富な環境下ではチクングニヤの拡大が極めて迅速なことは中年米で顕かなところで、先行きが注目されます。カラチで起こることは、(日本との行き来が多い)インドや繊維産業進出の多いバングラデッシュに速やかに波及するので、割と近々日本国内問題になるのかもしれません。

 

 

https://www.pakistantoday.com.pk/2017/05/04/chikungunya-govt-declares-emergency-in-karachi-hospitals/
Chikungunya: Govt declares emergency in Karachi’s hospitals

http://reliefweb.int/report/pakistan/who-team-calls-radical-measures-control-chikungunya

 


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