新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

イタリアで進行中のある裁判(リスクコミュニケーションの難しさ)

2011-11-05 10:32:39 | リスクコミュニケーション

イタリアで進行中のある裁判。

 2年前の大地震で、微震が相次いでいるとき、科学者が「大丈夫!」と言っていたがために被害拡大したとして、地震学者が訴追(刑事)の憂き目になっています。
However, there is no accurate way to predict when an earthquake is about to occur. In the case in Italy the area was experiencing tremors for a couple of weeks. However, scientists allegedly told the local people that there was “nothing to worry about”.

実際に正確に予知する手段を人類がもたない以上、コミュニケーションには困難をともないますが、この裁判の行方が注目されるのは、もしここで有罪にでもなれば、科学者はますます(不確定なことを)コミュニケート出来なくなるだろう、ますます孤立するだろうとの論評です。

 そして最後に、一般市民よ、もっと科学者と普段からコミュニケートしよう、地元大学の公開講座に出かけようと結ばれています。

こんな裁判が進行中だとは知りませんでした。日本でも原子力をめぐる諸事象をのぞけば、たとえば、地震そのものではあまり聞かない話です。

 が、これが前例となって世界的にこういう風潮が拡大すればインフルエンザとて影響をこうむります。「新型インフルエンザ」とて、病原性の低いもの”も”可能性とはなかなか話せなくなり、日本で64万人亡くなる(”かもしれない”をオミットして)怖い新型インフルエンザ、感染列島を見よコンティジョンを見よ・・・という話しかしにくくなってしまう。

 ともあれ、この裁判はまだ進行中で判決が出たわけではなりません。パスタの国の裁判官がトンデモ判決を出したりしないことを、みんなで心から祈りましょう。

ソースは11月4日付Greenanswers↓
http://greenanswers.com/blog/265022/scientists-trial-are-they-guilty

Scientists On Trial But Are They Guilty?

 


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