完熟したのが1個ぐらい落ちてこないかしらん?、としばらく待ってた。でもみんなまだ青いみたいで落ちてこなかった。夕暮れのバス通り、ビワの樹の下にワクワクした顔のオンナを見かけたらワタシです。そっとしておいて下さい。
ビワでいつも思い出すのが『耳なし法一』。子供の頃、山口県の関門海峡沿いにある赤間神宮という神社に行ったことがあるのだが。そこには『耳なし法一の墓』とものがあった。アレって小泉八雲のフィクションじゃなかったんかい?、と今となっては不思議なんだけど。でも子供の頃はとっても怖かった。
その耳なし法一が弾いていたのが『琵琶』。調べてみたら、やはり楽器の形がビワに似ているから同じ名前がつけられたそうだ。
夢枕獏の小説『陰陽師』の中で、琵琶の音色を『嫋(ジョウ)』と表現してあった。あれほど琵琶の音を的確に表現した言葉はないのではないかと感動したもんだ。スバラシイ~。
とか考えていたら無性にビワが食べたくなってきたので、落ちてくるのを待つより八百屋へ行こうかと悩む初夏の夕暮れでした。