西日本豪雨(平成30年7月豪雨)から約2か月ちょっと。前回からひと月ぶりに被災地に行ってきました。前回同様、倉敷市社協(社会福祉協議会)のボランティア医療職のポジションで居場所確保。今回も考察はいろいろと。配置された場所はまび記念病院のすぐ隣(写真の右側が病院敷地)川辺サテライト。病院が水没して屋上から患者さんがヘリで救出映像が繰り返し放映された、あの病院です。
1.気候が少々よくなると蚊が出現!
今年のあまりの酷暑で、蚊の活動は抑えられていました。普段あまり蚊を見かけず、アース製薬やフマキラーの株価が下がるなんて事象も。ところが、当日ミーティングで、少し奥に入った神社にサテライトのさらに支店?みたいな拠点があって、そこに行く人は蚊がとても多いから注意なんて喚起されてました。ええっ!と吃驚。目の前のドラッグストアが再開してたので、アースの30%DEETを急遽買ってチームの看護師さんにプレゼント(DEETの薄い12.5%の製品が支給品に入ってるのを知ったのは後でしたが、まあ、予算都合もありましょうから、薄いの支給で2時間おき塗りなおせと情報つければ次善の策にはなりましょう)
写真:再開したドラッグストアZAGZAGに並ぶ虫よけ
2.ボランティア輸送用借り上げバスのシートがビニールで覆われ感染症予防
ボランティアの駅送迎やサテライト、現場へ輸送するのに数多くの観光バス借り上げ。その座席すべてにゴミ袋みたいなビニールかかってました。作業終了で泥だらけの人も多いですから、このゴミ袋座席カバーを取り換えれば、色々なものが接触感染防げますね。
3.避難所にくらべ自宅にいる被災者は情報とりにくい(リスクコミュニケーションの課題)
ボランティアセンター、サテライトが近所にあっても知らない被災者がいるとの報告。サテライトのレベル(バスが出入り)になればさすがに誰でもわかりますが、サテライトのさらに支店?拠点になると、知らない人も。家庭訪問したら、こんな近所にボランティアさんいるなんて知らなかったと言われたナースも。避難所なら口コミで何でも伝わりますが、自宅にこもるとわからない。泥かきの御用がなくても巡回訪問して何かあればご利用くださいと案内してまわる必要があるようです。
4.ボランティアにサービスするボランティア
ボランティアにサービスするボランティアの方々。ボランティアセンター(本部)に戻ると、無料かき氷をせっせとサービスするテントが。現場の空気を読めば、さすがに保健所届け出は?なんてこととても聞けない管理人、それどころか、この氷も、どこからか差し入れられたマスカットも、無防備にいろいろ堪能しちゃいました。感謝。
5.可視化される「支援継続してくださる所、2か月経ったら関心終了の所」
被災から2か月たつと可視化される話。
1)ポカリスエットとデカく記された青いサーバーはあれど粉末は無し。中に入ってるのはCO-OP提供のジェネリック。
2)ペットボトル飲料の供給はあれど、前回アップした国会限定、国会ラベルの水(議員さん提供、多分)は影も形もなし。
3)個人ボラは別として、組織名の入ったの着てる人、宗教系政治系(前回はキリスト系、法輪功、ピースボートなどなど)は消滅。代わりに目立つのが関西中のあらゆる社協(社会福祉協議会)、京阪神そろうが、滋賀勢が目立って存在感。
6.2か月経ったら、わーっと吐き出す需要あり(メンタルヘルス)
チームの看護師さん、被災者からわーっと出てきて支えるのに力の要ったケースも。傾聴のボランティアも本格的に必要になってくる2か月。
いくつか現地の写真です。
供給されるのはウーロン茶と濃いお茶と麦茶と塩飴ばかりなり。甘いものが望まれるのですが、この組み合わせ変わらず。あるスタッフは、「甘いものは嗜好品にあたるからダメと聞いた」と言われるのですが、よく聞くと何人か伝言ゲームになってる感も。真偽のほどがまったくわからんので、コメントは控えます。
まび記念病院、再建に向けて工事中
サテライトに置いてゆかれたうちわを見ると、誰が来たかわかりますね。東北勢の足跡も確かに。
病院となりの喫茶店もこの通り
再開したところと再開していないところ(赤丸がサテライトの場所)
再開してるもの:ZAGZAG(大手ドラッグストア)、コメリ(ホームセンター)、井原鉄道、病院の門前薬局
再開していないもの:まび記念病院、ダイソー、地元薬局、喫茶店、セブンイレブン、パチンコ店(北海道地震では停電なのにパチンコ屋が開いてて腹立ちツイート目立ったが、こちらではそんな事なし。台も撤去されがらんどう)