ジカウイルス感染症で小頭症やギランバレー症候群が急に目立ってきたのは、デング熱に先行感染しているからだという興味深きセオリーが報道されています。
- いま小頭症やギランバレー症候群の発生が問題になっている地域は、デング熱流行地域と重なる。ジカウイルス感染症で小頭症やギランバレー症候群などの副反応が起こっているのは、先行して感染したデング熱が関係しているのではないか。Christopher Dye, director of strategy in the office of the director general of the World Health Organization,談
- デング熱では4つのサブタイプがあり、初回感染した型とは別の型に二回目感染すると、(初めてその型に感染するより)重症化しデング出血熱となる確率が高まる。これと同じメカニズムが、デング熱感染後のジカ感染で起こるのではないか。
- そうしてデング熱感染後のジカ感染妊婦においては、ジカウイルスの血中濃度が著しく上昇し、胎盤を通過してしまうから小頭症リスクをあげるのではないか。
- もしそうだとしたら、デング熱が流行していない米本土では(デング流行地のブラジル中南米に比べて)そこまで心配することでもないのかもしれない。
エビデンスがあるわけではなく仮説です。いくつかある説のうちのひとつと述べられています。しかし同時に、この分野にかかわる人間なら皆、頭の中に浮かんでいる説だとも述べられています。
この説が妥当で将来エビデンスが出てくるとすれば、総合的に媒介蚊対策の重要性がますますアップしてきます。5月6月あたりから幼生(ボウフラ)わかさない対策の意味は二乗三乗になってきます。
ソースはSTAT
http://www.statnews.com/2016/02/17/zika-dengue-infections/
Dengue could be a surprise culprit making Zika worse, researchers say