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新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

フランス鳥インフルエンザの難渋ぶり、新タイプ続々。日本のフォアグラにも影響深刻

2015-12-18 08:10:05 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

フランスが直面しれいる難渋、テロに加えて鳥インフルエンザがほぼ同時期進行です。
どんどん新タイプが登場してフォアグラ農家が深刻な打撃。

  • フランス南西部の3軒の農家でH5N3を確認。LandesとPyrenees-Atlantiques
  • 先月末からフランスは高病原性H5N1,H5N2,H5N9の流行をみており、さらに今回、低病原性H5N3も加わってきた状況。今回は、先立つ流行をうけてのサーベイランスで見つかったもの。このような短期間に多種出現するのは異例。
  • ヒトへの健康リスクは否定。食用には影響なく、流行地域で生産されたフォアグラは大いに食べて良いと当局。
  • しかしながら、多くの国々、フォアグラの最大消費地である日本を含めてフランス産輸入禁止措置に直面している。

次々別のタイプが出てくる流行な難儀です。
それにしても、ヒト感染リスクがほぼ確認できないといえ、フォアグラどんどん食べてと当局が言ってみたり、日本が最大消費地として関係しているとは初めて知ったことでした。

ソースはロイター⇒FOX
http://www.foxnews.com/health/2015/12/17/france-reports-new-bird-flu-strain-as-outbreak-spreads.html

France reports new bird flu strain as outbreak spreads


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ベトナムで鳥インフルエンザH5が現在進行形の場所

2015-12-01 07:50:12 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

ここのところベトナムでH5N1だ、H5N6だと、なにかと騒々しくなっています。

いまのところ、「裏庭農家の鶏感染」の範囲にとどまっているものの、今後の成り行きに注目(毎年、ヒト感染で犠牲者出している)です。

場所が明示された報道。

H5N6が発生しているのはこちら
Quang Ngai province
824羽死亡、864羽殺処分

H5N1が発生しているのがこちら
Ha Tinh province
100羽死亡、549羽殺処分

ソースはThe poultry site
http://www.thepoultrysite.com/poultrynews/36224/avian-flu-spreads-in-vietnamese-backyard-poultry/

Avian Flu Spreads in Vietnamese Backyard Poultry

27 November 2015


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インドネシア北ジャカルタで鶏をペットにした少年に鳥インフルエンザか

2015-11-05 10:59:44 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

インドネシアでわりと久しぶりに鳥インフルエンザ報道。ペットの鶏⇒子供というややユニークなパターンで報道に載った感じです。

  • 11歳男児。Koja, North Jakarta。鳥インフル症状(確定診断はまだ)。
  • もともとペットとして鶏を4羽飼っていたが、原因不明で死亡していた。それらに直接接触していた。
  • 北ジャカルタ市ではタスクフォースを編成して対応にあたっている。
  • 今年2015年は、タンゲランで親子の感染報告あり。

かつてのH5N1大国だったインドネシア、それでも忘れた頃にこのような報道が出てきます。
少年が可愛がっていたペットが亡くなってほどなく少年も・・・って、だんだか感染ホラー映画のオープニングシーンに出てきそうな一場面ですが、そういう展開にならないことをねがっています。

 


http://jakarta.coconuts.co/2015/11/04/north-jakarta-boy-who-owns-pet-chickens-suspected-having-bird-flu

 

North Jakarta boy who owns pet chickens suspected of having bird flu

By Coconuts Jakarta November 4, 2015

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鳥インフルエンザH7N9、4回目のシーズン入りとFAO警告

2015-10-20 11:35:51 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

鳥インフルエンザH7N9。MERSとほぼ同期の厄介者ですが、4回目のシーズン入りしたぞとFAOが警告。

  • H7N9の第4波がすでに始まっている。冬季に中国南部で感染が増える
  • 鳥に対してはほとんど症状をださず、静かに拡大。鳥やその分泌物との直接接触で感染。ヒトに対して軽症から重症までさまざまな程度の感染をおこし死亡例も。中国当局発表で死亡率は約40%。678例感染、271例死亡。中国南部では鳥類のあいだでH7N9は広く分布している。
  • 今回の波は10月2日に浙江省にて2例のヒト感染発生から始まっている。
  • 例年どおり、次の週から感染者数が急増するであろう。ウイルスの季節的要因に加えて、養鶏業のバイオセキュリティのギャップが原因。多種混じり合い、特定もされない。近隣国がリスク。
  • FAOは2つの新たなガイドラインを追加した。
    1.バイオセキュリティのガイドライン
    http://www.fao.org/3/a-i5029e.pdf
    2.リスクコミュニケーションのガイドライン
    http://www.fao.org/3/a-i4969e.pdf

H7N9.震源地の中国農村で、まったく把握できていないという現状もあらためて指摘されています。2013年当時の、上海の市場を閉鎖すればスッと減った状況から大きく変化してきており、日本で大騒動を引き起こす可能性も2013年当時より大きくなっていると思われます。(管理人も2013年当時は、市場で鶏を買うという消費行動を示す中流以下の病気という感覚でしたから、爆買い金満人から日本に持ち込まれる可能性は少ないでしょうと言っておりましたが、その記述は渡航者研修パワポから削除しました) 

耐性問題もたまの報告程度で、日本上陸でも本来大騒動の必要はないのですが、現実には世間の騒動になりそうで、成り行きが注目されます。


http://www.fao.org/ag/againfo/programmes/en/empres/news_151015.html

Fourth wave of H7N9 avian influenza threatens livelihoods, public health

 

Countries urged to prepare for expected increase in virus activity

 


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中国雲南省の鳥インフルH5N6ヒト感染

2015-07-13 16:19:24 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

鳥インフルエンザH5N6のヒト感染ポチポチと。

  • 37歳女性。雲南省。
  • 7月6日より発熱、咳、痰。9日に現地医療機関受診、10日に死亡。

H5N6のヒト感染はこれまで、四川省・広東省(2014年)、河南省・雲南省(2015年)と散発しています。

今回のケースも発症から受診まで48時間を超えており、貧困ゆえ受診遅れた助かったかもしれない命。。。だったのでしょうか。

ソースはProMED
http://www.promedmail.org/direct.php?id=3504427

AVIAN INFLUENZA, HUMAN (114): CHINA (YUNNAN) H5N6

 

 


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米の鳥インフル爪痕いろいろ

2015-05-14 09:12:46 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

いっこうに収まらない米国の鳥インフルエンザ流行、社会的影響もさまざまに深刻です。

米国は格差拡大、貧困層も増えつつありますから、20-30%あがったら卵も鶏肉も食べられない層がでてきそうです。


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鳥インフルエンザで非常事態宣言発令(state of emergency)、州兵待機

2015-04-25 08:38:47 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

猖獗を極める北米の鳥インフルエンザH5N2. ここ何週間も、Fluwikiあたり開けるとこの話題が8割ぐらいを占め、あらゆる人間の病気より圧倒しているわけですが、ミネソタ州が非常事態宣言(state of emergency)を発令するに至ってしまいました。

  • ミネソタ州知事Mark Dayton が、非戦時非常事態宣言(peacetime state of emergency )を宣言し、鳥インフルエンザとの闘いにはいった。ミネソタ州は全米最大の七面鳥産地。
  • 非常時対応担当部署の動員にサイン。(exective order)
  • 州兵に対して、人員・装備の準備を命令。
  • すでに犠牲となった七面鳥は260万羽。中西部全体(鶏ふくめ)700万羽。
  • 人間の公衆衛生的リスクはないこと、店頭で売られているものに危険はないことを強調。
  • ミネソタおよびウイスコンシンの、100万羽以上飼っている大手農家について最終決定はペンディングに。

その他、超大規模農場から出荷がとまっていること、市場から引き揚げなど報じられています。

state of emergency、exective order, National guard・・・なんともおどろおどろしい単語が並び実感が迫ってきます。

米国の大規模農家は、百万羽以上という規模で飼っているというのも、日本では実感わかない規模なわけで、影響の桁違いさがわかります。

人間の公衆衛生を脅かしてはいないものの、継続して要注意案件です。

ソースはnecn
http://www.necn.com/news/national-international/Minnesota-Declares-State-of-Emergency-Over-Deadly-Bird-Flu-301146651.html

Minnesota Declares State of Emergency Over Deadly Bird Flu

 


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エジプトでH5N1ヒト感染が最近増えてるワケ

2015-04-16 09:12:58 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

ここ最近エジプトでH5N1ヒト感染が増えている件、WHOのリスコミ。いくつかの(既知の範囲内の)要素が組み合わさったもので、ヒト感染能が高まったわけではないと。

  • H5N1ヒト感染、エジプトで3月だけで42例(死亡11例)。1〜77歳、中央値24歳。
  • エジプトの感染例は、ほぼすべてが鶏と接触歴あり。ヒトーヒト感染は見られていない。
  • この事態には複数の要因関与。鶏のあいだでH5N1感染が広まっていること、裏庭農家が増加していること、例年より低温であること。
  • いくつかのサンプル分析では、ウイルスがヒト感染能が高まっている証拠はない。

昨年11月から増えているH5N1ヒト感染ですが、格別なことが起こっているわけでもなく、説明可能な要因が複数積み重なってこのような事になっているようです。
地道な対策の重要性が浮き上がっています。

ソースはCIDRAP
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2015/04/who-several-factors-fueling-surge-h5n1-egypt?hc_location=ufi

WHO: Several factors fueling surge of H5N1 in Egypt

 


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エジプトのH5N1、米CDCが渡航者注意喚起

2015-04-13 16:58:48 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

鳥インフルH5N1,エジプトの発生がとまらず、米CDCも渡航情報を出しています。

  • エジプトのH5N1ヒト感染。昨年2014年11月から今年3月19日までで120例超の感染者報告(WHOは125例、Avian flu diaryは135例の数字)。
  • これは1国の報告数としては前代未聞である。2006年3月にエジプト第一例WHO報告以来では336例、死亡(関連死含む)114例。
  • CDCがエジプトへの旅行者に対して渡航情報。内容は
    1.鳥類や他の動物に触れてはいけない
    2.よく火の通ったもの(赤身が残ってはいけない)を食べるように
    3.清潔を保つ(手洗い・アルコール・目鼻を触らないetc)

内容はオーソドックスですが、特にエジプトへの旅行者に対しての発出ということです。ここ半年ばかりで120例超、気になる数字です。
テロ関連で打撃を受けたかの国の観光産業、重ねて気の毒なことです。

ソースはoutbreaknews
http://outbreaknewstoday.com/h5n1-avian-influenza-outbreak-in-egypt-prompts-cdc-travel-advisory-81499/?hc_location=ufi

H5N1 avian influenza outbreak in Egypt prompts CDC travel advisory

Posted by on April 11, 2015


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変異したH5N1は最近のエジプト感染者増に関係するか?

2015-04-05 10:15:39 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

ここ最近、エジプトでH5N1のヒト感染も鶏感染も増えている問題で、遺伝子変異との関連を指摘する報告@Eurosurveilance

  • 昨年10月から今年2月にかけて、H5N1アウトブレイクが435件も発生している。
  • ヒト感染は2006〜2014年で204例確認、死亡率35.8%。
  • 種類・場所・飼い方を変えた29サンプル、HAとNA分析。
  • クレード2.2.1.2のなかで以前と異なるクラスタ。このクラスタ内の従来型は2014年10月から検出されていない。ここから推測されるのは、新たなタイプが優勢になっていること。ヒトからの2サンプルも同様。
  • HAはアミノ酸K373Rの変異。しかしこれは以前の2.2.1クレードにも見られた。HAepitopeには実質的変異がないから、新たなものと在来のものとの間に抗原性の違いは期待しない。NAにも4部位の変異
  • さらにフェレットによる実験が必要。

まだ遺伝子変化が見つかっただけだから、「新型H5N1が出現し、どんどん感染するようになったから鳥もヒトも症例数が増えている」というストーリーが勝手に流れないように慎重なコメントで釘さされています。慎重に推移をウォッチしてゆきましょう。

ソースはCIDRAP
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2015/04/study-new-h5n1-strain-egypt-may-be-tied-rise-human-cases

Study: New H5N1 strain in Egypt may be tied to rise in human cases


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