深刻化するUKのインフルエンザ。たびたび紹介してきましたが、この件が問題になっている「コトの本質」は、街の薬局がタミフル確保に悩むことよりも、電話相談ラインがパンクすることよりも、もっと重要なのは「重症化率が昨年パンデミック時よりぐっと高い」ことにあるようです。
- 過去2週間で人口10万人あたり32.8→87.1へ。
- 年齢層では5~14歳>4歳以下>15~44歳。
- ただしこの数字自体は昨年ピークの300に比肩するレベルに至っていない(昨年ピークの1/3)。問題は重症化率の高さである。
- ICUにインフル患者が302名入院中というのは、昨年ピーク時180名よるはるかに多い。(←つまり、人口あたりの患者数は1/3なのにICUレベルの重症者は倍近い!という意味)
- この数字から、現在流行しているH1N1は昨年より明らかに病原性を増してきており(the H1N1 in circulation is markedly more virulent than last season,)、さらに、ICUやECMOの必要なケース、なかでも基礎疾患のないケースの激増は医療供給体制に懸念を投げかけている。
- 今回重症例の遺伝子情報を公表すべきである。
(人口あたり)患者数はまだ1/3なのに、重症化は倍! 実に気味の悪い話ですね。
ソースは12月22日付recombinomics↓
http://www.recombinomics.com/News/12221002/H1N1_UK_Alarm.html
Alaming Rate of Severe H1N1 Cases In UK
Recombinomics Commentary 16:05
December 22, 2010