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新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

アメリカ合衆国に浸透したチクングニヤ熱

2015-01-21 14:39:11 | チクングニヤ熱

カリブ海諸国のチクングニヤ熱大炎上、関連して米国でのケースがポロポロ報じられてはいますが、あらためて米CDCのHPを見てみると、USAの地図がほぼ真っ青に塗られています。

特に目立つのは
人の流れが多いフロリダ州 420例
ニューヨーク  688例。

準じて、3桁台なのが
マサチーセッチュ 157例
ニュージャージー 160例

といったあたりです。

特にフロリダ州では、州内感染が起こっています。

米国内のチクングニヤは2006~2013年までは年平均28例、ほとんどがアジア渡航歴の輸入例でした。
ところが2014年はカリブ海諸国渡航歴にとってかわり、1月13日以来2344例(11例が州内autoctone、2333例が輸入例)

今後も輸入例は増え続け、米本土内での感染も発生してゆくだろう(These imported cases could result in local spread of the virus in the continental United States.)と予測しています。

2015年、2016年、日本ではどうなってゆくのか。。。

ソースはCDC
http://www.cdc.gov/chikungunya/geo/united-states.html


 

Map of the United States showing locally acquired cases of Chikungunya in Florida and travel-associated cases reported in Arizona, Arkansas, California, Connecticut, Florida, Georgia, Hawaii, Idaho, Illinois, Indiana, Kansas, Kentucky, Louisiana, Maine, Maryland, Massachusetts, Michigan, Minnesota, Mississippi, Nebraska, Nevada, New Hampshire, New Jersey, New York, North Carolina, Ohio, Oklahoma, Oregon, Pennsylvania, Puerto Rico, Rhode Island, Tennessee, Texas, US Virgin Islands, Virginia, West Virginia, and Wisconsin

 

 


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チクングニヤ熱、新年はじめのホットスポットはコロンビア

2015-01-14 08:02:49 | チクングニヤ熱

カリブで燃え上るチクングニヤ熱、新年第1週のPAHOデータ。カリブ全体として依然として万の単位で増加。110万台へ。前回比で増加著しい今週のホットスポットはコロンビアの約1万増。

  • 全体では 疑い例1094661+確定24071(前回1071696+22196)
  • コロンビアが83226+578(前回74150+416) △9228例。

ソースはPAHO
http://www.paho.org/hq/index.php?Itemid=40931

なお、コロンビアのチクングニャ映像はこちらです。
基礎から予防対策まで啓発されていますが、それを解説する疫学者がとっても美人です。
サッカーW杯でも、応援美人の画像が日本でも話題になりましたが、こういうごく普通の人が美しいのがかの国ですね
https://www.youtube.com/watch?v=fPnfsUNRNFo

 

 

 

 


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チクングニヤ熱 ドミニカ共和国の教訓

2015-01-08 09:20:18 | チクングニヤ熱

カリブのチクングニヤ騒動、感染者数最多のドミニカ共和国(昨年12/29日付PAHO報告で524,297+84例)の経験がPAHOのHPに載っています。

  • 最初の6か月の経験。
  • リスクコミュニケーションの課題。蚊によって媒介されるという情報が共有されず、「空気中にウイルスが漂っている」と広く口伝された。また、中国の船がもってきたという流言も。蚊によって媒介される知識をはやく伝えることがカギ。
  • サーベイランス、ある地区で発熱者が通常以上に増加したら、その地区にチクングニヤが出ているサイン(と即考えてよい)。

ある意味、西アフリカのEVD騒動と似たところがあります。さすがに呪い・陰謀ほど”濃い”ものではありませんが。
蚊が媒介するのだとコミュニティに理解してもらい、蚊対策をいかに迅速にとってもらうかがカギです。

ソースはPAHO
http://www.paho.org/hq/index.php?Itemid=40931

 


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チクングニヤに悩むジャマイカの凄惨な状況

2014-12-29 08:30:21 | チクングニヤ熱

10月にチクングニヤ流行で国家非常事態宣言をだしたジャマイカ共和国、その現場の悲惨な状況が報じられています。

  • ある日、受診していると、診察医がぐったりなった。慌ててクリニックのスタッフに知らせると、チクングニヤ疑いと言われたが、ほどなくしてその診察医は亡くなった。循環器疾患死と分類されチクングニヤの数字にのっていない。
  • この国の公衆衛生システムは予算不足で崩壊している。現地の状況を把握しようにも旅費予算が枯渇しており、係官はオフィスでただじっと座っているだけである。そして現地からのでっちあげ報告を記録しているだけである。
  • いまこの国では274例のチクングニヤ死亡例がある。その多くは基礎疾患のある人である。
  • 2012年にPegasusでPAHOとCDC共催によるチクングニヤ対策会議が開催され22か国から参加したが、そこで示されたことを忠実に実行したのはキューバだけであった。結果、キューバのチクングニヤは最も低率にとどまるが、ジャマイカでは放置状態。なんにもやらなかった。まったくゼロ。
  • 皮肉なことに、キューバはかつて、ジャマイカの公衆衛生システムをお手本にコピーした。その後キューバはそのシステムをきっちり維持し、ジャマイカはどんどん下降した。いまキューバ国民のあらゆる世代は、道端に散らかり放題になったゴミを見ながら育ってきた。蚊も放置。ネズミもそこらへん走り回りレプトスピラをまき散らし・・・

ある証言者のインタビュー形式のこの記事から、現在のチクングニヤ炎上状態がいかに根深いかが見えてきます。何年にもわたって朽ち果ててきた公衆衛生システムは機能せず、あげられる数字はデタラメ、公式数字以外にも、直接死因は基礎疾患になっているけれど実際にはチクングニヤ感染が引き金になったケースが多数存在することも現場から証言されています。本当の犠牲者は100万どころではないということです。

この状況の改善には(ジャマイカ自身にその資金力がない以上)国際社会からの支援が必須ですが、その資金は西アフリカ3国のEVD対策に大挙して流れているのが実情です。まずは、この「カリブのチクングニヤ大炎上」がもっと世に知られるべきでしょう。

ソースはJamaica observer
http://www.jamaicaobserver.com/columns/Chikungunya-has-been-the-beast-of-2014_18146774

Chikungunya has been the beast of 2014

 

Sunday, December 28, 2014    

 

 

 

 


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チクングニヤ炎上中。グァテマラ628例⇒21,429 例へ

2014-12-23 15:38:22 | チクングニヤ熱

前回のPAHO報告で百万越えになってしまったカリブのチクングニヤ大炎上。今回の数字は 1,071,354例に。

今回のメインプレーヤーはグァテマラ。1週間で628例⇒21,429 例へ。

エルサルバドルみたく、いったん峠を越したところがまた増えたりもしますので、出口はまだまだ見えません。

ソースはPAHO
http://www.paho.org/hq/index.php?Itemid=40931

 

余談ですが、カリブ海諸国で、日本人の在住が増えている国を外務省海外在留邦人数調査統計からみてみると、
トリニダードトバゴ +16.3%
ジャマイカ +4.9%
エルサルバドル +9.4%
あたりが目立っています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000049149.pdf

 


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カリブのチクングニヤ熱100万越え。ドミニカ共和国の再増加。

2014-12-16 14:19:22 | チクングニヤ熱

カリブ海諸国で大炎上中のチクングニヤ熱、PAHOの発表でついに100万越えしました。  1,012,347例。@12/12日付発表。

内訳では
ダントツの1位がドミニカ共和国524,297例。前回12/5日付の数字が498,916例でしたから、25381例の増加。今回増加分の大部分をドミニカで占めています。
この国は8月には一応ピークアウトの報道がでていたはずなのですが。ある程度しっかり把握は出来ているはずで、シエラレオネのEVDとは事情は異なるはずですが、一度ピークアウト報道が出た場所でのこれは気になるところです。
http://dominicanewsonline.com/news/homepage/news/health/chikungunya-cases-declining/

2位のエルサルバドルが135,226例。
この国では、9月16日1万6千越え、同25日3万越え報道あたりで報道のピークで、6月15日には国家非常事態宣言(national emergency)。

http://www.ticotimes.net/2014/09/15/number-of-chikungunya-cases-in-el-salvador-tops-16000
http://www.nydailynews.com/life-style/health/el-salvador-30-000-infected-chikungunya-article-1.1952531

 http://panampost.com/panam-staff/2014/06/17/el-salvador-health-minister-declares-national-emergency-over-chikungunya-virus-outbreak/

El Salvador Health Minister Declares National Emergency over Chikungunya Virus Outbreak

Authorities Urge Citizens to Act, Eradicate Illness by Targeting Stagnant Water Sources

 


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チクングニヤでコロンビアの街ごと隔離、病院はパンク寸前

2014-12-05 10:41:51 | チクングニヤ熱

チクングニヤ熱がカリブ海で大炎上している件、コロンビアが病院機能パンクしそうな状況になっています。

  • コロンビア北部では9月時点の5000例から20000例へ4倍増。
  • ベネズエラ国境近くのNorte de Santander、州都Cucutaの病院では40以上の町々から押し寄せる感染者でパンク寸前。
  • Santa Martaの街では、ほとんどの住民が感染(entire neighborhoods have been affected )。
  • Santa Marta's Luis Carlos Galanでは、350例の集団発生を受けて、地区ごと隔離措置。

住民のほとんどが感染。地区ごと隔離。
ヒトヒト感染がないので、蚊対策がうまくゆけば抑制されるのは理論的にはそうなのですが、その対策は(東京都心の公園ひとつであれ程手を焼いたのを思い出せばわかる通り)困難です。
国際社会の支援はエボラで手いっぱいな今、動向が非常に気になるところです。

ソースはcocombia report
http://colombiareports.co/chikungunya-virus-infects-20000-across-colombia/

Chikungunya virus infects 20,000 across Colombia

Dec 2, 2014 posted by Piotr Wojciak


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UKでもチクングニヤが対前年比7倍の激増

2014-12-03 08:10:21 | チクングニヤ熱

2014年にはいり、UKでチクングニヤ熱が対前年比7倍増。
UKではさすがに輸入例ということになりますが、世界の趨勢を反映。

  • UKにおけるチクングニヤ熱のケースは2013年28例であったのに対し、2014年はすでに11月時点で200例ちかく(197例)。
  • その多くが南西アジア、南アジア、カリブ海諸国の渡航歴。カリブ海渡航歴は80%以上。
  • チクングニヤにはワクチンが存在しない。蚊対策でリスクは減らせる。流行地から帰国して発熱や関節痛があれば受診すべきである。

輸入例の急増。これはどの先進国でもあり得ることですが、UKより日本がハイリスクなのは、ヒトスジシマカがふつうに棲息している点でしょうか(UKと同緯度の北海道にはいないようですが)。UKでは輸入例7倍増!で終わる話が、日本ならさらにその先、Autoctone発生と、もうひとコマ進みそうなのが気になるニュースです。

ソースはoutbreaknews
http://outbreaknewstoday.com/chikungunya-cases-up-in-the-uk-in-2014/

Chikungunya cases up in the UK in 2014

Posted by on November 30, 2014

 

高崎氏らのスライド
http://www0.nih.go.jp/vir1/NVL/31th%20eibikyoudengue.pdf


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チクングニヤ「初の国内発生報道」相次ぐ中南米

2014-11-24 15:14:26 | チクングニヤ熱

中南米で大炎上中のチクングニヤ熱、90万人を超えてなお急増中ですが、その中で「Autocton」という単語が見られています。国内感染、ニュースで出てくるときには「これまで我が国にはこの病気がなく全て外国からの輸入例だけだったのに、渡航歴のない人から初めて国内発生が起こってしまった」という意味で出てきます(ニュースに出てくる場合)

先般はメキシコ、今回はベリーズ。

  • ベリーズで初の国内発生保健省発表。Las Flores area of Belmopan
  • 先般初の国内感染例を報告したメキシコは、現在10例。
  • エルサルバドルではさらに3万例増加して12万3千例に。

デング熱の日本国内初感染報道の背景には、人の往来が多い東南アジアでデング熱が激増していることがありました。そして代々木公園の騒動。

いま管理人的には、この、近く100万人の大台に乗るであろうチクングニヤ騒動を大変気にしています。Chikungunya-Japan-Autoctoneなんて事があるのかないのか。。。

ソースはoutbreak news
http://outbreaknewstoday.com/belize-confirms-1st-three-autochthonous-chikungunya-cases-while-el-salvador-record-an-additional-30000/

Belize confirms 1st three autochthonous chikungunya cases while El Salvador record an additional 30,000

Posted by on November 22, 2014

 

PAHOのチクングニヤ情報はこちらから
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_topics&view=article&id=343&Itemid=40931&lang=en

Chikungunya virus resources

 


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チクングニヤ熱がさらに大炎上

2014-11-12 08:43:17 | チクングニヤ熱

以前にも紹介したカリブ海諸国でのチクングニヤ熱流行がさらなる大炎上になっています。

  • 10月31日以来の新規発生数が95000例。昨年12月来の総数が888806例(カリブ諸国計)
  • 最悪はエルサルバドルの新規76,831 例。
  • 週間新規発生数1万例以下の小康状態を破って今回の急増となっている。
  • ブラジルではアジア系アフリカ系2系統が流行。

今回のチクングニヤ熱炎上では、ジャマイカ共和国が国家非常事態宣言を出しています。
こちらの経過もしっかりウォッチしてゆく必要があります。

ソースはCIDRAP
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2014/11/news-scan-nov-10-2014

Chikungunya cases rise steeply, especially in Central America

ジャマイカの国家非常事態宣言の記事↓
http://www.caribjournal.com/2014/10/14/jamaica-in-national-emergency-due-to-chikungunya-virus-outbreak/

Jamaica in “National Emergency” Due to Chikungunya Virus Outbreak

October 14, 2014 | 7:18 pm |

http://www.telesurtv.net/english/news/Jamaica-Declares-State-of-Emergency-over-Chikungunya-Virus-20141019-0016.html


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