逝きし世の面影

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低線量被曝で原発作業員30万人中531人が白血病で、209人がその他のがんで死亡

2015年10月24日 | 政治
『がん死亡リスク、低線量被ばくでも増加 欧米の原発作業員分析』
2015/10/22 〔共同通信〕

欧米の原子力施設で働く30万人以上を対象にした疫学調査で、100ミリシーベルト以下の低線量被曝(ひばく)でも線量に応じてがんによる死亡リスクが増えたとする分析結果を、国際チームが22日までに英医学誌BMJに発表した。
国連科学委員会などは被曝線量が100ミリシーベルト以下では明確な発がんリスク上昇を確認できないとの見解を示している。
チームは100ミリシーベルト以下でも白血病のリスクが上昇するという調査結果を既に発表。英国、米国、フランスの原発などで1944~2005年の間に1年以上働いた約30万8300人のうち、白血病以外のがんで死亡した1万9064人について分析した。
分析の結果、被曝がなくてもがんで死亡する可能性を1とした場合、1ミリシーベルトの被曝ごとに1万分の5程度死亡リスクが上昇すると推計され、上昇率は高線量のデータと同程度だったという。1万9064人のうちでは、209人が被曝により増えたがん死と推定されるとしている。
2015年10月23日(金)日本経済新聞
金子勝 @masaru_kaneko
欧米の原子力施設で働く30万人以上を対象にした疫学調査で、100mSv以下の低線量被曝でも線量に応じてがん(白血病)による死亡リスクが増えたとする分析結果を、国際チームが英医学誌BMJに発表。
住民は防護服も被曝手帳もなしのままだ。

『白血病 低線量でもリスク増 国際がん研 作業員30万人調査』
毎日新聞2015年7月2日

低線量の放射線を長期間浴びることで、白血病のリスクが上昇するとの疫学調査結果を、国際がん研究機関(本部フランス)などのチームが英医学誌ランセット・ヘマトロジーに発表した。
欧米の原子力施設で働く30万人以上の被ばく線量と健康状態のデータを分析した。
低線量被ばくの健康影響を統計的に示した研究は少なく、東京電力福島第1原発などで働く作業員や、放射線機器を扱う医療従事者の健康管理に役立つ可能性がある。
国際放射線防護委員会(ICRP)の、一定の線量を超えないと健康影響は出ないとする考え方は見直しを迫られそうだ。
チームは過去約60年間、フランスと英国、米国の原発や核燃料施設などで1年以上働いた約30万8300人の健康状態と被ばく線量の関係を統計的に分析。
結果は、被ばくがなくても白血病を発症する可能性を1とする「相対リスク」を考えた場合、1ミリシーベルトの被ばくごとに相対リスクが1000分の3程度上昇するという内容。100ミリシーベルト以下の低線量でもリスクはなくならない。
作業員の年間被ばく線量は平均1.1ミリシーベルト、積算線量は平均15.9ミリシーベルトで、531人が白血病で死亡。リンパ腫なども調べたが、明確なリスク上昇は確認できなかった。
ICRPは100ミリシーベルトを超すと発がんリスクが高まると指摘。それより低い線量では、健康影響を懸念する専門家と、心配ないとする専門家で意見が分かれている。
今回の研究費は、米エネルギー省や日本の厚生労働省などが拠出した。
調査妥当か検証を 
放射線医学総合研究所の明石真言理事の話
今回の調査結果は母集団が30万人以上という点で低線量被ばくの疫学調査としては最大の規模であり、注目すべき貴重なデータと言える。・・・日本の原発作業員について被ばく限度の引き下げを検討する必要が出てくるかもしれない。
【ワシントン共同】(一部抜粋)

『米原英典 独立行政法人 放射線医学総合研究所 放射線防護研究センター規制科学研究プログラムリーダー』 がんサポート 2011年9月

広島・長崎原爆被爆者の健康影響が放射線影響研究所による1950年代から続けている広島・長崎の被爆者の追跡調査からがんの発症者(白血病は死亡者)を放射線量別に推定している。
100ミリシーベルト未満では1・8%だが、100~200ミリシーベルト未満で7・6%となり、線量が増えるほど発癌リスクが増える。
原爆被爆者12万人を対象とした調査から、200ミリシーベルト以上の大量の放射線では被爆線量が高いほどがんになりやすいく、被爆から2~10年後に白血病患者が増え、それ以後には白血病以外のがん患者が徐々に増える。
100ミリシーベルト未満の低線量被曝の発がんリスクは広島・長崎の被爆者の追跡調査から明確にされていなかったが、それでも100ミリシーベルト未満の被爆が要因で増えた白血病の死亡は3万387人中では4人。白血病以外のその他のがんは被曝後20年の長い潜伏期間がある。(一部抜粋)


『福島原発「事故後作業で白血病」、初の労災認定
厚労省「因果関係の否定できず」』

2015/10/20 日本経済新聞

厚生労働省は20日、東京電力福島第1原子力発電所事故後の作業に従事し、白血病を発症した40代男性について「被曝(ひばく)と疾病の因果関係が否定できない」として労災認定したと発表した。同原発の事故後の作業を巡って、白血病を含むがんで労災認定が認められたのは初めて。
厚労省や東電などによると、労災が認められたのは40代前半の元作業員。2011年11月~13年12月の間に1年半、複数の原発で放射線業務に従事し、うち12年10月~13年12月は福島第1原発で原子炉建屋のカバーや廃棄物焼却設備の設置工事に当たっていた。
作業時には防護服を着用していたという。
男性の業務全体の累積被曝量は19.8ミリシーベルトで、福島第1では15.7ミリシーベルトだった。
その後、白血病を発症し、14年3月に労災申請した。現在、通院治療を続けている。
厚労省は13日に専門家による検討会を開き、国の認定基準に照らして労災に当たるとの意見で一致。20日に富岡労働基準監督署(福島県いわき市)が労災を認定した。
男性には医療費全額と休業補償が支給される。

『労災認定の基準は年5ミリシーベルト』

放射線被曝による白血病の労災認定基準は1976年に定められ、「被曝量が年5ミリシーベルト以上」かつ「被曝開始から1年を超えてから発症し、ウイルス感染など他の要因がない」とされている。
厚労省は「労働者補償の観点から業務以外の要因が明らかでない限り、基準を満たせば認定してきた。科学的に、年5ミリシーベルトを超えると白血病を発症するというわけではない」としている。
厚労省によると、これまでに、福島第1での作業後に被曝と関連する疾病を発症したとして、労災申請したのは今回のケースを含めて8件。うち3件は不支給となり、1件は取り下げ、3件は調査中だという。
東電によると、福島第1では現在、1日平均約7千人が働いている。年5ミリシーベルトを超える被曝をした作業員は14年度に6600人に上り、増加傾向にあるという。
原発で重大な事故が起きた際に緊急作業に当たる作業員の被曝線量の上限は100ミリシーベルトとされているが、作業員が働ける期間を長くするため、来年4月以降は250ミリシーベルトに引き上げられる。
被曝線量が累積100ミリシーベルトを超えると発がんリスクがわずかに上昇するとされる。100ミリシーベルト以下の低線量被曝が健康に与える影響はよく分かっていない。
福島第1の事故後の作業以外で、原発で働いて白血病や悪性リンパ腫などのがんを発症し、労災認定された人はこれまでに13人いる。
2015/10/20日本経済新聞




『東電御用達のルポルタージュ漫画「いちえふ」 恐怖のHP(ホット・パーティクル)』

覆面擬装作家『竜田一人』が描くルポルタージュ漫画『いちえふ』ですが、間違いなく東京電力の福島第一原発の事故現場を知っている関係者が書いている。
ところが、現場の経験者なら誰であれ絶対に犯さない初歩的な(素人の一般人の常識的な)『間違い』が描かれているのである。
しかも、それが漫画の売り(核心部分)だったから尚更不可解である。基本的に有り得ないのです。
原発村の御用学者の腹立たしい『独演会』状態。
誰でも知っているように、そもそも電離作用がある放射線を遮断するなら鉛の厚板が必要である。(今回白血病で労災認定された作業員も重い鉛のベストを着用して作業していた)
幾ら全面マスクとガムテープで空気を密閉しても、いわゆる『防護服』の様な薄い布地では最初から放射線の防護は絶対に無理だった。
全面マスクとか防護服ですがガンマ線の被曝では、気休めにもならない。
しかし、では何故暑いし息苦しい全面マスクや防護服で『何』を密閉しているのか。
放射性微粒子HP(ホット・パーティクル)の汚染を防ぐのが唯一の目的なのである。
(『防護服』などと呼ぶから放射線防護服と勘違いする。正しくは放射能汚染物質微粒子の防護服である)
原発作業員にとっての最大の問題点は政府やマスコミの宣伝する(測定しやすいし、目立つ)ガンマ線の外部被曝では無い。
漫画『美味しンぼ』に描かれていた福島第一原発事故後の放射能の被害の一つの『鼻血の原因』であるHP(ホット・パーティクル)によるアルファ線の内部被曝を防ぐのが全面マスクとか防護服の本当の役目なのです。
漫画『いちえふ』を読めば誰でも分かるように、この漫画のメインの内容は全面マスクと防護服である。
ところが肝心の目的が漫画『いちえふ』では完璧に無視されていて、曖昧に誤魔化されているのである。
HP(ホット・パーティクル)問題は一切描かれていない。
漫画『いちえふ』で繰り返し描かれているのが空間線量(ガンマ線のミリシーベルの値)である。
なぜ放射線被曝と放射性微粒子による被曝とを『いちえふ』では意識的に混同して誤魔化す必要があるのか。
覆面作家『たった一人』は半年で被曝量が20ミリシーベルに達したので、雇用主から事実上解雇されていると主張しているが余りにも嘘くさい。(漫画では鉛の放射線防護服をを着用していない)
メルトダウン事故後に政府は上限を一気に五倍増の100ミリシーベルトまで拡大したが、雇用主は放射線障害で訴えられる(労災)リスクを回避する目的で20ミリを限度に雇わない。(過去に年5ミリシーベルトの被曝量でも労災が認められている)原発作業員は20ミリシーベルトの被曝で、事実上の『雇い止め』を行っているのである。




『放射性微粒子(HP ホットパーティクル)は健全な原子炉からは外部に漏れない』

東京電力の福島第一原発の事故現場ですべての作業員が恐れているのは、マスコミなどが大騒ぎする放射線(ガンマ線による外部被曝)ではない。
『放射能の埃』(放射性微粒子)によるアルファ線やベータ線の内部被曝なのである。
福島第一原発の汚染地域の区割りは、放射線量の高低では無くて、汚染物質(放射性微粒子)の有無と量によって決められている。
体を透過する放射線(ガンマ線)による外部被爆よりも、放射性微粒子による内部被曝(アルファ線)の被害が甚大なのは、現場の常識以前のイロハのイの話なのです。
極端な話なら、たとえ空間線量が100ミリシーベルトでも汚染されていなければ安全であり、マスクも防護服も着用しない。
逆に空間線量が1ミリシーベルトでも放射性微粒子の量が多ければ汚染地帯であり、あの宇宙服の様な徹底的な防御が必要なのである。

『原発再稼動に大賛成。摩訶不思議な原発漫画「いちえふ」の覆面(顔なし)の作家』

住所不明、本名不詳、経歴不明の異例の『顔なし』の覆面漫画作家の『たったひとり』氏は、日本の多くの人々が大反対する原発の再稼動は人材の育成(技術の伝承)で、ぜひとも必要との露骨で悪質極まる宣伝広報を繰り返し行っていた。
東京電力など電気事業連合会や日本政府の代弁者なのである、
そもそも自分が半年で雇用限度の20ミリシーベルトに達して首になったことを忘れているのか。
正体不明、この顔なしの小悪党ですが現場での経験の積み重ねが大事な土木作業などとは大違いで、原発作業が被曝量の上限値のために原理的に『人間の使い捨て』である恐ろしい事実を隠しているのである。

『フクシマの放射能汚染の深刻化が原因で事実上消滅した大都市のホームレスのブルーシートのテント村』

新潟県の泉田知事は再稼動すれば今でも人が集まらず不足しているのに、間違いなく作業員不足で福島第一原発の収束作業が破綻すると指摘している。(4年前の福島第一原発の作業員は1日3000人程度だったが、現在は1日7000人に増えている)
レベル7の3・11核事故から4年半が経過した現在、大都市の公園や河川敷に沢山あったブルーシートのテント村(失業した元派遣社員)が完璧に消滅しているが、だれも騒がない不思議。
アベノミクスで改善されたのは株価でけで雇用は改善していない。
それならブルーシートのテント村消滅の原因とは、放射能の危険性が高いフクシマに駆り集められホームレスが全員が居なくなった。(善良な日本人は、この恐ろしい事実を誰も認めたくない)
いくら人手不足でも、ホームレスの様な質の低い労働者をわざわざ雇うような企業は限定されている。
薄々全員が気がついているのだが、事実上フクシマの放射能の除染現場とか原発の作業員の様な危険な誰もやりたがらない仕事しか日本国内には存在しないのである。

『水にも熱にも酸にも溶けないガラス化した不溶性セシウムの恐怖』

2014年9月21日(土)午後11時30分放送だったNHKのサイエンスZERO シリーズ 原発事故(13)が安倍晋三のお友達の籾井会長の横槍で一旦はお蔵入りしていたが、3ヶ月遅れで12月21日の日曜日夜に放送されている。
『福島第一原発の事故で大量に放出された放射性物質・セシウム。これまでは放射線量などをもとに調査されていたが、その実際の形態はよく分かっていなかった。しかし、電子顕微鏡を用いた巧みな調査で、セシウムは不溶性の球形粒子として存在するものも多いことが明らかになった。
この粒子が肺に入ると、従来想定されていた水溶性粒子に比べて長くとどまるために、内部被ばくの影響が強くなるのではないかと危惧されている。』
NHKの籾井会長が放送中止にしたのが『なるほど』、『放送中止も当然だ』と納得する凄まじい放送内容。
まさに『驚くべき内容』なのである。
今まで知られていた、水溶性の放射能汚染物質が体内に入っても、100日程度で半減してしまいセシウムの被曝の影響は比較的小さい。
ところが12月21日の『3ヶ月遅れサイエンスZERO』が存在を証明した、水にも熱にも酸にも溶けないガラス化した不溶性セシウムは(食べた場合には排泄されるが)肺胞に入った場合には半永久的に出て行かず、極めて有害なベーター線を出し続けるのである。
NHKのサイエンスZEROの、『不溶性のセシウム』ですが、(発見されたばかりで、まだまだ未解明な部分が多いが)人体への致命的なダメージは計り知れないほど恐ろしい。
『不溶性セシウム』とは鉱物として非常に安定しているアスベストと同じで、一度人体に取り入れると肺胞の奥から出て行かない。
物質として、まったく無害なアスベストでも30年後には中皮腫が発症する。
ところが、ガラス化した不溶性セシウムは電磁波であるガンマ線よりもはるかに強力で電離作用も大きい(電子の流れである)ベータ線を出すのである。
もしも不幸にも不溶性セシウムを吸い込んだ場合には、『30年後の中皮腫』のアスベストの被害など問題にもなら無い程の、短時間で甚大な被害が予想されるのである。

『電離作用が大きいベータ線は細胞が全部死ぬから安全だ!』

NKH放送では『IAEAの専門家』の言葉として『不溶性セシウムのベーター線で付近の細胞が死滅するので安全だ』との、吉本新喜劇の池野めだかのギャグの低級なパクリを真面目に語っていた。この大馬鹿者が。不真面目な冗談は止めてほしい。
もしも21日放送の『3ヶ月遅れサイエンスZERO』が正しければ我が日本国ですが、もう終わっているのです。(少なくとも安倍晋三やお友達の籾井に乗っ取られたNHKは終わっている)
安倍晋三首相ですが本来ならパルチザンに捕まって愛人もろとも処刑され逆さ磔にされたイタリア王国首相のベニート・ムッソリーニのように、怒り狂った群集に殴り殺されているのが相応しいが、日本人の一般大衆は死んだネズミの如く大人しく誰も何も言わない。
スポコン漫画『巨人の星』の星一徹のちゃぶ台返し以上の、あっと驚く、凄まじいちゃぶ台返しを籾井NHKが目の前で行っているのに、誰も気が付かないとは面妖である。
本当に誰も目の前のちゃぶ台返しに気が付かないのだろうか。
それとも全員気が付いているのだが余りにも結果が恐ろしすぎるので、『気が付かないふり』で誤魔化しているのだろうか。
いずれかは不明だが、それにしても不思議な話である。

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