夜明け前午前5時

徹夜明けの思いつきレベルな発想を、推敲なしでお届け

ハルキ・ムラカミと言葉の音楽

2006-10-26 00:03:14 | 本:その他

さきほどmixiの日記とついに関連付けしてしまいました。

というわけで、ここに新しくたどり着く方もいらっしゃるかと。
そんな方は訪問ありがとうございます。

えーっと、このBlogはかなりの部分が読書感想日記化しているので、
かなり地味です。

しかも感想なのに、あらすじとかあまり説明しておらず(日記なので)、
自分が昔のを読んでも、よく分からないところがあり(日記なので)、
熱くなってる部分がたまにあったりもして(日記なので.…くどいですね)。


前説はこれぐらいにして、今日のは、『ねじまき鳥~』とか英訳した
ジェイ・ルービンの村上春樹論です。


いろいろ春樹論は世の中に出てますが、ものすごーく好きな人か
生理的に嫌悪してる人かのどちらかなので、けっこうしんどいです。
好意的な論だと、文章まで春樹調だったりしてちょっと熱狂的だし。

どっちにしても多いのは、「実は作品自体はあまり論じていない」
という点。みんな必死に自分の考え・想いを語り倒してます。


それに比べると、この本はすごくフラット。
著者に関する前知識なく、テクストだけを分析しました、という
スタイルをとっています。

例えば、作品の登場人物名を分析してたり。
『ノルウェイの森』の「トオル」だとこんな感じ。

 トオル
  ↓
 「通り抜ける」の意
  ↓
 主人公が成人期への途上にあることを示す

これが、『ねじまき鳥~』の「トオル」だと、また違った見解を出してます。

上の解釈が正しいかどうかは別だし、自分から見ると明らかに
的外れって思える箇所もいくつかありつつ、でも、こういう解釈の
積み上げが、普通のまっとうな作品論だと思うのです。


作品論としては、いちばんおすすめ。


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