逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

真実を語っていたトランプ 

2016年11月17日 | 政治
2015年末に京都の清水寺管主が書いた『今年の一字』は安だった。ところが誰が見ても漢字ではなくてひらがなの『あ』にしか見えない代物で、あっと驚く2016年のトランプ・ショックを予言していたのでしょうか。

『「トランプ氏は真実を語っていた」フランスの人類学者の分析とは2016年11月17日 朝日新聞デジタル

「トランプ氏は真実を語った」 エマニュエル・トッド氏(クリントンの語ったポリティカル・コレクトネスpolitical correctness、PC は真っ赤な嘘だった)


■仏人類学者・歴史学者、エマニュエル・トッド氏

 今年夏、米国に滞在しました。そして10月初め、日本での講演で「トランプ氏とクリントン氏の勝率は半々だ」と言いました。彼の当選を予言したというより、可能性を指摘したわけです。

 歴史家として見るなら、起きたのは当然のことです。ここ15年間、米国人の生活水準が下がり、白人の45歳から54歳の層の死亡率が上がりました。で、白人は有権者の4分の3です。

 自由貿易と移民が、世界中の働き手を競争に放り込み、不平等と停滞をもたらした、と人々は理解し、その二つを問題にする候補を選んだ。有権者は理にかなったふるまいをしたのです。

 奇妙なのはみんなが驚いていること。本当の疑問は「上流階級やメディア、大学人には、なぜ現実が見えていなかったのか」です 。

 選挙戦では、候補個人について多くのうその応酬がありました。しかし、社会について語る場面では、真実を口にしていたのはトランプ氏の方でした。

 彼は「米国はうまくいっていない」と言いました。ほんとうのことです。「米国はもはや世界から尊敬されていない」とも言いました。彼は同盟国がもうついてこなくなっている事実を見ています。そこでも真実を語ったのです。

 クリントン氏は、仏週刊紙シャルリー・エブドでのテロ後に「私はシャルリー」と言っていた人たちを思い出させます。自分の社会はすばらしくて、並外れた価値観を持っていると言っていた人たちです。
それは現実から完全に遊離した信仰告白にすぎないのです。

 トランプ氏選出で米国と世界は現実に立ち戻ったのです。幻想に浸っているより、現実に戻った方が諸問題の対処は容易です 。
(朝日新聞デジタル 2016年11月17日 )


『コーランでは命は守れない』との有料の仏週刊紙シャルリー・エブドのイスラム教を侮辱する下品で面白みに欠ける低俗な諷刺画。その品性下劣な画像を『シャルリー・エブドでは命は守れない』とパロディで諷刺したユーモアあふれる画像を作成しネットに無料で公開した高校生を問答無用とばかりに即座に逮捕したフランス当局。欧米先進国が誇る民主主義とか平等、言論の自由の原則なとポリティカル・コレクトネスpolitical correctness(PC )は真っ赤な嘘であり、絵に描いた餅以下だったのである

『今回の世論誘導(情報操作)のマスコミの遣り口が余りにも浅ましく露骨すぎた』

今回のアメリカ大統領選挙のような、不思議なものを今まで見たことが無い。
政治(選挙)に介入したマスメディアの方は『今までの通り』であり少しも珍しくない出来事である。
ところが、今回のように『まさかの大失敗』というか、マスコミを総動員した大がかりな仕掛けのプロパガンダ(世論誘導による選挙への介入で、クリントン当選を演出)の結果が180度逆(大失敗)になる。
普通の注意力さえあれば誰が見ても、
『メディアが一方的にトランプを悪者に仕立て上げようとしている意図が感じ取れ、かつその叩き方が不平等であったからである。』と思われる摩訶不思議な展開になっていた。
今回フランスの人類学者エマニュエル・トッドが語っているように『奇妙なのはみんなが驚いていること。』に尽きるのである。
本当の疑問は、『上流階級やメディア、大学人には、なぜ現実が見えていなかったのか』なのです。
(我が日本国は世界的に珍しい巨大な全国紙の存在と、その巨大新聞社と全国一律のテレビ局の放送網がマスメディア集中排除原則の観点から違法とされているクロスオーナーシップで不可分に結びつき、何処を切っても同じ金太郎あめのような同一ニュースを流している北朝鮮も真っ青な世にも珍しい完璧な情報統制国家が出来上がっている) 

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2 コメント

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日本のマスコミも現実が見えていないのでは ()
2016-11-18 10:23:10
 日本のマスコミは、トランプ氏が欧州諸国からの会談オファーを断る中、日本とだけはスピード会談に応じたことを、
トランプ氏が日米関係を重視している証拠だとして喜んでいます。
 トランプ氏がアメリカを立て直すにあたって、外交面ではブログ主様のおっしゃる通り、アラブ諸国への干渉を今後どうするか、NATO加盟国や、ロシアも絡む困難な課題であるため、じっくり戦略を練る必要がある事に比べ、実質属国の日本が、今現在何を言ってきたところで大したことではないからとりあえず会った、という可能性には思い至らないように見えます。
 トランプ会見後の安倍晋三は、“暖かい雰囲気”、“信頼関係を構築できる”という、本人のコメントとは裏腹に、ずいぶん硬く、困惑しているようにも感じたのですが、いずれにせよ、安易な売国行為だけはやめて欲しいものです。
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政権移行の2か月間のタイムラグ (宗純)
2016-11-18 16:39:02
潔さん、コメント有難う御座います。

国家のトップとして腰が軽すぎるというか。一貫性が無いというか。今まではクリントン勝利ですべての物事を進めていたのですから、変わり身が早すぎる。
71年前に鬼畜米英が1夜で全員がアメリカ民主主義バンザイに変化した恥ずかしい日本人としては、むべなるかな。仕方がないのかも知れないが、それにしても浅ましい限りである。
日本では総選挙が終われば即座に政権が新しく作り直される仕組みだが、
ところが、オバマ大統領ですが今でも現職で1月まで、今後2ヶ月間は今でもアメリカのトップですよ。
丸々オバマさんを無視してトランプ次期大統領とだけ直接会談した安倍さんですが、いくら非公式でも、これは非礼に過ぎるでしょう。
あわてる乞食はもらいが少ない。
これからトランプ大統領の就任までに、何が起きても不思議ではありません。
今の世の中は常識がまったく通じない、なんでもありのトンデモナイ激動期に入ったのは明らかですよ。たぶん、とうとうアメリカのカタストロフィが始ったのです。
その最初の兆候が今回のまさかのトランプの勝利で間違いないでしょう。
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